A 回答 (8件)
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No.2
- 回答日時:
片持ち梁の先端に集中荷重がかかっている、ということでしょうか?
梁の弱軸曲げとなる方向に力がかかる(たとえば、断面で見て エ 形に梁があったとき、右から左へ押す力)のでなければ、梁は座屈しますから、座屈の検討は必要です。
私も商売で構造をしていますが、1番の回答は、質問文の「せん断方向(軸と直角方向の)力」を「せん断応力のみ発生する力」と読んでいると思います。
毎度ありがとうございます。弱軸方向の曲げに対しては考慮する必要があり、強軸は必要ない(影響はほとんどない)という理解でよろしいでしょうか?
No.3
- 回答日時:
#1です。
片持ち梁の先端に、せん断方向(軸と直角方向の)力、ということですので、当然、はりにはせんだん力に加え曲げモーメントが発生します。これはご存知ですよね。
その力の方向は、はりと直角方向であり、はりの軸方向には向いていないのですよね。
ですから、当然、このはりには軸圧縮力は発生せず、座屈も生じません。
もし、図と違う状態をお考えなら、補足で示していただければ、より適切な回答ができると思います。
No.4
- 回答日時:
#1=#3 です。
今、ちょっと気がついたのですが、質問者様のおっしゃる「座屈」というのは、軸圧縮に対する座屈ではなく、曲げに伴う圧縮側(#3の回答で言うと、はりの下面側)の座屈、ということでしょうか。
でしたら、断面形状により異なります。はりの断面が薄肉構造なら、座屈照査は必要ですが、充実断面なら不要です。
#2様の回答は、この、薄肉断面の場合の、曲げに伴う圧縮側の座屈のことです。
No.5
- 回答日時:
座屈というと軸圧縮作用に伴う座屈をまず思い浮かべますが、軸圧縮作用に伴う座屈とは正確には、軸圧縮と曲げ作用の連成によって起きる座屈なんです。
なので曲げ作用に伴う座屈だってあります。ただし薄板で構成された断面でも閉断面であるか、中実断面であれば、軸圧縮作用に伴う座屈のみ考えておけば、ほぼOKです。そういう訳で、曲げ作用に伴う座屈が無視できないのは、皆さんの仰るI型プレートガーダーのような薄肉開断面の場合です。このような場合、座屈は大別して2つに分かれます。
(1)全体座屈
これは部材全体がひしゃげるイメージです。
1)軸圧縮作用による座屈(曲げ作用との連成)。
2)曲げ作用による横倒れ座屈(ねじりとの連成)。ただし薄肉閉断面や中実断面では、たいてい無視できる。
(2)局部曲げ圧縮座屈
部材全体は真っ直ぐだが、断面を構成する薄板が、局部的に凹んだりする座屈。軸圧縮と曲げ作用の合力に伴う、薄板の曲げ連成によって起こる座屈。多くはI型断面のウェブに対して計算されるが、凹んだ部分が構造上の弱点となり、全体座屈などを招きかねないので、無視できない。薄肉閉断面でも起こりうるが、条件により無視しうる場合も多い。
厳密に言うと、せん断作用やねじり作用に伴う座屈だってあります。しかし実際上は、そういう座屈が無視しうるような全体構造系を前提として考えます。典型は、桁の格子構造です。
そういう場合は、概ね(1)と(2)をやっとけば十分で(例えば弱軸方向への作用は十分小さい)、全てを考慮した組み合わせ応力状態に対する座屈照査を行うのは、稀です。
それが必要になったら、そもそも全体系の構造が妥当でないと判断します。
No.6
- 回答日時:
>弱軸方向の曲げに対しては考慮する必要があり、
>強軸は必要ない(影響はほとんどない)という理解でよろしいでしょうか?
