No.2ベストアンサー
- 回答日時:
こんにちは。
なかなか、回答が付きませんね。専門的すぎるんですかね。といいつつも、私も言語学的なところは大学の仏教学部を卒業した程度しか知識はありませんが、わかる範囲で回答させていただきます。>>ブッダが話したらしいマガダ語。
>>釈迦族がどんな民族かにもよると思いますが。
>>ゴータマ・ブッダもマハーヴィーラも
>>マガダ語で思考したのでしょうかね。
どうやらそのようですね。お二人とも東インドを中心に布教しておられましたので、東インド訛りに属していたマガダ語をおもに使っていたようです。しかし、お釈迦様在世においても、ヤメールとテークラというバラモン階級出身の兄弟が、
「お釈迦様の言葉が地方出身の弟子たちによって、一般人が使うような文法にかなっていない言語に訳されて伝えられてますので、僕たち兄弟にヴェーダ語(古典サンスクリット語)に訳させてください。そうすれば誤解も少ないですし、お釈迦様の意見が正確に伝えられると思うんですけど、どうでしょう?」
と意見されたときに、お釈迦様は、
「いやいや、一般の人が聞いて理解できない言語には訳しちゃ駄目よ。」
といって、ヴェーダ語に訳すこと禁じたということがあったようですから、お釈迦様在世にあってもマガダ語以外の言語でも伝わっていたようです。そのあと、お釈迦様が亡くなってから弟子たちが集まって経典や戒律を一通り統一しましょうってことになった時には、どうやらマガダ語で一度合わせる形になったようです。
しかし、地方においてはやはりマガダ語ではなくそれぞれの地域のことばで伝えられています。その結果、部派仏教の時代になりますと西北インドで栄えた説一切有部はサンスクリット語(ちなみにこれはお釈迦様が禁じたヴェーダ語ではなく、かなり一般語に近いスラングを含んだサンスクリット語ですので「一般人にわからない言語で説いちゃ駄目よ。」という理念に反しているわけではありませんのでご注意を。)で、中インドでおこった正量部はアパブランシャ語、西インドで栄えた上座部はピシャーチ語を原型に持つパーリ語、南インドで起こった大衆部派はマハーラーシュトラ語で伝えられたとも言われています。現在の研究ではこの大衆部のマハラーシュトラ語に近い語形が含まれるサンスクリット語の般若経典が発見され、大乗仏教大衆部起源説が見直されたりもしているようです。
ちょっと話がずれましたが、こういった多く語言語に訳された経典ですが、その中でも最も古い起源をもつのがパーリ語ということになります。このパーリ語の経典とはスリランカ、タイなどに伝わった経典を指すわけですが、そもそも「パーリ」とは「聖典」という意味で、経典の中には「パーリ(聖典)」という言葉さえ出てきません。のちにこういった経典群がスリランカに伝わり、スリランカにおいてできた経律論の三蔵の解説書を「アッタカター」と呼んだのに対して、経律論を「パーリ」と呼ぶようになったようです。ですから、パーリ語は「聖典に使われている言語」という意味のある言葉で、もともとパーリ語という言語があったわけではないのです。これがいつから、パーリ語と呼ばれるようになったかに関しては、諸説ございますが、十世紀以後になってから、スリランカやタイ、ミャンマー等の東南アジアの仏教国の母国語の違うお坊さん同士が文通や会話による意思疎通を取るために経典に使われていた言語を使ったことが始まりで、パーリ語と呼ばれるようになったのではないかと学者方は考えているようです。
また話がずれましたが、やっと本題です。
>>今まで、経典のどの箇所がマガダ語であるか
>>という話を私は見聞きしたことがありません。
>>経典の中で、どのことばが
>>マガダ語かはわかっているのでしょうか?
