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最近、不思議な本に出会いました。読んで混乱しています。

それは、万有引力やクーロン力の逆二乗則(逆2乗法則)は不思議でもなんでもない、つまり当たり前なのだ(?)と結論している本です。
本のタイトルは『「余剰次元」と逆二乗則の破れ』で、著者は立教大学理学部の村田次郎という先生です。
著者は以下のような仮定をして結論づけていますが、力学や電磁気学が得意な方、以下の論法は正しいと思われますか?(つまり、球の表面積を考えると逆二乗則になって当たり前だという論法のようなのです)。

本の中では、クーロン力が作る電場について次の(1)(2)(3)の仮定をしています。

(1)電荷Qからは、その電荷量に比例するNQ本の電気力線が発生している。
(2)電気力線は等方的に空間に伝播する。
(3)空間は三次元空間だとする。

そして次の(4)の推論により、三次元空間では電場が逆二乗則になるのだと結論しています。

(4)電場の強さは電荷量に比例するのだから、電場の強さは電気力線の本数に比例する。よって、ある場所での電場の強さはその場所での電気力線の密度に比例するはずである。球面上での電気力線密度はNQ/4Πr^2だから、それに比例する電場の強さはE=k・Q/r^2と導ける。

・・・というのです。逆二乗則が「導ける」というのです!。私は、これはおかしいのではと思うのですがどうでしょうか?
それは、(1)(2)(3)の仮定の段階では電場の強さは分かっていないのであって、それを求めようとしているのだから、例えば逆n乗則E=k・Q/r^nとの考えで始めれば(n=1.99999とか2.00001とか3とかマイナスもあり)、(4)の推論の中の「電場の強さはその場所での電気力線の密度に比例するはずである」が逆n乗則では崩れてしまい、つまり(4)の推論は最初から逆二乗則ありきの推論になってしまっていて普遍的ではなく、論理的におかしいように思うのです。
つまり(4)の推論は最初から逆二乗則であると決め付けているだけのものだと思うのです。電気力線密度は、仮定により逆n乗則でも逆二乗則と同じですが、逆n乗則ゆえ電場と比例関係にあるとは置けないはずです。

wikiなどのウェブサイトでも、このような論法で逆二乗則が導き出せるように見せているものがありますが、万有引力やクーロン力や光の逆二乗則は観測や実験によってその範囲内で言えるものだと思います。あくまでも観測・実験結果であって、「導き出せる」ものではないと思いますが、皆さんはどう思われますか?

今の理系の大学教授や高校の先生方は、「球の表面積が4Πr^2だから、万有引力やクーロン力は逆二乗則(逆2乗法則)になって当たり前だ」・・・みたいな教え方をされているのでしょうか?

A 回答 (42件中31~40件)

>いえいえ、例えば「逆n乗則」を考えれば、同じ仮定のもと「電気力線密度と電場は比例関係にある」とは言えないですから、著者の推論は妥当とは思えません。


->
 と言う事であれば話は簡単です。質問者さんは自分が疑ってやまない事を実は信じているのです。自分でそのことが自覚できないのはちょっとした勘違いが原因でしょう。
 他の仮定は同じと言うことですので「それを前提にして」質問者さんが信じている事は次のように書けます。
命題1: 「逆2乗則は成り立たない(逆n乗則)」-->「電気力線密度と電場は比例関係にない」
また、ANo.9のお礼の最初の部分で、
>まあそうでしょうね(だから何なのでしょうか)。
と言って
命題2: 「電気力線密度と電場は比例関係にある」(ZはYに比例する(上記2事項からの推測)
)
と言うことを認めています。と言うか今回でも命題2が否定されることが反対する根拠になっているのですから命題2が成立することを認めるのは当然ですね。
 ところで、質問者さんが疑っている事は
命題1': 「電気力線密度と電場は比例関係にある」-->「逆2乗則は成り立つ」
と書けます。よく知られているように命題1と命題1'は対偶の関係にあり、
命題1が正しいと認めるなら命題1'も正しいことになります。通常はあまり深く考えなくても命題1と命題1'が同等であることは直感的に理解すると思うのですが、ちょっとした勘違いを起こしたのでしょう。後は命題1'と命題2からよく知られる推論形式によって
命題3: 「逆2乗則は成り立つ」
が導かれます。
 もともと難しいことは1つもなく数学・論理ともに高校生でも理解できるような議論になっているのに加えて、上のようなことは物理の問題からはかけ離れているのでくどくど説明するまでもないことなのですが、敢えて説明させて頂きました。対偶をキーワードにゆっくり考え直せば今までの疑いが嘘のように確信に変わるのではないでしょうか。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
もう一度書きます。著書にしたがって少し直しましょう。
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今後、ご回答者は、最初に「球の表面積が4πr^2だから、逆二乗則は不思議でもなんでもない(つまりは当たり前ということ)」というお立場なのかそうではないのか、またはそう教わったことがあるのかなど、できるだけご自分の立場を最初に明確にしてご回答して頂けたらありがたいです。
また、本筋から離れる一般論はなるべく避けて下さい。私の質問内容をよく読んで下さい。
大事なことなので繰り返しますが、私の質問内容をよく読んでから書き込んで下さい。
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この著書の論法は、質問を見て頂ければ分かるとおりですが、こういうものなのです(私はそう捕らえましたが、買って読んであげて下さい)。
それは、(1)(2)(3)の仮定と(4)の推論からなる論法なのです。
逆二乗則の導出を問題にしているので、(4)の中の「電場の強さは電荷量に比例するのだから」については問題にしていません。問題なのは、(4)の中の「電場の強さはその場所での電気力線の密度に比例するはずである」と著書が推論している箇所です。それは、その反例として逆n乗則をあげれば「電場の強さはその場所での電気力線の密度に比例するはずである」が否定されるからです。
著者のように「電場の強さはその場所での電気力線の密度に比例するはずである」と最初から置くことは、逆二乗則であるということと数学的に等価であり、逆二乗則、つまり物理法則である逆二乗則を導出していることにはちっともならない・・・と思っています^^

