授業で浸透圧を確認するための簡単な実験をして
水に浸してある半透膜を付けた試料容器の上に載せた毛細管内の
グルコース水溶液の時間あたりに減った量について次のグラフを書かされたのですが
(縦軸は減った量[mm]、横軸経過は時間[min]で、右の濃度はグルコース水溶液のです)
グラフは序盤でカクついておりきれいな直線とは行かず
先生はここで何が起きたのか考えてきなさいと言われたのですが
誤差以外になにか理由があるのでしょうか?
本来、一定の浸透圧なら時間と減る量はきれいな比例関係にあるんでしょうか?
調べてはいるのですが何故カクついたかという疑問の解決には至れず(´`;)
あと、もしグルコースでなく電解質でこの実験が行われたらという質問もされたのですが
電解質では電解して小さくなってしまい半透膜の穴を抜けるので
浸透圧があまり発生しない・・・と考えたのですがこんな感じで大丈夫ですかね(^^;?
No.1
- 回答日時:
このグラフをカクついていると見るか見ないのかは個人の感性です。
しかし、かなりの回数の実験をやっている人が見るとまずまずの比例を
表すグラフに見えます。
逆転現象も見られませんし、時間の測定や高さの測定が本当に正しい
ものであったかを証明する必要もあります。
>本来、一定の浸透圧なら時間と減る量はきれいな比例関係にあるんでしょうか?
いえ、比例関係にはないです。
この実験は本来、水の移動がわずかであり浸透圧が大きく変化しないはず
なのに、水の移動がほぼ時間に比例しています。これは膜の浸透速度を
調べているに過ぎません。
>もしグルコースでなく電解質でこの実験が行われたらという質問もされたのですが
>電解質では電解して小さくなってしまい半透膜の穴を抜けるので
>浸透圧があまり発生しない・
電解質とは水中で電離するものです。電離すればイオン粒子の数は増えます。
従って、電解質の場合はモル濃度から予想される浸透圧よりも大きくなります。
ちなみに、ファントホッフはこれを実験的に確かめて電離説の正しさを証明し、
ノーベル化学賞の第1号になりました。
比例してしまっているのは実験としては失敗なんですかね(´`;)?
ファントホッフの式ですか・・・
公式を拝見したところ確かに係数iはi≧0となりそうなので浸透圧は増加しそうですね
ご回答有難うございますm(_ _;)m
No.2
- 回答日時:
浸透圧も、凝固点降下も沸点上昇も気体の状態方程式もすべて同じ形の式になる。
言い換えると、これらはまったく同じ原理原則で起きている。
ここまでは常識なので習得済みとして。
電解質は電離によって量が増えてしまうため、界面に衝突する水の分子数が減る。よって電解質のほうが浸透圧は高くならないとおかしいですね。
浸透圧、凝固点降下、沸点上昇、気体の状態を、なぜそうなるのかを原因・原理から理解しておきましょう。
観測結果はそれで良いと思いますが・・・その程度の誤差はあります。
ただ均一でなかった可能性が誤差を生じている。拡散によって時間と共に本来の線上に戻った。あるいは膜がぬれきっていなかったなど・・。
それは再実験で確認するしかない。
今の段階で正解はない!!!。それが科学(サイエンス)ですよ。もし答が分かっているなら科学者は要らない。
やはり何かしらの要因による誤差なんですかね・・・
基本的なところは何とか理解出来るようにしたいですね^_^;
回答有り難うございましたm(_ _;)m
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
定量的な結果を得るような浸透圧の実験はむつかしいです。
こういう実験では無理だと思います。簡易型の装置でわかることは「浸透圧現象が起こっていることを液面の上昇で知ることができる」ということだけです。定量的に意味のある結果を得ることはできません。ファントホッフの式に対応させることは無理です。
※
>グルコース水溶液の時間あたりに減った量について次のグラフを書かされたのですが
「液量が減る」というのはどういうことでしょう。水が浸透してきてグルコース溶液の液面が上昇するのであれば「増加」になると思いますが。
グラフに添えられている濃度を見てみると1mol/L前後の値になっています。濃度が高すぎます。1000倍以上濃いです。
簡単な計算をしてみます。
Π=CRT・・・ファントホッフの式
c=1mol/L、T=300Kとしてπの値を求めてみてください。
気体の状態方程式PV=nRTから推測してもいいです。
Πの値は25気圧程度になりますね。
1気圧で水柱の高さは約10mです。
使われた装置のパイプの高さはいくら位でしたか。10cmとか20cm程度ではありませんでしたか。
半透膜にはどういうものを使っていますか。セロハンを輪ゴムで止めるというような装置が教材として市販されていますが、そういうものではありませんでしたか。普通の高校に特別な装置があるとは思えませんのでこういうものに類似のものではなかったでしょうか。
セロハンだと砂糖水でもかなり通ります。輪ゴムでは気密性が不足します。1気圧に耐えれるようなシールというのはかなりの装置が必要なのです。
濃い溶液を使ったのは時間変化を測定したいからですね。
濃度の違いが大きいと拡散が早く起こります(・・・この実験はこれを調べているだけです)。
浸透圧現象は濃度差が原因で生じる拡散、混合によるものです。半透膜を用いることで拡散、混合の起こる方向を1つに制限しています。拡散や混合が起こっている場面というのは平衡状態ではありません。非平衡状態での変化ですからややこしいことが起こっています。濃度の均一性も保証されていません。
ファントホッフの式や気体の状態方程式のような熱力学的な関係式はすべて平衡状態を記述しているものです。したがって実験と対応させるのであれば十分に時間がったってから実現する状態になります。数十cm程度の高さを想定した装置を使っているのであれば初めから平衡状態まではいかないだろうという前提になっています。
>本来、一定の浸透圧なら時間と減る量はきれいな比例関係にあるんでしょうか?
濃度が変化するのですから浸透圧は一定ではありません。
ただ浸透速度(拡散速度)が濃度差に比例するだろうということは言えそうです。浸透が進めば濃度差が小さくなります。浸透速度が徐々に小さくなっていくはずです。お示しの座標系であれば徐々に寝てくるはずです。折れ曲がりが起こったのは液漏れが起こったからではないでしょうか。液面の上昇速度が急に小さくなっています。
※浸透圧の生じる原因を蒸気圧の違いによる吸い上げ効果だとしている説があります。日本化学会の会長だった田丸健二氏はこの説をあちこちに書いています(ブログに書いてあった文章は削除されたようです。でも「高校化学の教え方」という本の中に書かれているのはそのままです。この考え方はフェルミの「熱力学」の中にも出てきますのでかなり広まっている可能性があります)。常温での蒸気圧の違いは1気圧以下であることは明らかですからこの説が誤りであることがわかります。ファントホッフの現象論との突合せをやればおかしいということがわかるはずなんですが、やられていません。単なる思い付きをそのまま本に書いているようです。
すみません、分担しての作業で
私自身はデータだけ受け取ってグラフを書くという
役割でしたので高さのデータが初期の位置から減少していたので
水面が下がったと勘違いしてましたが
色々調べてみたところ上昇するみたいですね(汗)
毛細管は20cm程度でしたね
器具はどういったものか分かりかねるのですが
タッパーのようなもので水に浸されていた半透膜を
キツめのゴムバンドのようなもので抑えたといった感じでした
やはり実験中に気づかずに液漏れなどしたんでしょうかね・・・
気体の状態方程式などが平衡状態というのは知りませんでした
だからとんでもない数値になってしまったのかな(^^;
誤った説が広がっているというのもあるんですね
何を信じれば良いのか(^_^;)
ご丁寧に有り難うございましたm(_ _)m
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