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最近、不思議な本に出会いました。読んで混乱しています。

それは、万有引力やクーロン力の逆二乗則(逆2乗法則)は不思議でもなんでもない、つまり当たり前なのだ(?)と結論している本です。
本のタイトルは『「余剰次元」と逆二乗則の破れ』で、著者は立教大学理学部の村田次郎という先生です。
著者は以下のような仮定をして結論づけていますが、力学や電磁気学が得意な方、以下の論法は正しいと思われますか?(つまり、球の表面積を考えると逆二乗則になって当たり前だという論法のようなのです)。

本の中では、クーロン力が作る電場について次の(1)(2)(3)の仮定をしています。

(1)電荷Qからは、その電荷量に比例するNQ本の電気力線が発生している。
(2)電気力線は等方的に空間に伝播する。
(3)空間は三次元空間だとする。

そして次の(4)の推論により、三次元空間では電場が逆二乗則になるのだと結論しています。

(4)電場の強さは電荷量に比例するのだから、電場の強さは電気力線の本数に比例する。よって、ある場所での電場の強さはその場所での電気力線の密度に比例するはずである。球面上での電気力線密度はNQ/4Πr^2だから、それに比例する電場の強さはE=k・Q/r^2と導ける。

・・・というのです。逆二乗則が「導ける」というのです!。私は、これはおかしいのではと思うのですがどうでしょうか?
それは、(1)(2)(3)の仮定の段階では電場の強さは分かっていないのであって、それを求めようとしているのだから、例えば逆n乗則E=k・Q/r^nとの考えで始めれば(n=1.99999とか2.00001とか3とかマイナスもあり)、(4)の推論の中の「電場の強さはその場所での電気力線の密度に比例するはずである」が逆n乗則では崩れてしまい、つまり(4)の推論は最初から逆二乗則ありきの推論になってしまっていて普遍的ではなく、論理的におかしいように思うのです。
つまり(4)の推論は最初から逆二乗則であると決め付けているだけのものだと思うのです。電気力線密度は、仮定により逆n乗則でも逆二乗則と同じですが、逆n乗則ゆえ電場と比例関係にあるとは置けないはずです。

wikiなどのウェブサイトでも、このような論法で逆二乗則が導き出せるように見せているものがありますが、万有引力やクーロン力や光の逆二乗則は観測や実験によってその範囲内で言えるものだと思います。あくまでも観測・実験結果であって、「導き出せる」ものではないと思いますが、皆さんはどう思われますか?

今の理系の大学教授や高校の先生方は、「球の表面積が4Πr^2だから、万有引力やクーロン力は逆二乗則(逆2乗法則)になって当たり前だ」・・・みたいな教え方をされているのでしょうか?

A 回答 (42件中41~42件)

そうでしょうね。


(1)~(3)だけの仮定から、論理学的に厳格な推論に従って、逆2乗則を導き出しているかと問われれば、そうとはいえないというしかないでしょう。
ただ、問題になっている本は、論理学の本ではなく、物理学の本ですよね。それなりに、暗黙の仮定というのがあるのが当然なのではないですか? 「村田先生」は、論理学を述べているのではないと思います。
 
(1)~(3)の前提の下、さらに
(4)電場の強さは電荷量に比例するのだから、電場の強さは電気力線の本数に比例する。よって、ある場所での電場の強さはその場所での電気力線の密度に比例するはず 
ということを認めるならば、電場は逆二乗則に従うと結論づけられる。電場に限らず、磁場,重力場も同じだ
というのが、件の先生の言いたいことだったのではないでしょうか? 本を読んでいないのにこんなことを書くのは、余計な混乱を招くもとになってしまいますが(^^;
 
以下は蛇足です。
 
むしろ、電場などが逆2乗則に従うということを認めたとき、それは何を物語っているのか。物理的にどのような意味を私たちに語っているのか、と問うた結果、
(1)電荷から、何か流れのようなものが出ている。それが空間のすべての点で、他の電荷に対して影響を与えていると想像することができるのではないか。
(2)電荷を中心として空間を見ると、空間の特定の方向が、他の方向と異なる傾向は見られない(どの方向も同等)。これは、空間が等方的だということを意味しているに違いない。
(3)流れは、源から離れれば弱くなっていくものだ。源を中心とした球を考えると、その面積でその地点での流れの強さを割ってやれば、電場の強さを表せると期待しよう。このことを認めれば、球の表面積が距離の2乗に比例する空間は3次元だ。だから、この空間は3次元空間なのだろう。
ということが推測された、ということではないのでしょうか。
 
