ギルバードやマーシャルでの玉砕は、ろ号作戦による航空兵力の枯渇により救援不可能。マリアナはマリアナ沖海鮮での敗北等、納得できる理由がありますが、アッツ島の玉砕やキスカ島の撤退は理由がわかりません。
い号作戦は枯渇というほど航空兵力が壊滅的打撃を受けたわけではありませんし、そもそもアッツ島やキスカ島を包囲した米艦隊は、当時の日本海軍の兵力に遠く及ばず、エセックス級空母もまだ参加していません。参加した戦艦も旧式戦艦です。翔鶴や瑞鶴を出撃させ、また武蔵を陣頭に戦艦も出撃させれば勝利を得られたと思われます。
艦隊が出撃しなかった理由は何かあったのでしょうか?海軍得意の、決戦に備えての出し惜しみなのか、燃料の問題なのか、理由がわかる方教えてください。
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
#4です。
>やはり「あんな戦略的な価値も無い小島、全滅してもいいや。」くらいに考えていたとしか思えないのですが、どうでしょう?それとも、危険な海域に主力艦を出撃させて損傷させてはたまらないといった、艦隊保全主義の現れなのでしょうか?
そうだったと思いますよ。あんな最果ての島に空母だの戦艦だのを投入するなんてどう考えたって割に合わんでしょう。そもそも米海軍だって投入したのは旧型戦艦に護衛空母です。多少は損害を受けても影響はありません。護衛空母なんて、米海軍にとっては「週刊護衛空母」です。2隻沈んでも再来週には補充できます。
もし質問者さんがおっしゃるように大艦隊を派遣したら、もしかしたらその戦いで限定的勝利を得たかもしれません。でも「第二次キスカ沖海戦」で大敗したかもしれません。もしそうなったらそうなったで「あんな最果ての島のために大艦隊を派遣してみすみす戦力をすり減らした」と後年批判を浴びたでしょう。
たぶん、質問者さんは南太平洋海戦を日本海軍の勝利と考えていると思うのですが、南太平洋海戦の勝利なんてのは「苦い勝利」に過ぎません。だってね、あの海戦に勝って一時的とはいえあの海域に米空母が一隻もなくなり「米海軍最悪の海軍記念日」とまでいわれたけど、じゃあその勝利に乗じてガダルカナルを奪回できたのかというと、できていません。あくまで限定的な戦術的勝利に過ぎず、戦略的勝利どころか作戦的勝利にも結びつけることはできませんでした。
しかも南太平洋海戦では、日本の航空機搭乗員は140名以上が戦死しました。そこには歴戦のベテランパイロットが多く含まれ、とうとう機動部隊はその補充をすることができませんでした。後のマリアナ沖海戦では練度の低いパイロットにより、ワンサイドゲームとなりました。一方、米海軍の航空機搭乗員の戦死は14名に過ぎなかったという説もあります。実は単純な航空機の損害では互角なんです。米軍の航空機の損害には、空母ホーネットと運命を共にしたものが多かったのです。だけど、生産力に優れるアメリカからすると、飛行機の損害なんてのはいくらでも穴埋めができます。だけどパイロットとなると天下の米軍といえどもそう簡単に補充はできません。そのパイロットの損害が10:1じゃあそれでなくても戦力はこっちが少ないのに、長期戦になればいずれ自滅するのみです。そして、史実はほぼその通りになりました。実際には南太平洋海戦で日本海軍の空母搭乗員は枯渇してしまったのですよ。
さらに悪いことに、この頃から米軍の潜水艦が猛威を振るいます。太平洋各地で輸送船がボカスカ沈められます。潜水艦が文字通りどこでも神出鬼没になったので、機動部隊は訓練が行えなくなります。なぜ訓練が行えないのかというと、空母が艦載機を発艦させるには直進しなければいけません。しかし、日本海軍にとって「安全な内海」がなくなってしまったので、そんな潜水艦にとって格好の的になるような機動は怖くてできなくなっちゃったのですよ。マリアナ沖海戦で機動部隊の攻撃部隊がどえらい素人くさい戦争しかできなかったのも実はそういう訓練不足に尽きるのです。
「最果ての島にたいした価値はない」と判断したから、木村提督が「裸ひとつで帰ってくるぞ。装備は全部捨てるぞ」といったのにそれを陸軍が認めたのです。あの日本陸軍が「小銃も捨てて帰ってくるからな」ってのを受け入れたのですよ!「死んじゃうよりマシだよね」って考えているのがアリアリです。補給が途絶えたら自活できる雰囲気の場所でもないですしね。ていうか、私からすりゃそこまでしてキスカ島を確保したい理由の方が分かりまへん。そこで護衛空母や旧型戦艦の一隻や二隻を沈めたところで戦争の帰趨にはまったく影響はなかったと思いますよ。
