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取消前の第三者(強迫など)は、遡及効により元の所有者に対抗できなくて、解除前の第三者は、直接効果説によって、遡及効でも、元の所有者に対抗できるのは何故でしょうか???

A 回答 (6件)

民法では、意思というものが大変重要視されています。



所有権も意思主義によっているということは、
もうお分かりになられていると思います。

強迫の場合、強迫をされているのですから、
本来その人に、財産を譲り渡す契約をする
意思がなかった。ただ、強迫されたから
やってしまった。無理やり契約をする意思を
他人に作られてしまったんですね。

厳密に言えば、契約を結ぶのは結局のところ
契約者、被脅迫者ですから、契約を結ぶこと
自体についての意思は完全ですが、その
形成過程に重大な瑕疵が存在しているのです。

それに比べて、契約の解除というのは、
「本人の自由意志によって結ばれた契約
にしたがって履行がなされたにもかかわらず、
途中で解除した。」

すなわち、解除をする原因は、すべて契約者
に帰着しているわけですね。

これ以前に強迫をされていたら当然
強迫の話になります。総則に強迫が
記されているゆえんですね。

解除とはあくまでも、当事者の一方が
相手方の債務不履行の蓋然性に対する
不安から逃れるために認められる民法上の
権利なわけですよね。

だから、541条期日までにしなかった。
(やってくれそうにないなぁ。)
543条目的物が消滅した。
(やってくれそうにないってかできないなぁ。)

となりますよね。

そして、いざ解除したとき、第三者にもう
目的物は渡ってしまっていた。

だから第三者としては、個人と個人が自由意志で
結んだ契約の基づき、さらに財産を譲り受けたわけ
ですから、ほんまにまんまの保護される自由経済人。

なんらわるいところはないわけです。

じゃあ、もともと解除した人のところへは、物は
戻ってこないのだろうか。戻ってきませんね。
新しく契約をその人と結ばない限りは。
むしろ、解除した人というのは、相手が履行してくれる
はずのものさえ履行してくれればいいのですから、
今度は、債務不履行者に対して、損害賠償請求
をし、それによって自分の損を補填するという
流れにしています。

その目的物自体はなくなってもよかったんですよ。
解除者は。
ただ、それに見合うもんをもらえんかったけ、解除して
そのもの自体をとりもどそうとしたんです。
だから、金が戻ってくれば、そのものが戻ってこなくても
ええんですよ。

強迫は逆ですよね。そのものがでていってほしくないのに
強迫されたからこそ、でていってしまったんです。
かわりにお金なんてもろうても。ってことそりゃありますよ。

法律を学ぶと、人数が最大4人くらいしかいないから
思い込みがちですが、
たとえば古本屋で本をかったとき、それに何百人
の人に売買されたかわかったもんじゃありませんね。

その間の人間を金太郎飴みたいに切り取って
示している取引だとお考えください。

実際そんなに物が動くのは動産くらいのもんかも
しれませんが、長い年月をみれば、不動産も
それなりに動きます。

そして、「そういう場合にも妥当する理論でないと、
正直論じる意味がないですから」、これもあわせて
補強知識として蓄えておいてください。

私が示したのはエッセンスです。がちがちの
第何条にもとづきこうなる。ああなる。ではなく、
考え方の筋道です。ただ、こういうのが法律
を考える上で重要ですから、日ごろから
自分で考えるようになさってください。

民法は条文が大事だけど、条文に流れる
趣旨をおうのが極めて重要です。

では、これから法律っぽくやります。
まぁ、結論からいえば、「法律にそうかかれている
からそうなんだ。」が最強のいいわけです。

どちらもちゃんと条文に示されていますから、
それを拾えば論理的な余地というのは介在
しないのではないでしょうか。

法律の話だと、AとBの契約は、強迫により
取り消された。よって無効であり、AとBは
云々。Cは96条3項だったっけ。II基づき
取り消しの効果を受けるから、そのものを
返却する云々。

そうですね。法律がどうからむかじゃなくて
その根底の考え方の問題ですので、
エッセンスっぽいのでいいと思います。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。大変参考になりました。

お礼日時:2012/05/04 19:32

質問の趣旨がややわかりにくいところがあるが、しかも前提たる質問も間違っておる。

。。
誤りを部分的に直つつ、その意図を汲み説明していきたい。なお、これも判例通説を前提とする。有力説も傾聴には値するが、説明するのは大変であるため割愛したい。ご了承いただきたい。

