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No.2
- 回答日時:
Jagar39です。
回答とは直接関係ない話になりますが、リターン登山者、ということですが、私も途中10年ほど登ってない時期があるリターン登山者です。この2年ほども自転車の方に熱中していたのであまり登ってません。来年あたりからそろそろまたまともに登ろう、と思っているところです。
ずっと継続して登っていて登山のレベルもさほど下げていない人であれば、年齢とともに低下する体力と技術をリニアに感じることができるのでまだ良いのですが、ブランクがあると自分の「登山力」がイメージより遙かに落ちていることになかなか気づきません。
知識だけは低下はしないのですが、それでも最新の知識について行けなければ相対的には「低下している」ことになってしまいます。でも、体力や技術と違って知識だけはこの歳になってもまだ向上することが可能なので、勉強は怠れない、と思います。
例えば学生時代から足繁く通っている山で、標準コースタイムが4時間の登りを学生時代はずっと2時間半で登っていました。その同じコースを今でも2時間半で登っています。(どちらも休憩時間含む)
なので、「まだまだやれるじゃん、俺」とか思ってしまうのですが、それ、思い違いなんです。
学生時代は途中で知り合いにばったり会って30分くらい立ち話をしたり、下手するとそのまま宴会に突入して缶ビールを3本くらい飲んでも、やはりトータル2時間半で着いていたのですが、今では立ち話をすればその時間だけ到着は遅れます。
つまり学生時代は目一杯飛ばせば1時間半くらいで登る体力がある上で2時間半で登っていたのですが、今では同じ2時間半でも余力は遙かに小さくなっている、ということです。
この「余力」は、引き出すまでどのくらいあるか自分でも判らないので、「昔と同じように行動できる」ことをもって「体力はさほど落ちていない」という誤解をしてしまうと、どこかで大ピンチに陥ってしまうリスクを抱えることになってしまいます。
登攀能力も落ちてます。
何年か前に6月に白馬の大雪渓を登ったことがあるのですが、葱平から上は夏道がほぼ出ているという情報を得たのでアイゼンを持って行くのをやめました。
登りはそれで何の問題もなかったのですが、翌朝のカチンカチンに堅くなった雪渓の下りが厳しかったです。
これも昔は何の問題もなく登下降していたのですけどね。そもそも私が所属していた山岳部は夏期はアイゼン禁止という妙な伝統があったので(数ある大学山岳部の「妙な伝統」の中では相当マシな部類ですが)、剱の長治郎や三の窓雪渓の上部の、アイゼンの前爪を効かせたくなるほどの傾斜の雪渓でもアイゼンなしで何の問題もなく遊び回ってました。
でも、それも自分ではなかなか判らないんです。本当にその現場に立って初めて、「ここを転ばずに下るのは今の俺には無理だ」と悟る、みたいな。だって今でも、「あれはアイゼンなしでも下れたのでは?」っていうイメージが残ってますから。
なので「判断力」も低下してしまっているのですよ。
判断というのは、「自分に何ができて何ができないか」というものが基礎にあって、だからどこまで頑張れるか、どの時点で逃げ帰るべきか、という判断ができるのですが、そのベースが狂ってしまっている状態ではまともな判断ができるわけがありません。つまり6月の白馬にアイゼンを持たない、という判断をしたのが好例ですよね。
なのでイメージと実力のズレを補正する努力は最大限する必要があると思います。
それと、道具の進歩は目覚いです。身体能力の低下をかなりカバーしてくれます。
ザックや靴はその最たるものですね。今のザックで20kg担ぐのと昔のザックで12~13kg担ぐのが感覚的には同じくらいですから。靴もミッドソールの緩衝材の進歩が大きいと思うのですが、本当に疲れにくく歩きやすくなっています。
なので、道具はちょっと真剣に勉強する価値がある、と思いますよ。
山の装備や服装は、それだけでもおもしろくまた、自分の行動をサポートしてくれる物ですから、しっかりと研究しなければいけませんね。それと体力面、確かに劣ってきています。特にとっさの対応能力、柔軟性、筋力などです。また最近六甲全縦しましたがかなりきつかったです。でも逆に気合いというか・・山に対する気持ちは、改めて新鮮な気持ちをもてることが出来たので、今の登山の方がすごく楽しい感じを持っています。ですからしんどいという気持ちはあまりないです。でも、心しないと、かえって危険ですかね。