>質問者さんは自分が疑ってやまない事を実は信じているのです。自分でそのことが自覚できないのはち
>ょっとした勘違いが原因でしょう。

何をおっしゃりたいのかよく分かりませんが、たぶん、あなたの頭の中で逆二乗則がこびりついているだけで、この著者の論法の不思議さが見えていないのだと私は思いますよ。


>と言うことを認めています。

私は、質問に書いたこと、つまり著者が「電場の強さはその場所での電気力線の密度に比例するはずである」と書いていることをご回答者がわざわざ繰り返していたので、私は「まあそうでしょうね」と言ってあげただけのことです。何も「電場の強さはその場所での電気力線の密度に比例するはずである」を認めているわけではありません。

あなたのご回答も、本質から外れて煙にまくような意味のないものに見えます。
もう一度書いておきましょう。
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今後、ご回答者は、最初に「球の表面積が4πr^2だから、逆二乗則は不思議でもなんでもない(つまりは当たり前ということ)」というお立場なのかそうではないのか、またはそう教わったことがあるのかなど、できるだけご自分の立場を最初に明確にしてご回答して頂けたらありがたいです。
また、本筋から離れる一般論はなるべく避けて下さい。私の質問内容をよく読んで下さい。
大事なことなので繰り返しますが、私の質問内容をよく読んでから書き込んで下さい。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

これは蛇足ですが、うずまき銀河の観測から、重力は宇宙スケールでは逆二乗則ではないのではないだろうか、とういう考え方もあります。正しいかどうかは別としてです。
「MOND では太陽系のスケールのように距離が比較的近い場合には重力が万有引力の法則と同様に距離の逆二乗に比例した力を及ぼすが、恒星間など距離が大きくなるとその実質的効果が距離の逆一乗(反比例)に漸近すると考える。 」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BF%AE%E6%AD%A3% …


あなたの頭は逆二乗則で凝り固まっている・・・としたら、この著者の本を買ってあげて、いろいろと考えてみて下さい。

お礼日時:2011/08/28 15:36

No.7の回答に不足があったようですので、追加質問にお答えします。



>>現代ではマックスウエルの方程式やD=εE等を拠り所に定義するというのが順当だと思います。
>順当だと思われる根拠はどこにあるでしょうか。
電磁気に関する一番多くの事を一番巧く説明するからです。
自分で全て確認したとは言いませんが、少なくともそう教わっています。

>当然だと思う理由は何なのでしょうか。
上の説明をご納得いただいた上でのことになりますが、電束密度(D)の源(div)は電荷密度(ρ)に他ならないからです。
積分形で言えば、平曲面を通過する電束の合計がその中の電荷で、そうやって電荷と電束は互いを定義しているからです。
電界は、少なくとも真空中では、電束密度(D)に単位系を合わせる為の比例係数ε0を掛けたものと定義されます。
以上、基本的には他の方が仰っている事と同じつもりです。

オームの法則を持ち出したのは、物理量というものはこれに限らず古典的な意味での実体から分離して理論体系を構築する計算道具としての仮想量となって行くということを言いたかったからです。物理量と基本法則は表裏一体で、どちらが先ということは無いと思います。電荷や電界は実際にそのものを直接見ることができませんから尚更です。私たちは電磁気現象が引き起こした結果を見る事によってそこに電荷や電界が存在している事を空想できるだけです。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
おっしゃりたいことは分かります。

>マックスウエルの方程式やD=εE等を拠り所に定義するというのが順当

あなたは、いきなりマクスウェルの電磁方程式から教わったということでしょうか。
教科書の始めに根本法則として電磁方程式があって、そこからクーロン力を導出するような教わり方だったというのでしょうか。
そうだとしても、私の質問に対する回答にはなっていないと思いますが。
もう一度、質問内容をよく読んで下さい。


>電荷や電界は実際にそのものを直接見ることができませんから尚更です。私たちは電磁気現象が引き起
>こした結果を見る事によってそこに電荷や電界が存在している事を空想できるだけです。

これは明確に間違っていると思います。
電荷は見えなくても荷量があればいいのです。電場も同じことです。
重力も見えませんよ。
歴史的にどうやって電荷という荷量があると認識できたのか、よくお調べ下さい。

お礼日時:2011/08/27 23:54

これ以上は水掛け論になりそうなのでこれで最後にしますが、



>荷量として電荷という物理量があって、その電荷間に「クーロン力」が作用する。
>そのことが根本にあるから電場がある、あるいは電場と言えるのです。

この考え方が全く逆の立場が現代の物理、特に理論系の方には存在するということなんです。荷電粒子のまわりには本質的な存在として場があり、その場によって力が生ずると言う立場ですね。こういう立場もあるということを理解してください。

大学院卒ということなので安心していろいろな用語が使えるので助かります。
以下特に説明なく使います。

場として考えるのは、正しくは電場そのものではなくポテンシャルで、マックスウェルの方程式を基礎に置けば、電荷分布が与えられればポアッソン方程式の解として場(スカラーポテンシャル)が求められることになります。ポテンシャルが求められば、そのグラジエントから力(電場)が導出されます。