(1)条文
>取消前の第三者(強迫など)は、遡及効により元の所有者に対抗できなくて、
そのようなことはない。96条3項をよく見てほしい
↓↓
(詐欺又は強迫)
第九十六条  詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。
2  相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知っていたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。
3  前二項の規定による詐欺による意思表示の取消しは、善意の第三者に対抗することができない。

詐欺取消の前の第三者が悪意有過失であれば、詐欺取消権者は「第三者」に対抗できるのである。
強迫取消に至っては、96条3項のような遡及効を制限する規定がない。つまり、強迫取消権者は、善意の「第三者」にすら対抗できるのである。
つまり、質問者のいわれる「遡及効により元の所有者に対抗できなくて」という第三者は、善意有過失の詐欺取消にあける「第三者」のみであるから、やや間違った理解であるといえる。

>解除前の第三者は、直接効果説によって、遡及効でも、元の所有者に対抗できるのは何故でしょうか??
これも誤りに近い。なぜなら、解除の場合は、解除権者は、条文上は「第三者に対抗することができない」と書いてある。545条但書をご覧になっていただきたい。
↓↓
(解除の効果)
第五百四十五条  当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う。ただし、第三者の権利を害することはできない。

545条もやはり、「第三者の権利を害することはできない」と書いてある。だから、質問者のいわれる「元の所有者に対抗できる」というのは、むしろ逆である。やや不適切である。

(2)545条但書の「第三者」に善意は必要か

ところで、545条但書の「第三者」は、96条3項のように、善意悪意を問題にしておらぬ。これはなぜじゃろうか。
これは以下の点に理由があると思われる。
たとえば、詐欺の場合、一般的にみて、詐欺取消前の第三者が前の取引が詐欺であったことをしっていた場合(悪意)、その契約は取り消される可能性が大きいと覚悟しながら取引に入るじゃろうし、こやつを保護する理由は少ない。
一方、解除前の第三者は、前の取引がまだ履行途中で解除される可能性があることを知っていたとしても(悪意)、普通契約が無事完了し、まさか解除されることはあるまいと思いながら、取引に入るのが普通じじゃろうから、こやつが悪意であるのを理由として、解除の遡及効に巻き込まれるのは理不尽である。と立法者は考えたのじゃろう。だから、悪意であってもいい。むしろそれは当然じゃ。
したがって、強迫と同様に解除前の第三者は悪意であっても、解除権者に対抗できる。

(3)詐欺取消との均衡

すると、本人の保護の程度としては、
(強い)←強迫(善意の第三者にも対抗可)>詐欺(悪意の第三者にも対抗可)>解除(悪意の第三者に対抗できない)→(弱い)
の順となる。条文を素直によめば。

しかし、かかる結論は不合理である。
確かに、解除前の第三者に善意悪意を問うのは不合理であっても、解除権者は、好きで契約を解除したわけではない。
不幸にも取引相手方が債務不履行に至ったため。やむなき次第で契約を解除に至ったのである。この者には落ち度はほとんどない。一方、詐欺取消の本人は、自分も騙されて落ち度があるのに、このような者にも劣る保護しか解除権者が受けられないというのは法の均衡を失する。
したがって、545条の「第三者」を限定するする必要がある。しかし、先ほど言ったように善意悪意を問うのは不合理である。

苦肉の策として判例は、解除前の第三者は、落ち度のない解除権者にも権利が保護されるだけのことを、やらねばない。めんどうだと思うが、登記を具備せよ。そこまでしないと「第三者」として認めない。と判決したのである。
解除前の第三者と解除権者は、もとより「対抗関係」ではない。だから、これを対抗要件の登記とするのは誤りである。
だから、かかる登記を、一般に、権利を保護される者としてやることはやったという意味での「権利保護要件としての登記」といわれとる。これは条文にない。いうなれば判例法である。しかし、この見解は、上記理由により支持されて今に至っておる。


>元の所有者に対抗できるのは何故でしょうか???
さて、かなり、質問を修正訂正したため、質問の趣旨にそわぬかもしれぬが、答えになるかわからぬが。
解除前の第三者が本人に対抗できる理由をまとめてみると

(1)まず、条文。「第三者に対抗できない」とはっきり書いてある。だから対抗できるのは当たり前である。
(1)解除前の第三者に悪意善意を問うても仕方ない。詐欺とは事情が異なる。
(2)判例法上確立した、権利保護要件の登記を具備し、この者は、十分にやれることはやったといえる。

