No.2
- 回答日時:
d次元(d>1)の場合には、1次元とはだいぶ話が違うでしょ。
酔っぱらいの位置をd次元ベクトルで表すことにしましょう。仮に、このベクトルの各成分が互いに独立な1次元ランダムウォークになっている、というだけなら「それぞれの次元の成分が正規分布になる」で話はおしまいです。
しかし、d次元ランダムウォークは、各ステップが「ひとつの成分を1/dの確率で選び、その成分について半々の確率で+1か-1だけ動かす」というプロセスである。従って、ある次元の成分だけを見ると、「(d-1)/dの確率で0, 1/(2d)の確率で+1, 1/(2d)の確率で-1だけ動かす」ということになる。しかも、この成分の動きが0である場合には必ずどれかの成分ひとつだけの動きが0でない。この成分の動きが0でない場合には他のどの成分の動きも0である。つまり、成分同士が互いに独立ではない。
このため、d>1の場合はとても難しくなる。そもそも収束するんだっけかな?
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
d 次元正規分布に収束すると思います。
誤解がないように、問題を次のように定式化します。
(1) 自然数 k に対して、X[k] を、次の分布に従う d 次元確率ベクトルとする。
1 ≦ i ≦ d なる各 i に対して
X[k] の第 i 成分が 1 で、他の成分が 0 の確率 = 1/(2d)
X[k] の第 i 成分が -1 で、他の成分が 0 の確率 = 1/(2d)
他の場合の確率 = 0
(2) 無限列 X[1]、X[2]、・・・は、独立。
(3) s[n] = X[1] + X[2] + ・・・ + X[n]
すると、次のことが分かります。
(4) E(X[k]) = 0
(E( ) は期待値を表す。 右辺は d 次元 0 ベクトル。)
(5) V(X[k]) = (1/d)I
(V( ) は共分散行列を表す。I は d 次単位行列。)
(6) |X[k,1]|^3 + |X[k,2]|^3 +・・・+ |X[k,d]|^3 = 1
(X[k] の第 i 成分を X[k,i] と記した。)
よって、下の中心極限定理により、 n →∞のとき、s[n]×(d/n)^0.5 の分布は、d次元標準正規分布に収束します。
*******
(中心極限定理)
X[1]、X[2]、・・・ を、 d 次元確率ベクトルの独立な無限列とする。また、次の (1) から (4) が満たされるとする。
(1) E(X[k]) = 0
(E( ) は期待値を表す。 右辺は d 次元 0 ベクトル。)
(2) V(X[k]) = σ^2I
(V( ) は共分散行列を表す。σは正数。 I は d 次単位行列。)
(3) |X[k,1]|^3 + |X[k,2]|^3 +・・・+ |X[k,d]|^3 は、有限な期待値を持つ。
(X[k] の第 i 成分を X[k,i] と記した。)
(4) (3) の期待値を c[k] とするとき、
lim[n →∞](1/n^3)(c[1] + c[2] + ・・・ + c[n])^2 = 0
すると、(1/(σn^0.5))Σ[k=1 to n]X[k] は、n →∞のとき、d 次元標準正規分布(密度が(2π)^(d/2)exp(-0.5(x[1]^2 + x[2]^2 +・・・+ x[d]^2)) の分布)に従う確率変数に法則収束する。
(証明は、1次元の場合の中心極限定理の証明をほぼなぞっていけば、難しくない。)
No.4
- 回答日時:
積率母関数(特性関数)を使うのが簡単ですね。
厳密ではありませんが、簡単に説明してみます。
一ステップ毎の移動量をX[1],X[2],……,X[n]とします。
各X[k]はiidなd次元確率変数ベクトルで、平均ベクトルが0、分散共分散行列は(1/d)Iです。
S[n] = Σ_k X[k]
とおきSn/√nのn→∞としたときの分布がどうなるかを考えます。
まずは、θ=(θ1,θ2,……,θd)とし、θX[k]/√nの分布から始めます。
期待値は
E[θX[k]/√n] = θE[X[k]]/√n = 0
分散は
V[θX[k]/√n] = E[(θX[k])^2/n] = Σ_k θ[k]^2/(nd)
です。
θX[1]/√n,θX[2]/√n,……,θX[n]/√nはiidな確率変数ですので、中心極限定理により、
θS[n]/√n = Σ_k θX[k]/√n
はn→∞のとき平均が0、分散がΣ_k θ[k]^2/dの正規分布になります。
さて、θS[n]/√nがn→∞のとき正規分布になるということは、exp(θS[n]/√n)は対数正規分布になるということです。
この対数正規分布の期待値は
exp(Σ_k θ[k]^2/(2d))
ですので、E[exp(θS[n]/√n)]の期待値はn→∞のときexp(Σ_k θ[k]^2/(2d))になります。
実はこのE[exp(θS[n]/√n)]はS[n]/√nの積率母関数そのもので、一方exp(Σ_k θ[k]^2/(2d))は平均ベクトルが0、分散共分散行列が(1/d)Iの多変量正規分布の積率母関数なのです。
積率母関数は分布と1対1の対応があることから、S[n]/√nの分布はn→∞のとき平均ベクトルが0、分散共分散行列が(1/d)Iの多変量正規分布になるということがいえます。
一般的にも分散共分散行列がある限り、多変量中心極限定理は成り立ちます。
厳密な証明は、確率論や数理統計学の本に載っていると思いますので、そちらで確認してください。
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