場の存在が物理的実体なのか、計算を容易にするための数学的なツールに過ぎないのかということが長い間の議論になっていましたが、それに一つの結論を出したのがアハラノフ・ボーム効果の実験的な検証です。これは量子力学的な効果によるものですが、磁場ではなくベクターポテンシャルそのものが実験結果に影響を与えており、場というものが単なる数学的なツールではなく実在のものであることが明らかになりました。力ではなく場を基礎に置くということはこういうところから来ています。

ご自身で探されるとは思いますが、念のためwikipediaを引用しておきます。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%8F% …
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
おっしゃっていることは理解できます。
どうでもいいことですが、私は電磁気学の本は10冊ぐらい持っています。理数系の本を合わせると大量に持っています。
そして、大学院では非線形偏微分方程式の数値解析(安定解、不安定解、カオス)もやっていました。

どうでしょう。
あなたの解答は、今私が上で書いたように、自分の知識をひけらかすようなもので、質問の解答としては的を射てるとは思えません。本筋から離れているのではありませんか。
私の質問への解答で、あなたが述べられているような知識は必要ないのではないでしょうか。
そもそも、この本もそんな難しい話をしていません。

また、あなたは数学的には理解されているとしても、その数学的な理解と物理学としての理解を混同されていると思います。

>場として考えるのは、正しくは電場そのものではなくポテンシャルで、マックスウェルの方程式を基礎
>に置けば、電荷分布が与えられればポアッソン方程式の解として場(スカラーポテンシャル)が求められ
>ることになります。ポテンシャルが求められば、そのグラジエントから力(電場)が導出されます。

マクスウェルの電磁方程式は、単なる連立方程式として数学として扱うことはできます。それは当然でしょう。
しかし、あなたのおっしゃるポテンシャルとか電荷とか電場とは何かをよくお考え下さい。
なぜ数学の世界なのにそういう「言葉」が使えるのか、それは物理学が最初にあるからです。
前回言ったかもしれませんが、あなたは物理法則を逆にして数学的に眺めているだけだと思います。

失礼な物言いで申し訳ありません。
あなたにはぜひこの本を読んでもらいたいと思います。
あなたは聡明な方だと思います。
ありがとうございました。

お礼日時:2011/08/27 23:23

>導いたとは、どういった意味でしょうか?


->
単純な推測により導いたと言うことです。
X=電荷量
Y=電気力線の本数
Z=電場の強さ
とするとき、
YはXに比例する(仮定(1))
ZはXに比例する(実験による確認)
ZはYに比例する(上記2事項からの推測)
電荷量、電場の強さの物理量は仮定(1)~(4')とは独立に個々に計測可能であることを前提とします。
ここで、厳密には、
YはXに比例すると言うときの電気力線の本数とは電荷から出ている総本数であり、
ZはYに比例すると言うときの電気力線の本数とは密度としての本数となっていて異なりますが
総本数と密度本数も比例関係にあるので比例関係という点で支障のないことは明らかです。
以上で、仮定の部分は物理的な内容に関連していますが推論の部分は物理とは離れ、数学的・論理的な過程になっています。

>電場の強さは分からないという前提であり、その分からないものを求めようとしている
->
式の形では電場の強さ=?となっていますが、分からないのは電場の強さと言う訳ではなく、あくまで3者(電荷量、電場の強さ、両者の位置関係)の関係です。未知であるところの3者の関係を物理的な内容を含む仮定(1)から(3)に基づいて数学的・論理的な過程を経て導き出そうとしている訳です。

>例えば逆n乗則として考えれば、前提とした仮定のもとでは「電場の強さはその場所での電気力線の密度に比例する」とは言えないはずです。
->
「逆n乗則として考えれば」と言うとき、それ以外に何を前提としているか明確ではありませんが、(1)~(3)を合わせて前提とするなら論理的に破綻してしまいます。そうではなく、逆n乗則とその他論理的に破綻しないような適切な仮定を設けて「電場の強さはその場所での電気力線の密度に比例する」かと言えば、否と言う結論が考えられないことはないでしょうが、それが仮定・結論も含めて妥当かどうかは別途検討する必要があります。一方、質問にある仮定と推論は私は妥当と考えるし、多くの人もそれを認めるだろうと思っています。(また、結論は周知のものです)
「「電場の強さは・・・」とは言えないはずです」については一番最初に述べたとおりです。

>仮定を三次元から二次元に変更してるわけですから、何の意味もないでしょう
->
二次元で得られる結論については言われるとおり何の意味もないことはその通りですが、ここで私が言いたかったことは「仮定に基づいて適切な推論により妥当な結論を導出した」と言うことです。質問者さんの主張:「逆二乗則ありきの推論」に反論している訳です。
私の主張は仮定に基づいて「適切な推論により」妥当な結論を導出したと言う事ですから、仮定を変えれば同じ推論の過程を経て逆二乗則ではなくなるのであるなら、少なくても「逆二乗則ありきの推論」ではなく仮定に基づいた或いは仮定に依存した結論を導ける推論であると主張しているのです。

>二次元(平面)や一元(線)で電場の空間依存性を考えることは無意味です。実際には、観測と実験によって得られるのは三次元空間における法則だからです
->
現実の物理現象がどうあるかを調べようとする直接的な目的からは無意味であるとも言えるでしょう。しかし、推論の正当性をチェックするための思考実験と考えれば無意味とは言えません。実際に私はそのこと(推論の正当性)を訴えるために例示したのです。