以上、3点の理由があると思われる。

この回答への補足

ご回答ありがとうございます。かなり私の理解がおかしいようで、一度見直したいと思います。1点よろしければ補足をお願いしたいのですが、不動産物権変動のところで、取消前の第三者という議論があり、そこに、

「第三者が不動産を取得後に、元所有者が取り消した場合、取消の遡及効で、第三者は無権利者から譲り受けたことになり、第三者は権利取得を元所有者に対抗できない」とあるのです。ただし詐欺は例外みたいなのですが、ではこの議論はいったい何なのでしょうか??

補足日時:2012/05/04 19:31
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脅迫はいわば犯罪です。


つまり違法性が強いのです。

これに対し、契約の解除は、駆け引きの許される
民事の問題なので、違法性が弱いのです。

だから脅迫された人を、解除の場合よりも強く保護すべきだ
というのが法の趣旨です。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。とても参考になりました。

お礼日時:2012/05/04 19:33

ん~ No.1です



すいません。質問者さんは、こうきかれたいのではないのですか。

「強迫では、取り消し前の第三者に対して、元の所有者は
取り消しの効果を対抗することができるけれども、
解除においては、取り消し前の第三者に対して、
解除の効果を対抗できなくなるのはなぜか?」

解除も強迫による取り消しも、どちらも
遡及的に契約の効力がなくなり、
AーB-C間の取引はなかったことになる
のが原則である。

A-B-C


AとBが契約をし、宝石を売った。しかしこれは
Bの強迫によるものだった。Aは取り消しをしないうちに、
その宝石をCに売り渡してしまった。

その後、AはBとの契約を取り消した。

BはAを強迫していたため、Aはその取り消しの効果を
Cに対抗できるから、Aは、Cに対して、その宝石を
返せと請求することができる。
(Cは、強迫の事実について、善意だろうが、
Aは関係なく取り消しを主張できる。)

これに対して、強迫ではなく、解除の場合、
Cの権利を害することができないから、
結局、Cの権利のほうが保護される。
(Cの善意・過失が問題となる。)

この強迫と解除で扱いを分けている理由は何か?
というところではないのですか?

私はそうおもって回答させていただきました。

あなたが誤解なさっているところは、遡及効により、
「元の所有者に」対抗できないと書かれているところです。

条文にそえば、「取消権者が、取り消しの効果を、
第三者に対抗できるかどうか」というべきところを
元の所有者に対抗できるか?と逆になっている。
こここそがあなたの勘違いされている最大の部分ですよ。

強迫など、と注記されているとおり、詐欺のことは、
まぁ頭に入ってなかったという可能性もなくはないが、
私はあなたのお聞きになりたいことは↑でのべた
ことだと思っていました。

このとおりの質問内容であれば、
私がNo.1で回答したこと、そして、詐欺とか、
善意、悪意、無過失などは、あまり関係ない議論
だと思います。

もしそれもあわせてお聞きになりたかったのでしたら
no.2さんのような答えにされたほうがよかったのかも
しれませんね。
今質問内容を読み返してもそれが一番の疑問点
だったような気がするのですが。


私の勘違いでしょうか。
失礼しました。

この回答への補足

ご回答ありがとうございます。まさにおっしゃる通りです!!私が聞きたいことはご指摘いただいた通りです。
本当にややこしくて頭が混乱してきました。

>・第三者は、遡及効により、「元の所有者に」対抗できない。
 ・取消権者は、遡及効により、第三者に対抗できる。

この二つは真逆から見ているもので、言っている内容のベースは同じだと思ってしまうのですが、やはり重大な誤解をしてしまっているのでしょうか>< 

補足日時:2012/05/04 22:41
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(1)ご回答ありがとうございます。

かなり私の理解がおかしいようで、
一度見直したいと思います。1点よろしければ補足をお願いしたい
のですが、不動産物権変動のところで、取消前の第三者という議
論があり、そこに、

「第三者が不動産を取得後に、元所有者が取り消した場合、取消
の遡及効で、第三者は無権利者から譲り受けたことになり、第三
者は権利取得を元所有者に対抗できない」とあるのです。ただし
詐欺は例外みたいなのですが、ではこの議論はいったい何なの
でしょうか??

