
品詞分解するとどうなりますか。
特に、格助詞「の」の下記辞書定義に絡めて解説してくださると有り難いです。
≪名詞、形容詞、形容動詞の語幹、副詞、副助詞、接続助詞「て」「ながら」などに付く。≫
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/171157/m1u/ …
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
直接関係ない話から始めます。
「忘れじの 行く末(ゆくすゑ)までは 難(かた)ければ 今日(けふ)を限りの 命ともがな」
(「百人一首」54番 ・『新古今集』恋・1149)
この「忘れじの」の部分を説明しているサイトはいくつかあります。品詞分解や意味は皆説明していますが、「忘れじの」という語句がどういう組み立てで、どういう役割を果たしているのかは説明されていません。これは「行く末」に係る連体修飾語なのか、あるいは「忘れじ」が主語で「難ければ」が述語なのかと迷うところですが、大抵は「(わたしを)忘れるまい」という(あなたの心は)遠い将来までも続くことが難しいので、」という構成だというのが普通の受け取り方のようです。
ところで、この「忘れじ」を使った「君を忘れじのブルース」という歌が昭和期に流行しました。「あなたを忘れまいという(心を歌った)ブルース」とでも解釈できるのでしょうか。これは「遣らずの雨」や「開かずの間」に似ていると思いませんか。実は言いたかったのは、「じ」という助動詞が「終止形」だということです。何しろ、この助動詞は「無変化型活用」で、「じ、じ、じ」と終止・連体・已然の三つしかありません。したがって、終止形は間違いないと言えます。似たような形の「遣らず」や「開かず」の「ず」を連用形とおっしゃる人が多いようですが、「忘れまい」「遣らない」「開かない」という終止形であり、「(あなたを)忘れまい」「(あなたを)帰さない」「開かない」という文の一部を切り取ったという感じがします。「分からず」もまた「(道理が)分からない」の一部であると考えていたら、既にNo.4で「引用名詞」という名称が与えられていました。納得です。
これで何となく見えてきました。転成名詞を持ち出して「名詞」にこだわっていらっしゃったのも、分かる気がします。というのも、一番分かりやい例で言うと、副詞の「ちゃっかり」に取り敢えず一時的に名詞の資格を与えて、それに「屋」という接尾辞を付けることで完全に名詞化する。その一時的な名詞を「臨時名詞」(No.4の方のコメントにあります)と呼び、完全に名詞化された段階で、「ちゃっかり屋」として主語にもなり得る、そういう構図がわかったように思いますが、いかがでしょう。
そういう意味から言えば、『「屋」は名詞に付く』は必ずしも誤りではないけれど、普通には理解しがたいことかもしれませんね。
ご回答ありがとうございます。
>「忘れじの 行く末(ゆくすゑ)までは 難(かた)ければ 今日(けふ)を限りの 命ともがな」
>「君を忘れじのブルース」
:
これらは、おっしゃるように終止形ということになるのでしょうね。
同意いたします。
ただ、
>「(あなたを)帰さない」「開かない」という文の一部を切り取ったという感じがします。
:
こちらには同意できません。^^;
むろん、その可能性が全く無いわけではありませんが、それよりも「あなたを帰さないように降る雨」「開けてはいけない状態の部屋」のように解釈するほうが自然だと思うからです。
その意味で、「連用形」であることが必要なわけです。
大辞林によると、連用形とは「下の用言に続くときに使われる形」で、【他に,「山青く,水清し」の「青く」のように,文をいったん中止したり,~】とあります。
http://www.excite.co.jp/dictionary/japanese/?sea …
「山青く,水清し」は「山は青い。水は清い」という意味ではない、という点が重要。
「山が青いという状態の中で、水は清い」というニュアンスになるはずです。
そして、『用言に続く(掛かる)ときに使われるようにして名詞に掛かる』これが「転成」ではないかと思います。
この意味で、終止形と連用形の違いには留意する必要がありそうです。
どのような意図で発話するのか、という点が最も重要だからです。
>副詞の「ちゃっかり」に取り敢えず一時的に名詞の資格を与えて、それに「屋」という接尾辞を付けることで完全に名詞化する。その一時的な名詞を「臨時名詞」(No.4の方のコメントにあります)と呼び、完全に名詞化された段階で、「ちゃっかり屋」として主語にもなり得る、そういう構図がわかったように思いますが、いかがでしょう。
:
#4さん引用の「日本文法教室」で、「臨時名詞化は、ある語句を引用したことに生じるもの」という件がありますが、これは一理あると思います。
これを鵜呑みにすれば、全て一件落着となるわけですが、ただ、残念なことに、肝心の点について言及されていません。
つまり、臨時名詞化は引用だと言っているわけですが、転成名詞のように連用形由来の名詞は引用ではありません。ここを見落としているわけです。
先述しましたように、「意図が異なる」わけですから、「どのような意図で(他の品詞の)名詞化が為されているのか」という点についての考察が甘すぎるように思われます。
論点は2つになると思います。
まず、「名詞に付く」という辞書明記は、名詞句・名詞節も含まれると大目に見ることもできるかもしれませんから、「引用」の臨時名詞化はどんな品詞であれ、どんな活用形であれ、可能になるのかもしれません。
しかし、仮にそうであるなら、そして、辞書であるなら、このことは明記すべきですよね。
いずれにせよ、おっしゃるように、「(巷間、良く言われるところの)ちゃっかり(屋)」という解釈もできそうです。
ただ、くどいようですが、この問題と、連用形由来の転成名詞の用法とごっちゃにするのはどうか、という気がしますね。
つまり、#4さんおっしゃるところの「引用としての臨時名詞」と「転成名詞」を一緒にするのは好ましくないのではないか、ということです。
「分からず屋」は「分からない状態の人」という意味で、後者だとわたしは思います。引用と考えたら筋が通らなくなるでしょう。
No.6
- 回答日時:
No.5です。
わたしの回答の中に、明らかな誤りがあったので、訂正します。「~屋」と「~の」という二つのテーマが出てきたので混同してしまったようです。「地舞うた(屋)」は「仕舞うた」(店仕舞いをした)が「屋」を修飾しているのであって、「屋」は接尾語ではなく「家屋」の意味の名詞と考えるべきで、「二階屋」と同じ用法と考えられます。
「~屋」という接尾辞を付けて名詞を作る形と、
「~の」のように「連体格の助詞」を付けて「連体修飾語」を作る形とは一部似ている面もありますが、本来違うものですから、心しておかなければならないと、これは自戒の言葉でもあります。
ご回答ありがとうございます。
派生語ではなく複合語ということですね。
その場合、終止形ではなく連体形と考えて良い、ということになるでしょうか。
No.4
- 回答日時:
1.連体詞
鎌倉期の「拾介抄」によれば、「不開御門(アケスノミカト)。或説云、偉鑒門元者玄武門也。世俗号之不開門。」とあります。
参照:「ことばの溜め池」
http://www.komazawa-u.ac.jp/~hagi/ko_tame30.html
この「不開門(フカイモン/開けず門)」は、古式の和語としては「開けずのみかど」として、それは「あけず(にしておく=述語の名詞化の含みを持たせた連体形の「の」)門」という意味で、ここでの古語の「開(あ)く」は自他同形なので、この場合は他動詞で「あけずの門」と号していた、いわば「引用名詞」の連体用法とも見做せます。
一方、現代語での「開かずの踏切」といった自動詞用法についてはこれを「連体詞」とみることができます。
「あかずの【開かずの】(連体詞)開かずの間[=開いたことが無い部屋]・開かずの踏切[Aいつまでも開かない、Bなかなか開かない、踏切]」(「新明解国語辞典」三省堂)
2.模型名詞(引用名詞)
「(あの人を外へ)遣らず」という雨。
こちら芳賀綏「日本文法教室」(東京堂)での次の説明が分かり易いでしょう。
「が・を・に・と・の…みたいな、名詞に付属する辞は、名詞と限らず、いろんなものに割合自由につくことができるので、この種の辞がくっつけば、くっつかれた上のものは、すべて名詞とおなじ資格になってしまいます。」
その例文として、
「行く(基本形・終止形)<の>命令形は行け<と>いう形だ。」
格助詞は「種々の語」について「本来名詞でないものが名詞のようなかっこうをして使われているとき、そういうのを<臨時名詞>とでも呼んだらいいでしょう。松下博士は<模型名詞><引用名詞>と呼びました。これらはたしかに名詞の模型みたいなものですし、臨時名詞化は、ある語句を引用したことに生じるものですから、なるほどうまい命名ですね。」
ご回答ありがとうございます。
>一方、現代語での「開かずの踏切」といった自動詞用法についてはこれを「連体詞」とみることができます。
:
「開かずの」が連体詞というのは一理あるかもしれませんが、「開かず」はどうお考えですか。
>「が・を・に・と・の…みたいな、名詞に付属する辞は、名詞と限らず、いろんなものに割合自由につくことができるので、この種の辞がくっつけば、くっつかれた上のものは、すべて名詞とおなじ資格になってしまいます。」