>そうですね。そういうことなのですよ。しかし、やはり最初の仮定を変更することになりますよね。
>そんな電気力線を仮定することにどんな物理的意味があるのかよく考えないとだめでしょう
->
既に述べたことの繰り返しになりますが、変更して提示した仮定は推論の正当性を訴えるための例示にすぎません。
「逆二乗則ありきの推論」の推論ではなく、妥当な仮定に基づく適切な推論であると主張するための思考実験です。
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この回答へのお礼

今後、ご回答者は、最初に「球の表面積が4πr^2だから、逆二乗則は当たり前だ」というお立場なのかそうではないのか、またはそう教わったことがあるのかなど、できるだけご自分の立場を最初に明確にしてご回答して頂けたらありがたいです。
また、本筋から離れる一般論はなるべく避けて下さい。私の質問内容をよく読んで下さい。

>X=電荷量
>Y=電気力線の本数
>Z=電場の強さ
>とするとき、
>YはXに比例する(仮定(1))
>ZはXに比例する(実験による確認)
>ZはYに比例する(上記2事項からの推測)
>電荷量、電場の強さの物理量は仮定(1)~(4')とは独立に個々に計測可能であることを前提とします。
>ここで、厳密には、
>YはXに比例すると言うときの電気力線の本数とは電荷から出ている総本数であり、
>ZはYに比例すると言うときの電気力線の本数とは密度としての本数となっていて異なりますが
>総本数と密度本数も比例関係にあるので比例関係という点で支障のないことは明らかです。
>以上で、仮定の部分は物理的な内容に関連していますが推論の部分は物理とは離れ、数学的・論理的な
>過程になっています。

まあそうでしょうね(だから何なのでしょうか)。


>式の形では電場の強さ=?となっていますが、分からないのは電場の強さと言う訳ではなく、あくまで
>3者(電荷量、電場の強さ、両者の位置関係)の関係です。未知であるところの3者の関係を物理的な内
>容を含む仮定(1)から(3)に基づいて数学的・論理的な過程を経て導き出そうとしている訳です。

関係を求めようとして、逆二乗則であることが導けたと著者は書いてるのですが。関係を求めるとはそういうことではないでしょうか。


>「逆n乗則として考えれば」と言うとき、それ以外に何を前提としているか明確ではありませんが、
>(1)~(3)を合わせて前提とするなら論理的に破綻してしまいます。

同じ前提です。また、論理的に破綻しているというのは、「電気力線密度と電場は比例関係にある」という考え方が破綻しているのか、「逆n乗則」を持ち出すのが破綻しているのか、またはその他なのか、何が破綻しているのでしょうか。


>そうではなく、逆n乗則とその他論理的に破綻しないような適切な仮定を設けて「電場の強さはその場
>所での電気力線の密度に比例する」かと言えば、否と言う結論が考えられないことはないでしょうが、
>それが仮定・結論も含めて妥当かどうかは別途検討する必要があります。一方、質問にある仮定と推論
>は私は妥当と考えるし、多くの人もそれを認めるだろうと思っています。

お話が飛躍していないでしょうか。「一方、質問にある仮定と推論は私は妥当と考えるし、多くの人もそれを認めるだろうと思っています」・・・このあなたの結論に対して、お話の前半部分は何の説明にもなっていないと思われますが。
失礼ですが、何かただ単に長い書き込みだけのような気がします
よく分からないのですが、あなたはどちらのお立場なのでしょうか?


>実際に私はそのこと(推論の正当性)を訴えるために例示したのです。

いえいえ、例えば「逆n乗則」を考えれば、同じ仮定のもと「電気力線密度と電場は比例関係にある」とは言えないですから、著者の推論は妥当とは思えません。

ご回答ありがとうございました。

お礼日時:2011/08/27 13:13

>おっしゃっているんですね?、卵が先かニワトリが先かの話みたいですね。



そういうことです。物理の体系を考えるとき、何を根本法則とするかには任意性があります。
前にも書きましたが、力を根本に据えればニュートン力学になり、エネルギーを根本に据えれば解析力学になります。
力がないとエネルギーが定義できませんが、だからといって解析力学の体系がおかしいとはだれも言いません。

>しかし、非常に無理がある、というか観測も実験もできませんよ。

もう一度ANo.6を読んでください。

>>原理はその命題が直接証明できなくても、そこから演繹的に導かれる結論が全て自然現象を破綻なく説明できていれば、その原理は正しかったことになります。

>クーロン力なしで、電場を定義できるのですか。

電荷のまわりにはガウスの法則に従う電場があるとして先に定義するだけです。
空間が等方的かつ一様であることから点電荷のまわりには球対称の電場が存在する。
これを認めるだけでガウスの法則の積分が実行でき、クーロンの法則が導けます。

これは、場の存在こそが物理的な本質であるとする立場で、いわゆる場の理論というものはこの延長にあるものだと思います。場の理論となると、あまりくわしくは知りませんが。

>ガウスの法則は、電場と電荷の関係を示しているだけで、電気力線なんか仮定しなくても何も問題はないのです。

そのとおりで、電気力線は直感的に理解しやすくするための媒介物でしかありません。
ANo.6をもう一度見ていただければ、電気力線という言葉は使っていないことがおわかりいただけると思います。
検索したところ、この本はブルーバックスらしいので、高校生にもわかりやすくすることを意図して電気力線を持ってきたものと思います。
電気力線に言及するかどうかはあまり本質的ではないので、こだわらないほうがいいのでは?