(2)ご回答ありがとうございます。まさにおっしゃる通りです!!
私が聞きたいことはご指摘いただいた通りです。
本当にややこしくて頭が混乱してきました。

>・第三者は、遡及効により、「元の所有者に」対抗できない。
 ・取消権者は、遡及効により、第三者に対抗できる。

この二つは真逆から見ているもので、言っている内容のベース
は同じだと思ってしまうのですが、やはり重大な誤解をしてしま
っているのでしょうか>< 

(2)から回答しますよ。
A-B-Cの関係を参考にしながら話を進めます。

論理学で、「逆もまた真であるとは限らない。」という
はなしがありますでしょう。

A-B-Cで、Cが宝石を手に入れた。
しかしAはBの強迫を理由として、AB間の契約を
取り消した。

Cは、自分には取り消しの効果が及ばないということを
Aに対して、対抗することができるか。

というのが、あなたの理解ですよ。

しかし、条文をごらんください。120条、121条
取消権者は、まさにAですし、
96条3項も、取消しは、善意の第三者に対抗
することはできない。とあるのであり、

ここは、読み替えると、AはCに対抗できない。
ということになりますよね。

ではなぜあなたはこれを逆に呼んでしまったの
でしょうか。

A.そうかいてある文献があるから。

というのが一番の理由でしょうね。
日本語として、Cは宝石を手に入れた。
その宝石を取り戻されたくない。
だから、Aの取り消しの効果がCには及ばない
ということを、Aに対して主張できるかどうか。

これが、Cの側から見た対抗問題ですよね。

それで、強迫の場合は、Cは対抗できず、
解除の場合は、CはAに対抗できるのはなぜか。

ひっくり返せば同じ問題になります。

Aは取り消しの効果をCに主張できるかどうか。

できなければ、Cの勝ち。できたら負け
=できなければ、Cは対抗できる。できたらCは
対抗できない。

ということですよ。

では、なぜ、不動産物件にはC視点で書き方が
なされているのでしょうか。

177条をご覧ください。

「その登記をしなければ、第三者に対抗すること
ができない。」

これはこういう事例なんですよ。

      -E

A-B-CーF
      -D   PLMKO

ある村がある。契約当事者ABC以外にも
たくさんの人がいる。

Aはあるとき、土地をBに売り渡した。
しかし、それはBの強迫によるものだった。

だが、そうこうするうちに、BはCへ土地を
転売してしまった。

という事例。

いいですか?条文をよくお読みください。
最後に土地を受け取ったCが、自分の
土地の獲得を、「第三者に対抗することが
できるかどうか。」が問題となっているところ
IIお気づきになりませんか。?

もうそこでは、AやBは埒外なのです。

CがAB以外の、EやF、OやPなど、
他の「第三者」に対して対抗できるか
どうか。が問題になっているのです。

だから基本的に、「C視点で、書かれて
いるというわけです。」

Aは強迫により、Bとの契約を取り消した。
原則により、契約は遡及的に無効。
つまり、Cは無権利者から土地を
譲り受けたことになる。

つまり、Cには所有権がないことになる。

そして、Cはたとえ善意でも、96条より、
強迫による取り消しから、逃れられん。

だから、Aに土地を返還し、今度は
Bに対して、損害賠償を行って、
自分の損害の填補を図る。

という流れになります。

それがあなたが(1)の補足で書かれたことの
意味です。

ただし、詐欺は例外と書かれているのは、
今言ったように、詐欺は、「善意の第三者」
であれば、詐欺による取り消しの効果を
対抗できない。

いいですか?この場合の第三者はCですよ?
Cが善意であれば、「詐欺による取り消しを
対抗できないので、」強迫とは違った取り扱い
になるということは、まさに条文どおりでは
ないでしょうか。

まとめ。

A-B-Cの関係において。

Aは土地をBに売り渡したがこれはBの強迫
によるもの。そうこうするうちにBはCへ土地を
転売した。

AはBとの契約を取り消した。
強迫のため、AはCに取り消しの効果を
対抗できる。よって、CはAに土地を返還する。

これに対して、前例は、強迫ではなくて詐欺だった。
Cは「詐欺の事実について、善意だった。」
そうなると条文上、AはCに対して、
「詐欺による取り消しの効果を主張することは
できない。」から
結果として、Cは土地を手に入れることができる。

では、登記なくしてAに土地の取得を対抗できるの
であろうか?ここですね。177条がからんでくるのは。
とすると、「AやBは、契約の当事者同士なので、
第三者に当たらないよ~」という第三者の範囲の
解釈にあたります。

C視点に切り替わっていることに注意してください。

だから、Cは登記なくして、Aにその所有権を対抗できる。

だーーーーけーーーーーど!!!!

