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無数とも言える様々な抗原に対して、それぞれの特異的な抗体が作られる仕組みを80字以内で説明せよ。

という問題で

抗体生産に関わる遺伝子は断片化されて複数存在するが、B細胞が分化する過程でそれぞれの断片から遺伝子が組み合わされ、遺伝子の再編成が行われるから。

とあったのですが

遺伝子の再編成ってなんでしょうか?

A 回答 (1件)

まず、遺伝子再構成はB細胞に分化する前の幹細胞で行われます。


可変領域のタンパク質構成が異なることで抗体の多様性が可能となっています。

H鎖の可変領域をコードする遺伝子は、
VH遺伝子部分、DH遺伝子部分、JH遺伝子部分の3つに分かれていて、
この3つの遺伝子部分にそれぞれ、
可変領域の遺伝子断片が複数個コードされています。

抗体を産生するB細胞のH鎖可変領域の遺伝子は、
VH遺伝子部分にコードされているいくつかの遺伝子断片の中から1種類、
DH遺伝子部分から1種類、
JH遺伝子部分から1種類が選ばれて、
それが組み立てられてつくられます。

VH遺伝子部分に50の遺伝子断片、
DH遺伝子部分に30の遺伝子断片、
JH遺伝子部分に6種類の遺伝子断片があるとすると、(あくまで仮定です)
その組み合わせは50×30×6 = 9000種類となります。

L鎖可変領域をコードする遺伝子は、
H鎖よりも少なく、
VL遺伝子部分、JL遺伝子部分の2つの部分に分かれています。

同じようにVL遺伝子部分に35の遺伝子断片、
DL遺伝子部分に5つの遺伝子断片があるとすると、(これまた仮定です)
その組み合わせは35×5 = 175種類となります。

そして、9000種類のH鎖と175種類のL鎖の組み合わせは
9000×175 = 150万種類以上となります。

このように、
H鎖のV、D、J、
L鎖のVとJの遺伝子断片の組み合わせで
多様な遺伝子をもつB細胞ができ、
それぞれ異なった種類のB細胞が
それぞれ異なった抗体を作ることで多様な抗体がつくられます。

これをV(D)J遺伝子再構成といい、主にヒトやマウスでみられます。

一度遺伝子再構成が行われたB細胞は
それ以降1種類の抗体しか作れません。

いわば、専門職ですね。

このインフルエンザウイルスはこのB細胞が担当、
別の型のインフルエンザウイルスは別のB細胞が担当、
といった感じです。

ちなみに、
この抗体の遺伝子レベルでの多様性の仕組みは
日本人の利根川進により解明され、
1987年にノーベル生理医学賞を受賞しています。


と、いうことらしいです。
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この回答へのお礼

お礼遅れてすいません。ありがとうございました。

お礼日時:2013/11/23 19:02

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