Maxwellの方程式についてはANo.7さんが書かれている通りで、その一つが微分系のガウスの法則なので、Maxwellの方程式を基礎方程式とする立場からは逆二乗則は根本法則ではなく導出されるものになります。だから無関係ではないですよ。この先生は微分形を持ち出しても高校生には説明し切れないと思ったので積分形をさらに噛み砕いて出してきたのではないでしょうか。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
あなたのおっしゃりたいことは何となく分かりますが、しかしそれはやはり間違っていると思います。
解析力学とか一般的な話をして煙にまくようなことをせず(話が発散してしまうので)、私の質問の逆二乗則だけに絞りましょう。

あなたが大きく間違っていると思うのは、やはり私が先に書いたことですが、クーロン力なしで電場を定義できるのか、定義というのは言い過ぎかもしれませんが、その電場とは何かということです。

>電荷のまわりにはガウスの法則に従う電場があるとして先に定義するだけです。
>空間が等方的かつ一様であることから点電荷のまわりには球対称の電場が存在する。

そもそも、ここでいう電荷とは何ですか。電場とは何ですか。マクスウェルの電磁方程式にある電荷密度とか何ですか。電流密度とは何なのでしょう。
荷量として電荷という物理量があって、その電荷間に「クーロン力」が作用する。そのことが根本にあるから電場がある、あるいは電場と言えるのです。
大事なことなのでもう一度書きますが、「クーロン力」があるからこその電場なのですよ。
ただし断っておきますが、静的な場でです。電磁誘導は置いておいてです。
そこをよくお考え下さい。数学などではありません。物理学なのです。

先にも書きましたが、電気力線は仮定上のものであり、それは無くても困らないものであり、
一方の電場は実験によって明確に得られる物理量です。
そのことから、両者のどちらが本質的なものなのかは言うまでもないことです。

私は大学院卒ですが、あなたのお考えは、単に数学的に電磁方程式を逆から眺めているようなものに過ぎず、物理学が欠落していると思います。
学部どころか、大学院でもそんな話は聞いたことはありません。
もっとも、数学的には場の理論としてあり得ます。でもそれは数学なのですよ。
よくよくお考え下さい。


>検索したところ、この本はブルーバックスらしいので、高校生にもわかりやすくすることを意図して電
>気力線を持ってきたものと思います。
>電気力線に言及するかどうかはあまり本質的ではないので、こだわらないほうがいいのでは?

いえ、そこが問題だと思うから皆さんの意見が伺いたいのです。
この本は、そこを基点として、n次元の話に持っていっているのです。
いろんな意味で勉強になりますので、買ってあげて下さい。いろんな意味でです(笑)。
どうもありがとうございました。

お礼日時:2011/08/27 12:20

基本的にはNo.3の方が仰る通りだと思いますが、少し私の考えを補足します。


まず、電荷も電界も目に見えませんから、電荷とは何か、電界とは何かを決めなくてはなりません。言葉の定義ですからこれは宇宙の真理のようなものではなくて、人が決めるべきものです。歴史的にはクーロンの法則等で定義するのでしょうが、現代ではマックスウエルの方程式やD=εE等を拠り所に定義するというのが順当だと思います。ガウスの法則はマックスウエルのdiv D=ρの積分形ですから、本の先生や皆さんが仰るように逆2乗則は当然だと思います。クーロン力はそこから演繹されるべき結果であり、様々な物理実験の結果はこの仮説の世界とたまたま一致している、電荷や電界は現実のものではなくて仮説の世界の一員だと考える方が私にはしっくりします。
もっと簡単な例で言えばオームの法則等の捉え方もこれに似た所があります。E=IRは歴史的には実験結果なのかもしれませんが、これは抵抗という仮想のものの定義だと考えるべきです。オームの法則が正しいのか正しくないのかという議論は意味が無くて、逆に現物の「抵抗器」の抵抗値がオームの法則に従っているのか従っていないのかを議論すべきで、厳密にはもちろん、従いません。それでもそれはオームの法則の不備ではありませんし、オームの法則を使って現物の抵抗器を語る事ができますし、オームの法則を使わずに現物の抵抗器を語る事は殆ど不可能です。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
しかし、根拠が書かれていないですね。

>現代ではマックスウエルの方程式やD=εE等を拠り所に定義するというのが順当だと思います。

順当だと思われる根拠はどこにあるでしょうか。


>ガウスの法則はマックスウエルのdiv D=ρの積分形ですから、本の先生や皆さんが仰るように逆2乗則
>は当然だと思います。クーロン力はそこから演繹されるべき結果であり、

当然だと思う理由は何なのでしょうか。・・・べき結果でありというのは、何を根拠に言われているのでしょうか。

マクスウェル方程式などに出てくる物理量の意味をよく考えて下さい。その物理量の意味なくして、本末転倒なお考えをお持ちだと思います。
よく分かりませんが、あなたは「球の表面積が4Πr^2だから、電場の強さは逆二乗則になって当たり前」だと思われているということでしょうか。だとしたら、授業や講義でそういう話をお聞きになったということでしょうか。


オームの法則の話は、私の質問の逆二乗則とは直接関係ないと思います。
私は電気工学出身ですので、たぶんあなたより詳しいですよ、たぶんですが。
導体には完全導体と、抵抗を持つ導体と、非線形内な半導体と、絶縁体があります。超伝導もありますが。
半導体などでなくても、金属でもその抵抗値は温度によって変わりますから、E=IRはある範囲内で成り立つとするべきものですね。

お礼日時:2011/08/27 11:39

>論理循環してしまい、???な話になるでしょう。



別に論理循環はしませんよ。

「閉曲面に沿った電場の面積分がその体積内の電荷の総量に比例する」(ガウスの法則)ということが自然界の法則であるとして、ある種の原理として教えればいいんです。原理はその命題が直接証明できなくても、そこから演繹的に導かれる結論が全て自然現象を破綻なく説明できていれば、その原理は正しかったことになります。

