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素人なりに法律を読みました。

健康保険法の3条では、適用事業所としての要件に従業員数で規定されています。
役員は従業員ではないはずですが、加入義務はあるのでしょうか?

また、適用事業所の要件に該当しないとしたら、役員のみの会社は任意で社会保険に加入することもできないのでしょうか?
3条の要件以外の事業所が適用事業所として加入する場合には、健康保険法31条として、事業所に使用されるものとして役員の過半数を要件とするのでしょうか?

一般的な回答では、従業員と役員を混同し、区別のないような回答や情報ばかりで、悩んでおります。
出来ましたら、健康保険法を得意とされる、法律家など(弁護士や社会保険労務士)か関連団体(官公庁や健康保険組合などの職員)様のご回答を期待します。

よろしくお願いいたします。

A 回答 (4件)

 法律の解釈においては,文言はもちろん重要ですが,それと並んで,あるいはもっと重要なのは,法律の趣旨目的に沿ったものとすることだと思います。


 私は,役員だけからなる会社が適用事業所にあたるかについての解釈は,年金事務所の担当者の回答が正しいと思います。それが前述の健康保険法の目的(:労基法とは同じでない)に沿っているからです。裁判例においても,広島高裁岡山支部昭和38年9月23日判決は,健康保険法においては「労使間の実勢上の差異を考慮すべき必要がな」いとして株式会社の代表取締役も「事業所に使用される者」にあたるとしています。
 国保を適用すればよいとおっしゃいますが,法律が制定された年を見ると健康保険法が1922年で国民健康保険法は1938年であり,わが国の考え方として被用者保険が優先して形成されてきたことがうかがえます。また,療養の給付に対する国庫負担は,協会健保が1000分の164であるのに対し国保は100分の34と国にとり重い負担になっています。このようなことから,国として出来る限り健保でカバーするという考え方があるのではないかと思います。これは直接に法律解釈の問題ではありませんが,そのような考え方が伝統的にある以上,厳密な文言解釈技術の問題にかかわらず,健保の適用をあえて限定するという解釈運用は今後も当分はありえないだろうということです。
 たしかに,同じ法律の中において文言が違えば別の意味を指すことが通常ですが,それよりも法律の趣旨・目的を優先すべきと考えます。別文言で意味が同じという例を挙げられればよいのですが,今すぎには思い浮かびません。ただ,最高裁も学説も,文言のみで解釈するものではありません。 たとえば,債権の準占有者に対する弁済に関する民法478条は,「債権の準占有者に対してした弁済は、その弁済をした者が善意であり、かつ、過失がなかったときに限り、その効力を有する」と規定していますが,改正前は「債権の準占有者に対してした弁済は、その弁済をした者が善意であるに限り、その効力を有する」としていました。しかし,最高裁も学説も条文の趣旨から「無過失」という明文に無い要件を認めていました。また,不法行為による損害賠償請求権の期間の制限に関する民法724条は,「不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間行使しないときは、時効によって消滅する。不法行為の時から20年を経過したときも、同様とする。」と規定していますが,最高裁は第2文について,時効ではなく除斥期間であると判決しています。なお,同類の法律同士では,商法の「営業譲渡」と会社法の「事業譲渡」とは同じ意味と解釈されています。
 疑問に直接答えるものではないかもしれませんが,考えを述べさせていただきました。
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この回答へのお礼

たびたびの回答ありがとうございます。
あくまでも適用事業者の判断が疑問であり、被保険者の判断に疑問を持っていません。

適用事業者であれば、役員も従業員も適用事業所に使用される者と判断するのは、条文からも理解できます。
しかし、適用事業所でないという判断ができ、役員のみの会社であり、役員が経営判断を含め適用事業所を選ぶのは、なんら法的に矛盾しないのもわかります。
わたしは、強制適用事業所の判断として、法人だけというのがおかしいと思うだけです。

法律の趣旨もわかりますが、それは労働者の保護等であり、経営者はである役員はあらゆる法律で保護されにくいものという覚悟もあります。さらに、あくまでも文言として従業員・労働者・使用される者などと異なった使い方をしている意味が軽視され、誤った判断が常識となっているのでは?と危惧しています。

本来国保の収入として市町村に入り、現役世代である役員等の保険料が市町村に入れば、市町村の健康保険の財源がよくなると思います。保険料の少ない人が中心のような国保加入であれば、国保の制度歩会の一端にもなるのでは?と思います。

長文で多くの情報を記載していただき勉強になりましたが、いまだ疑問が消えないため、閉鎖せずに質問を継続させていただきます。
ありがとうございました。

お礼日時:2012/01/19 20:26

かなり難しい法律解釈問題を提起しておられるようですが,質問者様の質問の意図はどういうものでしょうか?実務上の取扱いをお知りになりたいのでしょうか,それとも法律解釈問題の議論をし,実務上の取扱いがそれに沿わなければ改めたいという問題の提起でしょうか?