「弱軸方向の曲げ」というのも、誤解を生む表現ですが。。。言葉づかいが厳密なら、それで正しいのですが、
弱軸まわりの曲げになる(曲がりやすい方向に曲げる)場合は、曲げ座屈は起きません。
強軸まわりの曲げにして、強度を稼ごうとする場合は、曲げ座屈の検討が欠かせません。
最初に書いた、「言葉づかいが厳密」について、説明します
H形鋼の場合、強軸というのは、下図の点線・・・・の事です。(弱軸はこれに直角)
---
|
・・・|・・・
|
---
「強軸まわりの曲げ」はこの点線を中心とした回転のモーメントを与えるという意味で、変形の方向としては上下になりますから、これは弱軸方向の変形です。
もう一度書きますと、
強軸まわりの曲げ は 弱軸方向の変形 が起きます。。。ややこしいですね。
なので、私は「強軸」「弱軸」という言葉は、できる限り使わないようにしています。
No.7
- 回答日時:
#5です。
回答がつかないようなので・・・。横倒れ座屈とは、次のような現象です。
純曲げを受けるI型断面梁を考えます。純曲げの方向は、上フランジを圧縮(下フランジを引張)とする強軸まわりの面内曲げとします。
ここで上フランジに注目すると、近似的に純圧縮を受ける薄い長柱になっているのがわかると思います。上フランジはペラペラなので弱軸まわりの断面2次モーメントは0に近く、軸方向圧縮力の座屈にはほとんど耐えられないはずなのですが、中心ラインをウェブで拘束されるために、その座屈は考慮しないで良い事になっています。
そうすると強軸に関する軸方向圧縮力による座屈が問題になります。とはいってもフランジの強軸まわりの断面2次モーメントだって、そんなに大きくはありません。じっさいそれは、I型断面の強軸まわりのウェブの断面2次モーメントと同じで、I型断面の断面2次モーメントにウェブは、全体の1/6くらいしか寄与していません。
フランジの強軸に関する軸方向圧縮力による座屈変形を拘束するのは、やはりウェブですが、ウェブは面外変形にとても弱い(I型断面自体も)。よって上フランジは、圧縮力を受けると、面外に孕み出そうとします。
最初それは局所的に起きますが、孕み出してないところから見れば、上フランジの一部が横にずれたことになるので、部材全体としては、ねじり作用の発生です。
ところがI型断面は(開断面は)、ねじり作用にほとんど抵抗できず、孕み出しを拘束できない。そうするとちょっとでも孕み出しが起こると、曲げ圧縮作用によりねじり変形はどんどん助長され、最後には部材がねじれて壊れるという事になります。これは別に上フランジが軸圧縮力で座屈しなくても起こりうる事です。とにかく孕み出すきっかけがあり、それが無視できない大きさに達っすれば起こります。
この時、引張縁である下フランジはほとんど横に変形せず(引っ張られてるから当然ですが)、座屈後の形状を見ると、下フランジを中心に断面全体が横に回転したように見えるので、横倒れ座屈の名があります。
※「横倒れ座屈」でgoogleすれば、けっこうそういう画像が見れますよ。
ちなみにI型断面の弱軸まわりの面外曲げ作用でも、同様な可能性はある訳です。ある訳ですが、今度の孕み出し方向はI型断面の強軸に関連する方向なので、問題にしなくて良いとなってます。これが、「中心ラインをウェブで拘束されるために、その座屈は考慮しないで良い」の理由です。どうせ強軸方向曲げに関連する横倒れで、横倒れ座屈荷重は決まるからです。
強軸方向曲げに関連する横倒れとは、弱軸方向に関連する孕み出しが原因という、鬱陶しい構図です。
>強軸まわりの曲げ は 弱軸方向の変形 が起きます。。。ややこしいですね。
・・・賛成!(^^)。
横倒れ座屈に関するご丁寧な解説ありがとうございました。だいぶ理解が進んだ気がします。
ただ、まだいくつか疑問が浮かぶのが、I型断面の弱軸まわりの面外作用で…により座屈を考慮しなくてよい、のところなのですが、この場合も、両側のフランジがハの字に変形して孕みが生じるのではないでしょうか?これをウェブが抑える?あるいはこれは横倒れとは異なる座屈なのでしょうか?