すると、逆二乗則は最初から与えられるものではなくこの原理から導かれるものになります。

ニュートンの運動方程式がなぜ正しいのかは誰も証明できませんが、そこから導かれる解が少なくとも古典論の範囲での力学現象を全て正しく説明できるので、ニュートンの運動の法則が正しいことが証明されるのと同じことです。

積分形のガウスの法則を基礎に置くのはかなり珍しいと思いますが、マックスウェルの方程式を自然界の基礎方程式として、そこから、逆二乗則を含めた全てが導出するという立場は結構あると思います。当然ですが、高校生や学部前半ぐらいでやることではありませんが。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
本論から外れていると思いますが、まあそれは置いておきます。

おっしゃりたいことは分かります。
ガウスの法則が自然界の法則であるとして、ある種の原理として教えればいいんです・・・と
おっしゃっているんですね?、卵が先かニワトリが先かの話みたいですね。

しかし、非常に無理がある、というか観測も実験もできませんよ。
電気力線は仮定上のものです。観測できないものを根本原理にするのには無理があります。
一方の逆二乗則は、クーロン力として実験して得ることができます。
つまり、片方は仮定上にものであり、もう片方は実験から得られる自然法則であるという決定的な違いがあります。

ここが大事ですが、つまり、あなたの立場でガウスの法則を説明するとき、その「電場」とは一体何なんなのですか。
クーロン力なしで、電場を定義できるのですか。
ガウスの法則は、電場と電荷の関係を示しているだけで、電気力線なんか仮定しなくても何も問題はないのです。
つまり、ガウスの法則があるから電気力線があるように見える、仮定してもよい、ということに過ぎません。
この辺りをよくお考え下さい。

以上のことを考えないとしても、「逆二乗則」と「ガウスの法則」のどちらを根本原理とするかは、人間の直観力で言えば素直に「逆二乗則」ではないでしょうか。

>マックスウェルの方程式を自然界の基礎方程式として、そこから、逆二乗則を含めた全てが導出すると
>いう立場は結構あると思います。

立場としては是非もなしです。
言うまでもなく、マクスウェルの4つの電磁方程式はすべて実験結果から得られているものです。
その中の変位電流は、最初マクスウェルが仮定したものでしたが、後で実験で確かめられました。

まあ、本論とあまり関係ないと思われますが。

お礼日時:2011/08/27 01:01

 基本的にANo.4の方と同意見なのですが少しだけ書かせて頂きます。



 (4)電場の強さは電荷量に比例するのだから、電場の強さは電気力線の本数に比例する
 (4')電場の強さは電気力線密度に比例する
について、(4)の考え方は、(1)から(3)が実験に基づかない仮定なのに対して
「電場の強さは電荷量に比例する」と言うのを実験事実として挙げ、この事実と(1)から(3)
の実験に基づかない仮定とを合わせて(4')「電場の強さは電気力線の本数に比例する」即ち「電場の強さはその場所での電気力線の密度に比例する」を導いたと考えられるのではないでしょうか。(電気力線の本数などは実験で数えると言う訳には行かないでしょうから)
 この意味で(4')だと仮説になってしまいますが(4)は実験事実と推論になっていて少ない数の仮定で済むことになります。

 また、質問者さんは最初から逆二乗則ありきの推論と言われていますが、例えば単純な例で仮定の(3)を2次元として(1)から(4)に従って推論すれば逆二乗則となり得ないのは明らかです。更に、(1)で「その電荷量Qに対してf(Q)本の電気力線が発生する」とでもすればどのような法則でもできてしまいます。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

>「電場の強さは電荷量に比例する」と言うのを実験事実として挙げ、

これはそのとおりで、これについては異論はありません。


>この事実と(1)から(3)の実験に基づかない仮定とを合わせて(4')「電場の強さは電気力線の本数に比
>例する」即ち「電場の強さはその場所での電気力線の密度に比例する」を導いたと考えられるのではな
>いでしょうか。(電気力線の本数などは実験で数えると言う訳には行かないでしょうから)

もちろん、電気力線は本数を数えるような概念ではないことは承知しています。
しかし、あなたが述べられているこの箇所がよく理解できません。・・・「即ち「電場の強さはその場所での電気力線の密度に比例する」を導いたと考えられるのではないでしょうか。」・・・
導いたとは、どういった意味でしょうか?
仮定するという意味でしょうか。推論できるという意味でしょうか。
電場の強さは分からないという前提であり、その分からないものを求めようとしているのですから、
例えば逆n乗則として考えれば、前提とした仮定のもとでは「電場の強さはその場所での電気力線の密度に比例する」とは言えないはずです。


>例えば単純な例で仮定の(3)を2次元として(1)から(4)に従って推論すれば逆二乗則となり得ないのは
>明らかです。

そうですね。逆一乗則になりますね。
しかし、仮定を三次元から二次元に変更してるわけですから、何の意味もないでしょう。
今は三次元空間での話をしているのです。

もっとも、ガウスの法則は、電場が空間対称的な場合にはその形を

 電場 ×  面積 ∝ 電荷

すなわち、

 電場 ∝ 電荷/面積

とうふうに直感的に変形できますから、これをあなたのいう二次元に当てはめると、例えば
Z軸方向に無限に長い無限帯電線を囲む円周上では

 電場 ∝ 電荷/2Πr

となり、逆二乗則にはなりません。これは、クーロン力が逆二乗則であり、そして無限に長い帯電線だからZ軸が事実上ないように見える・・・二次元に見えるからであって、そのことから電場が逆一乗則になるためです。もともと、逆二乗則だからそうなるのですよ。
しかし、実際には二次元(平面)や一元(線)で電場の空間依存性を考えることは無意味です。
実際には、観測と実験によって得られるのは三次元空間における法則だからです。