その例文として、
「行く(基本形・終止形)<の>命令形は行け<と>いう形だ。」
:
「遣らず」は終止形ということですね。
「引用」というのはわからなくもありませんが、かなり守備範囲が広いですね。誰かが言ったという形と解釈すれば、なんでも名詞になり得るので。この解釈でいくと、「(あそこはいつも)開かず」の踏切、ということで、こちらも終止形である可能性が出てきそうです。
まあ、便利と言えば便利ですが、ちょっと引っ掛かりますね。
後ほど、補足欄に書き込むかもしれません。
No.3
- 回答日時:
準体助、というのがありますね。
活用語について、名刺と同じ様に扱う・・・。
開かずの=開かず≒名詞。
漢字に置き換えれば、非開の・・、不開の・・、とでもなるのかな。
ご回答ありがとうございます。
たしかに「非開」と考えれば名詞になりますね。
ただ、活用語の連用形+の という構造の場合にどうなるのか知りたいと思っています。
たとえば、「流れの速度」などの場合の「流れ」は明らかに(転成)名詞です。
「開かず」なども動詞(+助動詞)の連用形ですが、この場合も名詞と言えるかどうか、という質問です。
はっきり書かなくてすみません。
No.2
- 回答日時:
「開かずの間」では少し据わりの良くない文ですので「開かずの扉」とした上で、もし「開かずの間」を格助詞「の」を使わない言い方で表現するならば、どの様な形になるか。
こんな問題を立てて手掛かりとしてみました。「開かずの扉」の意味が「開かない扉」を意味するならば、「開かざる扉」とすることも可能でしょう。こうすれば「開かず」も「開かざる」も扉に掛かる修飾語であることも明確になります。
その修飾語との性質から説明するならば、扉が名詞ですから形容詞との説明もつきます。
しかしながら、ここで「文法に拘泥する」との厄介な問題が鎌首を擡げてもきます。件のサイトを眺めましたら、(1)の連体修飾格としての用法(ク)の用法が目に留まりました。
英語的な説明ならば、扉が先行詞であり、それを修飾する関係代名詞に導かれた形容詞節との説明がほぼこれに近い形になるかと存じます。
「扉」がある。それがどの様な状態の物であるかを説明する。これを一つの句なり節で説明しようとするならば、どの様な形に落ち着くか。
もし「開かざる扉」だったなら、開かないと既に説明していますから、そこに状態を説明するために使う格助詞「の」を付加し、「開かざるの扉」とする理由がなくなってもしまいます。
逆に「開かずの扉」だったなら、格助詞がなければ「開かず」と「扉」の関係が不明瞭となってしまうともいえます。
「開かずの間」は「開か ず の 間」であり、動詞「開く」の未然形/打ち消しの助動詞「ず」の連用形/格助詞「の」/名詞、の形になると存じます。
ご回答ありがとうございます。
> 「開かずの間」は「開か ず の 間」であり、動詞「開く」の未然形/打ち消しの助動詞「ず」の連用形/格助詞「の」/名詞、の形になると存じます。
:
辞書には、≪名詞、形容詞、形容動詞の語幹、副詞、副助詞、接続助詞「て」「ながら」などに付く。≫と明記されているのですが、
『(動詞の未然形/)助動詞の連用形に付く』という一項を書き忘れている、ということでしょうか。
No.1
- 回答日時:
開か…動詞の未然形
ず …打ち消しの助動詞「ず」の連用形
の …格助詞
間 …名詞
格助詞「の」は名詞に付きます。動詞の連用形は名詞化する場合があります。ただこの場合、「開く」のではない、と内容を否定するため、否定語をつける必要があり、それを「ず」に担当させました。「ず」は未然形接続のため前の動詞は未然形となり、名詞化するための連用形は「ず」の方が担当しました。その結果、動詞の連用形と同じ扱いで、名詞化したものとみなされました。
もしも否定の助動詞などを伴わずに「開かない」という内容を表せる単語があるなら、こんなふうに「~~ずの」とはならずに、直接動詞の連用形で「~~の間」と言うのでしょう。「裁きの間」「癒しの間」などのように。
と、こんな解釈でいかがでしょう。
ご回答ありがとうございます。
>名詞化するための連用形は「ず」の方が担当しました。その結果、動詞の連用形と同じ扱いで、名詞化したものとみなされました。
:
質問者の考えは言わないほうが質問文には書かないほうが良いと思って、あえて書かなかったのですが、全く同じ考えの方がいらしゃいました。
ご存知かとは思いますが、動詞+連用形で「転成名詞」というものがありまして、他のスレで「分からず屋」の「分からず」は名詞か否かというご質問に回答する中で確認したく、質問させていただきました。
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