その周りのEやF、GやKなどから主張されたときには、
対抗できないですよ。というのが177条。

これで疑問は解決したのではないかと思います。
まだ何かあれば質問してください。
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この回答へのお礼

何度も詳しく教えていただき本当にありがとうございます。とても良くわかりました。大変感謝しています。

お礼日時:2012/05/05 12:42

すまん。

質問を間違っていた。質問をよく見たら、「第三者が本人に対抗できるか」という問いかけであったか。
ワシは「本人が第三者に対抗できるか」という質問だと思って、答えておった。スマン。
混乱させてしもうた。すこしトリッキーな聞かれ方もあって、勘違いしておった。
だだ。。。。


>・第三者は、遡及効により、「元の所有者に」対抗できない。・取消権者は、遡及効により、第三者に対抗できる。この二つは真逆から見ているもので、言っている内容のベースは同じだと思ってしまうのですが、

そのとおりじゃ、単に答え方が違うだけで、同じことをいうとる。裏表の違いでしかない。だから、前の説明は訂正しなくてええじゃろ。
しかし、基本書等の説明のしかたでは、ワシのように「本人が第三者に対抗できるか」が一般的と思う。そなたも、こっちで覚えたほうがええ。

この問題は、つまるところ、第三者と本人どちらを保護するかという関係につきる。本人の保護の必要性が高ければ、相手方に高いハードルを要求するし、本人の保護の必要性が低ければ第三者に対する要求は低くなる。
だから、この二つはまったく表裏の関係にあるだけで、言うとることは同じである。

質問の意図が、#4のいうとおりなら、すでに多くの方がご解説なられているとと思う。わしがあえて言うまい。
簡潔に要約すれば、
・脅迫の被害者は、相手方の恐喝(刑法249条)という刑事犯罪の被害者であり、このような私法取引の枠外で物を手放した者じゃから、保護する必要性が極めて高い。だから第三者が善意であっても、物を取り戻せる。
・一方、解除権者は、契約不成立に至って、可愛そうだとは思うが、かかる所詮は、私法取引の枠内で予定されている顛末でしかない。だから、解除権者の保護の必要性は低く、だから、登記を具備した第三者に対抗できない。
・また、詐欺は、「騙されるほうも悪い」という言葉通り、本人に落ち度があるめ、さらに本人の保護の度合いは低い。だから、第三者が「善意」であれば、登記までしなくてええ。
と一般に説明される。

ちなみに、かかる説明には有力な反対説がある。
有力説はいう。「詐欺も立派な刑法犯罪である(刑法246条)ことを考えれば、むしろ、詐欺の被害者は、解除権者より手厚く保護されるべきである。よって、詐欺取消の第三者は、「善意」+「登記具備」まで要求すべきである。」
かかる説をとれば、詐欺取消の本人は、解除権者より、保護される範囲が大きくなる。
まあ、確かに、詐欺の被害者に対して「騙されるほうも悪い」という通説の説明は、常識的でない。だから、今はこちらの説も有力であり、民法大改正もこちらの説に沿ったものになる可能性が高い。一応覚えておいて損はないじゃろ。



さて、補足にある質問にも答えたい
>「第三者が不動産を取得後に、元所有者が取り消した場合、取消の遡及効で、第三者は無権利者から譲り受けたことになり、第三者は権利取得を元所有者に対抗できない」とあるのです。ただし詐欺は例外みたいなのですが、ではこの議論はいったい何なのでしょうか??
上の記述は、原則どおりの説明であるから間違いではない。他にも似たような話はいくらでもあるじゃろ。たとえば、制限能力者取消とか、最初にもやっておろう。これらも遡及効があるから、第三者から無条件で物を取り返せる。

ただし、法律学というのは必ず例外がある。上の原則の代表的例外が、詐欺取消前の第三者、解除前の第三者、あとは、遺産分割前の第三者(909条但書)などもそうじゃな。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。私の方が、変な形の質問になってしまって申し訳ございませんでした。ご回答とても参考になりました。ありがとうございました。

お礼日時:2012/05/05 12:43

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