>(1)で「その電荷量Qに対してf(Q)本の電気力線が発生する」とでもすればどのような法則でもできて
>しまいます。

そうですね。そういうことなのですよ。
しかし、やはり最初の仮定を変更することになりますよね。
つまり、f(Q)本なんて考えてしまうと、逆二乗則は導出できませんよね。
逆n乗則ではそういう仮定をすると、電気力線密度と電場の強さが比例関係にあると置けるかもしれませんが、
そんな電気力線を仮定することにどんな物理的意味があるのかよく考えないとだめでしょう。
ガウスの法則のようなことが言えるのか・・・などです。

お礼日時:2011/08/27 00:25

> (1)電荷Qからは、その電荷量に比例するNQ本の電気力線が発生している。


> (2)電気力線は等方的に空間に伝播する。
> (3)空間は三次元空間だとする。
仰るとおり、この三つの仮定「だけ」では無理ですね。何故ならば、これだけでは「電気力線」なるものの物理的所在が不明だからです。これだけでは、「電気力線」という物理的実在を持たないものについての仮定を述べているだけになってしまいます。
「電場の強さは電気力線密度に比例する」という仮定は必要だと思います。(この仮定を以後(4')とします)
(細かいことを言えば「電荷のないところでは電気力線は途切れない」というのも必要かもしれません。(1)に含まれている、とみることもできますが)

> (4)電場の強さは電荷量に比例するのだから、電場の強さは電気力線の本数に比例する。よって、ある場所での電場の強さはその場所での電気力線の密度に比例するはずである。
これは電場の強さが電荷量に比例することを仮定してそれから電場の強さが電気力線密度に比例することを導いているつもりなんでしょうが、電荷量に比例するだけでは電気力線密度と電場の強さが比例することは言えないと思います。
結局、回りくどいことをしないで「(4') 電場の強さは電気力線密度に比例する」を最初から仮定した方が良いと思います。


> wikiなどのウェブサイトでも、このような論法で逆二乗則が導き出せるように見せているものがあります
普通の文脈では、(4')は明示的に書いてなくても仮定されています(というか、普通は電気力線を「そのような性質を満たすもの」として定義します)。その上で、(4')に加えて(1)(2)(3)をさらに仮定すれば、逆二乗則が出ます。普通のwikiやウェブサイトではそういうつもりで話をしているはずです。
この本の場合は、(4')を最初に仮定することなしにそれを導き出そうとしているので、少々話がおかしくなっているのでしょう。

> 万有引力やクーロン力や光の逆二乗則は観測や実験によってその範囲内で言えるものだと思います。あくまでも観測・実験結果であって、「導き出せる」ものではないと思いますが、皆さんはどう思われますか?
これは少々誤解があると思います。
もちろん、逆二乗則は「何もないところから」論理的推論だけで導き出せるものではないです。物理法則とはそういうものです。
ところが今やろうとしている「導き出す」というのは、そういうことではなくて、何かを「仮定」して、そこから逆二乗則を導き出せるということです。最初に何かを仮定して逆二乗則を導き出すことができたとしても、何もおかしなことはありません。元の本でも(上に書いたように論理的に少し不正確なところがあったとはいえ)そのような立場で話をしているはずです。
そんなことをして何の意味があるんだと思われるかもしれませんが、実験から得られた法則をより単純な法則に還元して議論することで、そのままでは見えてこなかったことが見えてくることがあります。

> 今の理系の大学教授や高校の先生方は、「球の表面積が4Πr^2だから、万有引力やクーロン力は逆二乗則(逆2乗法則)になって当たり前だ」・・・みたいな教え方をされているのでしょうか?
上の(1)(2)(3)の定義は割と直感に合っているので、そういう意味で「当たり前」という言い方をする人は、います(多いかは知りませんが)。もちろんそのときには(4')も仮定されています。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。大変よく考えられたご回答だと思いました。
失礼な言い方ですが、あなたは私の質問を大変良く理解されていると思いました。恐れ入ります。

>電荷量に比例するだけでは電気力線密度と電場の強さが比例することは言えないと思います。
>結局、回りくどいことをしないで「(4') 電場の強さは電気力線密度に比例する」を最初から仮定した
>方が良いと思います。

まさに、そのとおりでしょう。
あなたのおっしゃる(4')が仮定として必要なのです。著者はそれを仮定とはしておらず、推論してしまっているのです。本の中で、「電場の強さはその場所での電気力線の密度に比例する『はずである』」と書いてしまっている、つまり『はずである』と推論してしまっているのです。
そして(4')の仮定は、結局は電場の強さが逆二乗則であるというのと等価なのです。(4')の仮定をして結論を得た・・・と言えるほどの論理性はありません。そのような仮定のもとでは、逆二乗則になるのは当たり前だと言ったほうが正解だと思います。よく考えれば、当たり前の話になってしまうのです。ただそれだけのことです。


>(4')は明示的に書いてなくても仮定されています(というか、普通は電気力線を「そのような性質を満
>たすもの」として定義します)。その上で、(4')に加えて(1)(2)(3)をさらに仮定すれば、逆二乗則
>が出ます。普通のwikiやウェブサイトではそういうつもりで話をしているはずです。