No.4
- 回答日時:
「鶏を割くに牛刀を用いる」って言葉があります。
甲子園を目指そうという高校が夏の高校野球大会の初戦で弱小都立高校を相手にするのにエースを投入する必要はないですよね。目指すのは甲子園(あるいは全国制覇)ですから地方予選でエースを消耗するのは避けたいところです。またアリューシャン列島の辺りは、夏でも霧が多い海域です。霧が多いと空母は役に立ちません。戦艦も、長距離の大砲が宝の持ち腐れになりますね。むしろ霧に紛れて駆逐艦が戦艦に肉薄して魚雷攻撃をしたら思わぬ損害を被るとも限りません。また戦艦や正規空母のような大型艦は方向ひとつ変えるのも大仕事で、ひとつ間違えると霧の中で味方同士衝突する危険もあります。
だからキスカ島への救出作戦に日本海軍が投じた戦力が軽巡洋艦が中心だったというのはしごく「まっとうな」判断だったといえるでしょう。高速で小回りが利く軽巡洋艦と駆逐艦の水雷戦隊のほうが使いやすいのです。
アッツ島にいた守備隊は2500人程度で、毎日何百人も死ぬ戦争をやっているとやっぱり感覚がマヒしてくるんでしょうなあ、「まあ2500人くらいだったら諦めるべ」というのがどこかあったんじゃないかと思います。「あんな最果ての島のために戦艦なんか出せねえよ」というのがね。
キスカ島には6000人くらいいたらしいので、さすがに見捨てるには数が多いと思ったのではないでしょうかね。
実はキスカ島の撤退作戦もかなりきわどいものだったのです。木村提督は現地の天候が思わしくないと判断すると躊躇せずに撤退しましたから。Wikiにも書いてありますが、その度に手ぶらで帰ってくる木村提督に対してなんと連合艦隊司令部直々にお叱りがきたほどです。また、現地の燃料も底をついてきたらしいですね。たかが軽巡洋艦3隻を主力の艦隊でも燃料は喰うのです。
またキスカ島作戦が行われた1943年夏頃というと、南太平洋戦線ではい号作戦が終わった辺りで、空母機動部隊は1942年10月の南太平洋海戦で失った航空戦力の補充の途上でした。日本側にも充分な航空戦力がなかったのです。これは、機体が不足していたのではなく、パイロットの不足です。空母に着艦できるのは技術に優れた優秀なパイロットでなければなりません。頑丈な米軍機と違って、華奢な日本軍機だと着艦に失敗するということはすなわち死を意味するのです。だから訓練は慎重に行わないといけないのです。実際問題、日本軍は南太平洋海戦で失ったベテランパイロットの補充をとうとうすることができませんでした。次に空母機動部隊が大々的に投じられるのはマリアナ海戦のときですが、このときにはもう日本軍パイロットの技量は大きく劣るものとなっていたのです。
「でも戦艦武蔵(大和)を投入させたら勝てたはず!」・・・どうでしょう?後のレイテ海戦で日本の戦艦隊が米軍の護衛空母と駆逐艦に食い止められた事実を考えさせられると、日本人が信じているほど日本の戦艦は強くないんじゃないかと思います。大和武蔵は新鋭戦艦だけど、扶桑型戦艦や伊勢型戦艦ときた日にゃ米軍の旧式戦艦よりおばあちゃんな戦艦ですからね。
それに、米軍はもうすでにレーダー射撃ができますが、日本軍はできません。それを考えると、わざわざ不利な土俵に上がるようなものですね。一歩間違うとスリガオ海戦のようにワンサイドゲームになった可能性も考えられます。私もそうだったのですが、どうも日本軍ファンは「我らが日本海軍は最強!」と信じたい余りに日本軍が勝った海戦のことはよく引き合いに出しても、負けた海戦は思い出そうともしないのです。
また本題とはそれますが、日本軍のガダルカナル島からの撤退作戦もなかなか見事なものでした。どうも日本軍は攻めるのは不得意でも、撤退作戦は割と得意みたいです。
ありがとうございます。回答に対して私の意見を少々・・・。
1919さんのおっしゃっていた「霧が多いと空母は役に立ちません。~大型艦は方向ひとつ変えるのも大仕事で、ひとつ間違えると霧の中で味方同士衝突する危険もあります。」は、レーダーを装備しているとはいえ、米海軍にも言えることではないでしょうか?