そこで、逆に
(1)流れ=電気力線で、電場は表現できる。源の強さは、流れの強さ=電気力線の本数 で表現できる。
(2)空間は等方的で
(3)三次元である。
(4)空間の各点の電場は、流れの強さをその流れに対して垂直な面の面積で割った値で表されるものとする。
このような仮定で推論できるものは、電場であろうと重力場であろうと、逆二乗則に従うと言える。
もし、電場や重力場に、逆二乗則からの微妙なズレが認められたとしたら、それは仮定のどれかが間違っていることを意味する。もしかしたらその一つ、3次元空間というのが間違っているのかも知れない…
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

「球の表面積が4Πr^2だから、万有引力やクーロン力は逆二乗則になって当たり前だ」というような論法に対しては、私と同じようにそれは誤りであるとお答えして頂いたものと理解してよろしいでしょうか。

>「村田先生」は、論理学を述べているのではないと思います。

もちろんそうです。著者の物理学としての推論において、(4)の推論の中の「電場の強さはその場所での電気力線の密度に比例するはずである」が逆n乗則では崩れてしまう、だからこの推論はおかしいと思うのです。私は論理的にと書きましたが、より正しくは数学的におかしいと言ったほうがいいかもしれませんね。


>電場の強さはその場所での電気力線の密度に比例するはずということを認めるならば、

これは、逆n乗則の場合では普遍的には言えず、これを認めてしまえば最初から逆二乗則であると言ってることと等価になってしまうと思います。また逆n乗則の場合であれば、電気力線のあり方を変えなければならないはずです。


>流れは、源から離れれば弱くなっていくものだ。源を中心とした球を考えると、その面積でその地点で
>の流れの強さを割ってやれば、電場の強さを表せると期待しよう。このことを認めれば、球の表面積が
>距離の2乗に比例する空間は3次元だ。だから、この空間は3次元空間なのだろう。
>ということが推測された、ということではないのでしょうか。

おっしゃっているようなことが著者の念頭にあったのかもしれません。本当は、そういうふうに本の中で話をもっていくべきだったのかもしれませんね。しかし、「その面積でその地点での流れの強さを割ってやれば、電場の強さを表せると期待しよう」であれば、まさにおっしゃるように期待だけの話になってしまい、物理学とは言いがたくなるのではないでしょうか。


>そこで、逆に
  ・
  ・
  ・
>このような仮定で推論できるものは、電場であろうと重力場であろうと、逆二乗則に従うと言える。

そうですよね。これはもう、逆二乗則そのものを認めてしまう話になってしまう、つまり最初に逆二乗則ありきの話ですよね。

中身のあるご回答、大変ありがとうございました。
あなたは、この著者のような論法をご存知でしたか。
高校や大学の先生からお聞きになったことはありますか。
私の場合、そんな先生方は1人もいませんでした。
最後に、

>もしかしたらその一つ、3次元空間というのが間違っているのかも知れない…

n=1.999999999とか2.000000001とか、なめらかに切り替わってn=1や3やあるいはマイナスの値になっていった場合、その途中の小数点を持つような場に対して、n次元空間という言い方は妥当なのでしょうか。単に数式上の次元の話で、それを空間という概念で認識するのは???ではと思っています。

お礼日時:2011/08/26 21:34

背理法という論法じゃないですか。


逆二乗則以外の逆n乗則で(4)を仮定すると、矛盾が生じてしまうので否定され、唯一逆二乗則の場合のみ成り立つため、逆二乗が正解、という論法じゃないですか?
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この回答へのお礼

ありがとうございます。しかし、それは間違っていると思います。

背理法であるというのなら、(4)の推論の中の「電場の強さはその場所での電気力線の密度に比例するはずである」という箇所が否定されるべきです。そこが論理的物理的に飛躍してしまっているのです。
比例関係にあるとなぜ言えるのか、あなたはなぜ比例関係にあると思ったのか、そこをよくお考え下さい。
ただ単に、頭の中で等方的に広がる線を思い描かれただけではないでしょうか。最初から逆二乗則であることを知っているから電気力線密度に物理的な意味を持たせることができるのです。
求めようとする電場の大きさが「不定」であるということを念頭においてお考え下さい。それが例えとしてあげた普遍的な逆n乗則なのです。

これは蛇足かもしれませんが、そもそもこの本は、小さなスケールでは重力場にはそういった「余剰次元があるのではないのか?」というスタンスです。逆二乗則ではないのではないか・・・そういうことを主張している本です。

私も以前からそう思っていたから買って読んだのですが、(4)の推論にはちょっと???になりました。
他の本でも、こういう論法で逆二乗則であるのが当たり前のように書かれてある本も見たことはあります。ひも理論の本だったでしょうか。
空間的に本当に余剰次元があると思っているのか、単に数式上の次元なのか。

ご回答ありがとうございました。

お礼日時:2011/08/26 04:33
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