つまり、逆二乗則は論理的に導出されるようなものではなく、自然法則ということですね。
仮定そのものが、自然法則を力線のような別の概念に置き換えたもの、つまり仮定は自然法則を言い換えただけのものに過ぎず、最初からあるのは逆二乗則であって仮定ではない・・・ということだと思います。得られるのは逆二乗則ではなく、仮定のほうなのです。そのような仮定をしても良いということが得られるのです。ほとんどのサイトや本は、このことを理解していないように思われます。


>もちろん、逆二乗則は「何もないところから」論理的推論だけで導き出せるものではないです。物理法
>則とはそういうものです。

まさにそう思います。そのとおりです。
だから私はこの著書の論法が???なのです。


>上の(1)(2)(3)の定義は割と直感に合っているので、そういう意味で「当たり前」という言い方をする
>人は、います(多いかは知りませんが)。もちろんそのときには(4')も仮定されています。

そうなのですか。実は結構いるのかもしれませんね。
しかし、逆n乗則を考えればそのような仮定ができないことに気付いてないという・・・。
普通、逆二乗則が頭にこびりついてしまっていますから。

この本は、そういった方々が読めば逆にいろんな疑問が出てくるので、そういった意味ではオススメの本です。

お礼日時:2011/08/26 23:20

電場についてのガウスの法則というものがありまして、積分形で



ε0 ∫ E・dS = ∫ρdV

が真空中で成り立ちます。

左辺の積分は面積積分で点電荷を中心とする半径rの曲面を考えると、
問題の対称性から半径rが等しければ電場の強さは等しいと考えられるので、

∫ E・dS =4πr^2 E

が成り立つ。

左辺の積分はこの球に含まれる総電荷量になるのでこれをQとおくと

∫ρdV = Q

この2式が等しいので

4πε0 r^2 E = Q

したがって、

E = Q/4πε0 r^2

というクーロンの逆二乗則が導かれます。この計算自体は極めて有り触れたもので、大学の電磁気学の教科書であればたいがい書いてあります。

最初のガウスの法則はクーロンの逆二乗則から数学の力(ガウスの定理)を使って導かれる同値な法則で、普通は逆二乗則からガウスの法則を導きます。しかしここで基本法則としてクーロンの法則ではなくガウスの法則を基礎に据えるとガウスの法則から逆二乗則が導かれるということになります。

質問文にある(1)の仮定と言うのはこのガウスの法則にあわせた電気力線の定義にほかなりませんので、この仮定を受け入れると言うことはガウスの法則を基礎に据えることと同じ意味になります(ε0 Eは電束密度で単位面積当たりの電気力線の本数)。したがって、上述のとおりここから逆二乗則が導けます。

(2)(3)はまあ当然の仮定で、(4)は上の積分を言葉で書いただけです。(ε0 ∫ E・dS は考えている閉曲面を通過する電気力線の総数で、それが平曲面内の総電荷量∫ρdV に等しいと言うのがガウスの法則)

ニュートン力学では力を基礎に据えて仕事を定義し、仕事から運動エネルギー、位置エネルギーを定義しますが、解析力学では逆にエネルギーを基礎に据えて運動方程式や力を導きます。村田先生の書かれ方は何を基礎に据えるかと言う点でこれと似たような意味合いになるかと思いますが、かなり珍しいと思います。というより、このご質問以前には見たことがないですね。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。ご丁寧に書いて頂き、まことにありがとうございます。

理系出身の私は昔の教科書も保存しており、ガウスの法則はよく知っているつもりです。
おっしゃっているとおり、逆二乗則だからこそ成り立つ数学的な法則(定理と言ったほうが正しいが、面積分と体積分の関係を示す数学的なガウスの定理が別にあるから、逆二乗則のほうは法則と言って両者を区別している)があるからこそ、電気力線が仮定できるはずです。

>しかしここで基本法則としてクーロンの法則ではなくガウスの法則を基礎に据えるとガウスの法則から
>逆二乗則が導かれるということになります。

それはそうですね。点電荷Qに対して球面上にガウスの法則を適用すれば
E・4Πr^2 = Q/ε0
からE = Q/4Πε0r^2となるのは、もともとこのEの逆二乗則から導出しているガウスの法則を使ったからです。逆算しているのに過ぎないのはお分かりだと思います。


>クーロンの法則ではなくガウスの法則を基礎に据えるとガウスの法則から逆二乗則が導かれるというこ
>とになります。
>質問文にある(1)の仮定と言うのはこのガウスの法則にあわせた電気力線の定義にほかなりませんの
>で、この仮定を受け入れると言うことはガウスの法則を基礎に据えることと同じ意味になります

そういうことなのでしょう。
しかし、これは無理な論理展開だと思われませんか?。電気力線の定義については、まさにあなたのおっしゃっているとおりですが。
おっしゃりたいことは「ガウスの法則」を根本法則とするということですよね。
では、なぜ根本法則に置けると言えるのか、これを高校生や大学生に聞かれたらどうやって説明しますか?
論理循環してしまい、???な話になるでしょう。
イメージでは、根本法則に置けるような気がします。しかし、それは逆n乗則を考えると、とたんに電気力線のイメージが困難になります。やはり、根本法則に置けると言うのは気のせいだと思います。


>村田先生の書かれ方は何を基礎に据えるかと言う点でこれと似たような意味合いになるかと思います
>が、かなり珍しいと思います。というより、このご質問以前には見たことがないですね。

とても安心致しました。やまり、このような論法は珍しいですよね。
このような論法で学生に教えているのか、そしてそれはいいことなのか、私はそれが気になります。
「球の表面積が4Πr^2だから、万有引力やクーロン力は逆二乗則になって当たり前だ」かのような論法で実際に教えている先生はいるのか、それが気になるのです。

お礼日時:2011/08/26 22:27

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