私としては、米海軍はアッツ島奪回の為に視界不良という困難に立ち向かい、日本海軍は視界不良を理由に仲間を見殺しにした臆病者に思えます。
本気でアッツ島救援の意思があるのであれば、搭乗員の補充が100%でなくても出撃するのではないでしょうか?「ろ号作戦」程の深刻なダメージは受けておりませんし、「霧が多いと空母は役に立ちません」が本当ならば、本格的な空母戦の可能性は低いのですから、上空警戒に零戦だけを搭載しても問題無かった筈です。目的は敵空母を沈めることではなく、アッツ島の救援ですしね。
また、私が疑問なのは「戦艦を投入したら勝てたはずなのに何故?」ではなく、「なぜ戦艦や空母が出撃しなかったか?」なのです。米海軍の攻略部隊の主力は旧式戦艦「ネヴァダ」「ペンシルベニア」「アイダホ」、護衛空母「ナッソー」等であり、正規空母は一隻もありません。少なくとも当時の日本海軍には、これを上回る海上兵力を用意することは可能であったと思います。
第一戦隊が出撃し、アッツ島沖で艦隊決戦が行われた結果が敗北ならば諦めがつきますが、米海軍よりわざわざ過小兵力で立ち向かい(或いは出撃せずに)負けるという図式が多すぎると思います。これは第三次ソロモン海戦にも言えることですが・・・。
やはり「あんな戦略的な価値も無い小島、全滅してもいいや。」くらいに考えていたとしか思えないのですが、どうでしょう?それとも、危険な海域に主力艦を出撃させて損傷させてはたまらないといった、艦隊保全主義の現れなのでしょうか?
No.3
- 回答日時:
>太平洋戦争中、なぜアッツ島は玉砕させられたの?
他にも回答がありますが、「陸軍と海軍の不和」による「悲劇」ですね。
旧憲法下では、各大臣は「直接、天皇に対して責任を負う独立した存在」です。
首相といえども、陸軍大臣・海軍大臣を罷免する事は出来ません。
つまり、陸軍も海軍も「独立した存在」ですから各々の利益・勝率を優先します。
>海軍得意の、決戦に備えての出し惜しみなのか、燃料の問題なのか、理由がわかる方教えてください。
次期海戦に備えての、軍備温存でしようね。
と書くと、上層部の反目が原因と思い勝ちですよね。
が、実際は「武器・弾薬・食料が、底をついた」のが原因です。
大本営海軍部作戦課長富岡大佐は、昭和45年亡くなる前に大本営の冷徹な論理を明らかにしています。
「あの軍は敗残兵である。敗残兵に駆逐艦や潜水艦で食料を運んでいたのでは、日本海軍の戦力は無くなってしまう。上司も捨てろ言った。敗残兵になったら死んでしまえというのは、当たり前だ」。
捕虜になる事は許されませんから「上官から、突撃命令」を受ければ死ぬしかありません。
まぁ、一種の集団自殺ですね。
これを、大本営とか各種新聞は「玉砕」と英雄視した訳です。
今では想像できませんが、中国共産党系機関紙・朝日新聞も当時は「大々的に、玉砕を英雄視」した記事を書いています。
ありがとうございます。
ひとつ気になったのですが、「武器・弾薬・食料が、底をついた」のは守備隊が、ですよね。
陸軍と海軍の不和はよく取りだたされますが、それでもガ島は撤退作戦を行い玉砕はしていません。
不和とはいえ、戦う戦力があるのに戦わず、撤退作戦もせずに陸軍兵力を見殺しにする。こういった海軍の姿勢を陸軍はどのように思ったのでしょう。
一般的に海軍=善・陸軍=悪のようなイメージがありますが、アッツ島の見殺しや、ガ島での輸送船団護衛軽視を見るにあたり、海軍が悪に見えて仕方ありません。
No.2
- 回答日時:
昭和18年5月までに多くの艦船が沈められ、広大な太平洋をカバーするには戦力不足になっていました。
>当時の日本海軍の兵力に遠く及ばず
主力は南方ですから北方部隊の戦力は弱くアメリカ艦隊と決戦するには不十分で投入できる戦力は明らかに日本側が劣っていました。
主力部隊を投入すれば違うでしょうが、進めるためには護衛や補給で多くの艦船を動員しないといけません。短期間で準備はできませんし、北方へ進ませれば南方が手薄になります。
アッツ島の時、陸軍は増援を送ろうとしましたが、海軍が協力しませんでした。輸送船には護衛が必要ですが、十分に確保できなかったからです。
アッツ島の守備隊が全滅玉砕しましたからキスカ島は孤立しました。上陸してくれば全滅玉砕は免れませんから撤退は当然です。
なお、付近の島に飛行場がありますから艦隊が行けば空襲されます。南方では空襲で沈められた船はたくさんありました。
制空権の無い場所へ艦隊を進めるとどうなるか明らかです。
キスカ撤退作戦は発生した霧を利用しました。霧の中を進めば空襲されないからです。
No.1
- 回答日時:
極論を言ってしまえば 陸軍と海軍での作戦遂行の仕方で揉めたからです
アッツ島に主力級を投入し 米軍を一気に駆逐すべしという陸軍に対し 海軍は猛反発
アリューシャン ミッドゥエイを太平洋戦線の最重要拠点と位置づけていた海軍は そっちに主力を温存したかったんです
ありがとうございます。
日本海軍の動きを見ると、まるで米軍の戦力が強大になるまで温存し、戦力差が決定的になりつつあるマリアナやレイテで、わざわざ殺られるために出撃したように見えてしまいます。
ガ島・アッツ・ニューギニア・ブーゲンビル・・・エセックス級が登場する以前に連合艦隊を動かせば、最終的に敗北するにせよ、史実よりはマシな戦ができたと思います。
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