あと、よく分からないのが、有効座屈長です。片持ちだと、両端支持や両端固定の変形形状と比較して、梁の長さの2倍だとか4倍だとか意見が見られます。私が感じるに、両端固定の場合はその梁の中央で座屈が生じます(曲げモーメントによる圧縮が最大なので)が、片持ちの場合、基部は拘束されています。なぜこれで有効座屈長の話ができるのかがピンとこないのです。
立て続けに質問すみませんが、ご回答頂けると幸いです。
No.8
- 回答日時:
#7です。
座屈現象がわかりにくいと言うか、意外なのは、荷重の載荷方向とは全然無関係な方向に(載荷方向と直交する方向とかに)、突然大変形が起こるからです。
軸圧縮力による長柱の座屈でもそうですよね?。真っ直ぐ押してるだけのはずなのに、突然横方向への変形が生じ、という事は曲げ変形が突然起こり、柱は曲がって折れる。真っ直ぐ押しててるはずなのに・・・。
それは厳密に真っ直ぐ圧縮するなんて、事実上不可能だからです。また真っ直ぐに見えても柱は、制作較差でちょっとは曲がっていて、必ず偏心しています。
座屈を除く通常の応力計算では、そういう微小な較差は全く問題になりませんが、座屈荷重という特殊な荷重の時だけ、その僅かな較差の効果が拡大されて無視できなくなるので、座屈照査を行います。オイラー座屈の座屈方程式の解を、もう一回見てみて下さい。可能な解の中には、「座屈しない」という解が自明に含まれてるはずです。それが「厳密に真っ直ぐ押せた」「厳密に制作較差もなかった」ケースに対応します。しかしそれらは、事実上不可能です。
上記を言いかえると圧縮フランジは常に、面内曲げに対して面外方向へ微小に孕み出す傾向を持ちますが、座屈荷重以外では、それを引き戻そうとする復元力が働きます。しかし座屈荷重という特殊な荷重では、その復元力が働きません。それが座屈方程式の物理的意味です。
働かないので、微小だった孕み出しは拘束されずに曲げ圧縮作用によって大きくなれます。そして大きくなりだしたら終わりです。何故なら大きくなればなるほど、曲げ圧縮作用の効果は大きくなって桁はねじれ続け、開断面はねじれに対しても抵抗できないので最後には、反りねじり作用との連成が起こって、桁は加速度的にねじれて壊れます。
従って横倒れ座屈は、圧縮フランジが軸圧縮で座屈しなくても、きっかけさえあれば起こりうる事です。しかしフランジが、軸圧縮座屈に対して強けれ強いほど、横倒れ座屈にも強いのは明らかだと思います。そして軸圧縮座屈への強さは、「作用する曲げの回転軸に直交する軸に関する、断面2次モーメント」で決まります。
※あ~っ!、メンドクサイっ!・・・(^^)。
上記のポイントは、座屈は要するに、十分な拘束があれば防げるという事です。圧縮フランジの孕み出しに拘束をかけるものは、主に次の3つです。
(1)軸圧縮座屈を抑制する、I型断面の弱軸まわりの断面2次モーメント
(2)軸圧縮座屈を抑制する、I型断面の強軸まわりの断面2次モーメント
(3)軸圧縮座屈を抑制する、部材の固定点間距離
(4)ねじれ作用に対する抵抗力
(1)は、強軸まわりの曲げ作用に伴う孕み出しに拘束をかけるもので、弱軸は「弱」なので横倒れ座屈が起こると想定し、横倒れ座屈照査を行います。
(2)は、弱軸まわりの曲げ作用に伴う孕み出しに拘束をかけるもので、強軸は「強」なので十分な拘束効果があると考え、普通は横倒れ座屈照査を省略します。
(3)は、例えばI型断面が主桁なら横桁間隔です。横桁で主桁は軸圧縮座屈に関して、両端ヒンジ支持されると普通は考えます。有効座屈長が短ければ短いほど軸圧縮座屈しにくいので、横倒れ座屈にも当然強くなり、業界ごとに規定があるはずです。
(4)は、例えばI型開断面でなく□型閉断面なら、同一寸法で□型はI型の10倍以上のねじり剛性を持ちますから、閉断面ではふつう、横倒れ座屈照査を省略できます。
>なぜこれで有効座屈長の話ができるのかがピンとこないのです。
結局、圧縮に伴う横変位(曲げ変位)がどのように拘束されるかで、有効座屈長は決まります。それは支点の拘束度とそこからの距離です。また有効座屈長は、両端ピン支持の有効座屈長Lを基本にしています。
両端固定の場合、支点でモーメント反力があり、中央で最大モーメントが出ますが両者の符号は逆向きで、その中間にモーメント0の場所があるはずです。そうするとモーメント0の場所の間だけで考えれば、両端ピン支持と同じです。なので有効座屈長は、L/2になります。
固定-フリーの場合も、上下ひっくり返して「固定端側で」つなげてみれば、同様に納得できると思います。
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