ちなみに,私のほうで健康保険実務を所管する地元の年金事務所に問い合わせたところ,「勤務実態があり(つまり「名ばかり」でない)労働の対償として報酬を支給されている役員であれば『使用される者』にも『従業員』にもあたり,その事業所は適用事業所になり,その役員は被保険者となる」ということでした。
私も勉強中の身で,十分な議論に耐えられず,申し訳ありません。
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この回答へのお礼

たびたびのご回答、ありがとうございます。

私は法律の解釈ではなく、法律で明確な規定があるべきことの中で、それが見当たらない適用事業所の要件について、どのような法律などで規定されているかを知りたいだけです。

年金事務所などの職員は、法令に基づく指導を行う立場ですので、その指導で発言される一般的な事象についての法的根拠を知りたいだけなのです。
ですので、同一条文内で言い回しや単語が変われば、意味も内容も全部とは言いませんが異なる部分があると解釈するのが、法律の読み方だと意識しています。

私自身、管轄の年金事務所・日本年金機構のブロック本部・厚生労働省保険局保険課・協会健保など健康保険法に携わる組織の管轄部署に問い合わせをしております。それでも、あいまいな判断や素人のような拡大解釈を大原則のように掲げて説明する職員ばかりで、困っております。

多分現役の社会保険労務士でも即答できるものではないかもしれません。しかし、法令を扱うような方であれば、私のような見解から判断すべきという同意見の方、私のような判断は異なると反対する意見の方で法的根拠まで興味があり、回答につなげていただけることを期待しております。

ありがとうございました。

お礼日時:2012/01/19 15:40

1 適用事業所の規定では、従業員を使用するものと規定されているようです。


→おっしゃるとおり,健康保険法3条3項で「この法律において「適用事業所」とは[中略]常時五人以上の従業員を使用するもの」とされています。
 ここで,「従業員」に役員も含まれると考えます。つまり,「使用」の意味が労基法(雇用関係のみ)より広く,委任関係も含むということです。
 先述のとおり,「使用される者」については労基法よりも健康保険法のほうが概念が広いと考えます。労基法は使用従属関係を伴う被雇用者の保護を目的としているので,使用される者(労働者)については雇用関係の当事者だけを含めばよいのですが,健康保険法の目的である「労働者の業務外の事由による疾病、負傷若しくは死亡又は出産及びその被扶養者の疾病、負傷、死亡又は出産に関して保険給付を行い、もって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与すること」については,会社と委任関係に立つ(会社法330条)役員についても当てはまるので,「使用される者」に役員をも含めて運用していると思うのです。
 
2 健康保険法31条では、適用事業所以外の事業所が適用を受ける場合の規定がありますが、任意の届け出のような記載になっています。
→そのとおり,適用事業所以外の事業所への適用は任意です。

3 法律の文面を端的に読むだけでは、強制加入として判断する適用事業所には、役員のみの会社は含まれず、任意加入のように読めてしまえます。
→これについては,1で説明したとおりです。

4 昭和24年7月8日保発74号というものがどのようなものかわかりませんが、健康保険法の中で、使用される者と従業員と区別して規定されているのも、腑に落ちませんね。
→「使用される者」(3条1項)については先述のとおりです。「従業員」(3条3項)についてですが,この条文は適用事業所の規模を規定しているものであり,「次に掲げる事業の事業所であって、常時五人以上の使用される者を使用するもの」という言い方は同義反復的になるので避けたにすぎない(よって,3条3項の「従業員」=3条1項の「使用される者」)のではないでしょうか?
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この回答へのお礼

再度のご回答ありがとうございます。

法律の言葉は統一性がはかられたり、言葉を言い換えたりする場合には、その条件等を明記したうえでの言い換えの条文があると思います。

3条の「従業員を使用するもの」の「もの」は法人を含む団体を示していると思いますし、被保険者の規定での「使用される者」は役員を含んでいるというのは理解できます。
そのうえで、同一条文内である被保険者の規定での「使用される者」と適用事業所の規定での「従業員」が同一意味であれば、法令の施行にあたり同一文言を採用すると考えるのが一般的だと思いますし、言い換え条文なく言葉が違えば、意味が異なると考えると思います。

3条と31条を読むだけでは、言葉を変え、言い換え条文がないことから考えれば、広義狭義のような考えは不適切ではないですかね。広義狭義の判断であれば通達などがあると思いますしね。
「使用するもの」と「使用される者」では、指定するのが事業主となりうる個人と団体が含まれるものと、雇用される人と委任されている人と対象が異なりますし、従業員という言葉とは反復もしないと思います。

通達等がなければ、役員のみの会社は想定外であり、法令の抜けでは?と考えられます。
それに健康保険法の対象外となれば、おのずと国民健康保険法の対象となる流れとなりますので、師匠も目的から外れることもないと思います。

ご回答いただきましたが、私の疑問を解決する内容に至らないように思います。
他の根拠等があれば、さらなる回答をいただきたいと思います。
あるがとうございました。

お礼日時:2012/01/19 11:38

こんばんは。


弁護士でも社会保険労務士でもありませんが,社労士の資格試験を受験しようとしている者です。
会社と雇用関係に無い役員は,たしかに労働基準法上の労働者ではありませんが,健康保険の実務では,役員であっても法人から労働の対償として報酬を受けている者は法人に使用される者として被保険者とされています(昭和24年7月8日保発74号)。これに対し,個人事業主は使用される者ではなく被保険者とはなりえません。
以上からすれば,役員にも加入義務があり,また,「適用事業所の要件に該当しないとしたら」云々の問題も生じません。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

健康保険法3条の被保険者の規定では、使用される者と規定されているようですね。
そうなれば、役員も含まれることでしょう。
しかし、適用事業所の規定では、従業員を使用するものと規定されているようです。

健康保険法31条では、適用事業所以外の事業所が適用を受ける場合の規定がありますが、任意の届け出のような記載になっています。

法律の文面を端的に読むだけでは、強制加入として判断する適用事業所には、役員のみの会社は含まれず、任意加入のように読めてしまえます。

昭和24年7月8日保発74号というものがどのようなものかわかりませんが、健康保険法の中で、使用される者と従業員と区別して規定されているのも、腑に落ちませんね。

お礼日時:2012/01/19 09:29

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