装備も少しずつ増えてきました。靴はとりあえず3月頃に八ヶ岳へ行きたいな、と思い、調べる過程でアドバイスをいただきました。
ほんと時代は変わりましたね。保温シート入りの登山靴が登場したり。ハイドーションが登場したり。
No.1
- 回答日時:
トリオレプロGTXですね。
厳冬期の3,000mに行く予定があるのなら、素直に厳冬期対応の靴、同じスカルパでしたらジョラスプロあたりを買った方が良いと思います。
まあ、厳冬期の3,000mに行くような人であれば、残雪期も3,000m級に登っているでしょうし、夏でも剱や穂高などのバリエーションルートには登っているでしょうから、3シーズンはトリオレでこなして(私個人的には、より軽量のシャルモの方が好みですが)厳冬期のみジョラス、というようなラインアップにするのが最も自然で無理がないとは思います。別に同じスカルパで揃える必要もありませんが。
トリオレで厳冬期の3,000m級、行けないことはないと思いますけどね。
質問で仰るとおり、昔は保温性などロクにない革の重登山靴で厳冬期の3,000mにでも行ってましたから。
トリオレやシャルモといった保温材なしの靴の場合は、昔の重登山靴より保温性は向上していないかもしれませんが、劣るとも思えません。
また、靴下は当時のモノより現代のモノは飛躍的に良くなっています。
なので、トリオレやシャルモで厳冬期の3,000m級に行けない、とする理由はないと思いますね。
ただし。
「昔は革1枚の重登山靴でどこにでも行った」とは言っても、朝行動を開始して1時間で足指の感覚がなくなったり、夕方テントに入ると足指が凍傷で黒く変色しているのを毎日手当てするのが日課だったり、靴下の中に唐辛子を入れたり、といったことを覚えている上で「行った」と仰っておられるのでしょうか?
同じことを覚悟しておられるのなら、トリオレやシャルモで行けば良いと思います。各々自分の登山経験から道具を選ぶわけで、革の重登山靴の時代から登山経験を積んでおられる人にアドバイスすることなど、本来はありません。
私であれば、金さえ出せば(しかも50,000円前後の価格は、昔の重登山靴の価格から考えても高いとは思えない)もっと安楽に「登ることに集中できる」靴を買えるわけですから、迷わずジョラスを買います。いや、別にスカルパに拘る理由はないので、「保温材入りの冬山用登山靴」という意味ですが。軽いのが好みなので冬靴、3シーズン靴、それぞれのカテゴリーで可能な限りの軽量モデルから選ぶので、必然的に布製モデルや布と革のコンビモデルから選ぶことになると思いますが。
それでも3,000m級といっても、木曽の御岳ならわざわざ保温材入りの靴は買わないかもしれません。買うかもしれませんが。
小窓尾根や早月尾根から剱岳を目指すとか、奥穂~西穂縦走をやるとか、滝谷登攀から穂高などの計画があれば一瞬も迷わずジョラス(と同等の冬靴)を買います。
それでも、「昔は革靴で行ってた」と主張してトリオレで行く人がいても別に止めはしませんよ。まあそれで凍傷になってパーティーの行動に支障が出るようなことがあれば、その人と次にパーティーを組むかどうかは判りませんけど。
革の重登山靴の時代を知っている、ということはそれだけの登山経験がある、ということですが、もうひとつ忘れてはいけないのは、自分がそれだけ歳を取っている、ということでしょう。
両手両足の20本の指のうち15本までが真っ黒に変色して2週間も入院する凍傷になっても(幸いにも1本も切らずに済みましたが)行動には何の支障もなかったとか、2月の滝谷のビバークでアイゼンを落としてしまって、滝谷登攀と穂高の稜線での行動をステップカットで乗り切ったり、転倒して靱帯断裂しても這って自力下山したりとか、そんなことは今ではもう望むべくもないですから。今なら同じ状況に陥ったら間違いなく「遭難」します。少なくとも私は。
装備を選ぶときはそこまで計算すべきでしょう。
ありがとうございます。いつも的確なアドバイスたいへん参考になります。リターン登山者なんで、浦島太郎状態で、どうもおかしな質問になってしまいます。いえることは装備の進歩でしょうか。・・・お金貯めます。
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