この最も古い成立起源を持つパーリ語の経典は、ピシャーチ語という西インド訛りの語形がベースにあるようですが、マガダ語の語形も見出すこともできます。しかも、それは日本語において、「~やで」「~や」と関西弁表記だったものが、突然「~です」「~ます」と共通語表記にされたらいくら何でもわかりますよね?それと同じくらいでわかります。
経典の中においては、長部、中部、相応部経典に共通する文章に
n’atthi atta-kāre n’atthi para-kāre n’atthi purisa-kāre
自作なく、他作なく、人作なく
とあって、「keāre」の部分は本来のパーリ語の活用変換だと「kāro」にならないとおかしいですし、また同経には、
sukhe dukkhe jīva-sattame
苦と楽と第七の命と
とあり、ここも「sukhe」はパーリ語の活用変換だと「sukhaḿ」、「dukkhe」は「dukkhaḿ」、「jīva-sattame」は 「jīva-sattamo」となっていなければおかしいのですが、これらはマガダ語的変換のままになっています。
さらに言えば、パーリ語の経典の中において、お釈迦様が弟子たちを呼ぶときパーリ語では「bhikkhavo(比丘達よ)」とパーリ語の活用で呼びかけているのですが、よく見るとちょいちょい「bhikkhave」というマガダ語系の活用で呼んでいるところもあります。
こういったところにはマガダ語で学んだ人たちが西インドのこれを伝えるときに、お釈迦様の人物像だとか言葉のニュアンスを残そうという努力の跡とみることができます。私の友人で大阪において最も汚いといわれる大阪弁を使う地域出身者が言っていたのですが、「お宅のお子さんころんでますよ」というのを「我んとこのジャリいちびっとんぞ」と言うんだと冗談交じりに話していましたが、こういった言葉のニュアンスを訳すのって難しいんでしょうね。
>>マガダ語とはどのような言語でしょうか?
>>どうやってマガダ語を探すのでしょうか?
パーリ語とマガダ語の主な違いは三つあるといわれています。
1、パーリ語では活用前の基本形が~aで終わっているものは、男性詞単数主格に活用するとき~oで終わり、中性単数主格は~ḿで終わりますが、マガダ語の場合はいずれも~eで終わります。
2、パーリ語はサンスクリット語と同じでrとlの発音を区別しているのに対して、マガダ語はlの音のみでrの音はつかわれません。
3、パーリ語は歯擦音としてはsのみですが、サンスクリット語はsほかに、上に'のついたsや、下に・のついたs(表記できませんでしたすみません)があります。それに対して、マガダ語は主に上に'のついたsのみが使用されています。
ただ、上述のようにパーリ語の経典に出てくるマガダ語はrがありますし、sの音も出てきます。あくまでここはマガダ語的活用が用いられているということであって、マガダ語そのものが完全な形で使われているというわけではないようです。ですが、上記のようなことを意識しながらパーリ語の経典を見ていくとマガダ語的な活用が使われている部分が見つかります。
まぁ、一応こんなところですかね。私も言語は専門ではないのでこの程度の事しか書けませんがお役にたてれば幸いです。余計なこともいっぱい書いてしまったかもしれません、ごめんなさい。急ごしらえのため誤字脱字乱文はご容赦ください。
合掌 南無阿弥陀佛
回答ありがとうございます。
なるほど。
>経典の中においては、長部、中部、相応部経典に共通する文章に
なんですか。
関心がスッタニパータとかダンマパダにばかり向いていたので
とても参考になりました。
いやあ、質問したのはいいけれど
正直、回答はつかないだろうと思っていました。
せめて話題にしたことで興味を持っている人が
調べるきっかけになればいいか、とさえ思ったくらいです。
No.1
- 回答日時:
Magadha は、主としてインド南部の西暦紀元前600年前後の王国、ないし王朝の名前です。
言葉の方は、Magadhi Prakrit などを使っていました。日本語版には地図がありませんが、下記にはあります。http://en.wikipedia.org/wiki/Magadha
1。経典の中で、どのことばがマガダ語かはわかっているのでしょうか?
ふつう Magadhi Prakrit が多いと思います。
2。 マガダ語とはどのような言語でしょうか?
アーリア系の言葉で、インドアーリア語族に属し、さらに印欧大語族に入りますが、サンスクリットに近いので、Magadhi Prakrit は、サンスクリット(梵語)の混淆語(ハイブリッド)と見る学者も居ます。
3。 どうやってマガダ語を探すのでしょうか?
「マガダ語」は、正確に言うと言語の名前ではなく、下記のように政治的区画や人名ですから、これでは出ないと思います。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%AC% …
回答ありがとうございます。
>「マガダ語」は、正確に言うと言語の名前ではなく、下記のように政治的区画や人名ですから、これでは出ないと思います。
そうなんですか。
仏教の解説書とかによくでてくるので
マガダ語というのがあるのかと思っていました。
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