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No.1
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「氷魚と僧」は 宇治拾遺物語・巻5・「ある僧、人のもとにて氷魚盗み食ひたること」のことでしょうか。
以下に全文を挙げて各用言の働きをまとめておきます。01 これもいまはむかし、ある僧、ひとのもとへいきけり。
02 さけなどすすめけるに、ひをはじめていできたりければ、
03 あるじめづらしくおもひて、もてなしけり。
04 あるじようのことありて、うちへいりて、またいでたりけるに、
05 このひをの、ことのほかにすくなくなりたりければ、
06 あるじいかにとおもへども、いふべきやうもなかりければ、
07 ものがたりしゐたりけるほどに、
08 この僧のはなより、ひをのひとつふといでたりければ、
09 あるじあやしうおぼえて、
10 その御はなより、ひをのいでたるは、いかなることにかといひければ、
11 とりもあへず、このころのひをは、めはなよりふりさふらふなるぞといひければ、
12 ひとみな、はとわらひけり。
動詞終止形、「べし」で承ける。
06 いふ-べきやうも
動詞連体形、「なり」で承ける。
11 ふりさふらふ-なるぞと
動詞已然形、「ども」で承ける。
06 おもへ-ども
動詞未然形、「ず」で承ける。
11 とりもあへ-ず
動詞連用形、複合動詞の前部要素。
07 し-ゐたりけるほどに、
02 いで-きたりければ
11 ふり-さふらふなるぞと、
同上、係助詞「も」が挿入される。
11 とり-もあへず
動詞連用形、「けり」で承ける。
01 いき-けり
03 もてなし-けり。
12 わらひ-けり。
02 すすめ-けるに
10 いひ-ければ、
11 いひ-ければ、
02 いできたり-ければ
動詞連用形、「たり」で承ける。
10 いで-たるは
07 しゐ-たりけるほどに、
04 いで-たりけるに、
08 いで-たりければ、
05 なり-たりければ、
動詞連用形、「て」で承ける。
03 おもひ-て
04 あり-て
04 いり-て、
09 おぼえ-て、
形容詞、連用形、副詞的用法
05 すくなく-なりたりければ、
03 めづらしく-おもひて
09 あやしう-おぼえて、
形容詞、連用形、「けり」で承ける
06 なかり-ければ、
06 いふ-べきやうも 動詞四段活用 終止形
11 ふりさふらふ-なるぞと 連体形
06 おもへ-ども 已然形
11 ふり-さふらふなるぞと、 以下連用形
11 とり-もあへず
01 いき-けり
03 もてなし-けり。
12 わらひ-けり。
10 いひ-ければ、
11 いひ-ければ、
02 いできたり-ければ
05 なり-たりければ、
03 おもひ-て
04 あり-て
04 いり-て、
11 とりもあへ-ず 動詞下二段活用未然形
02 いで-きたりければ 以下連用形
02 すすめ-けるに
10 いで-たるは
04 いで-たりけるに、
08 いで-たりければ、
09 おぼえ-て、
07 しゐ-たりけるほどに動詞上一段活用連用形
07 し-ゐたりけるほどに 動詞サ変活用連用形
05 すくなく-なりたりければ 形容詞ク活用連用形
06 なかり-ければ
03 めづらしく-おもひて 形容詞シク活用連用形
09 あやしう-おぼえて
基本形は終止形です。
「にくきもの」といえば、枕草子の「にくきもの」の段だと思いますが、以下のように長文なので、「大至急」への安全な回答は無理のようです。
にくきもの。いそぐことあるをりにきて、ながごとするまらうど。あなづりやすきひとならば、のちにとても、やりつべけれど、さすがにこころはづかしきひと、いとにくく、むつかし。すずりにかみのいりて、すられたる。また、すみのなかに、いしのきしきしときしみなりたる。にはかにわづらふひとのあるに、験者もとむるに、霊るところになくて、ほかにたづねてありくほど、いとまちとほにひさしに、からうじてまちつけて、よろこびながら加持せさするに、このころもののけにあづかりて困(こう)じにけるにや、ゐるままにすなはち、ねぶりこゑなる、いとにくし。なでふことなきひとの、ゑがちにて、ものいたういひたる。ひをけのひ、すびつなどに、てのうらうちかへしうちかへし、おしのべなどして、あぶりをるもの。いつか、わかやかなるひとなど、さはしたりし。おいばみたるものこそ、ひをけのはたにあしをさへもたげて、ものいふままにおしすりなどはすらめ。さやうのものは、ひとのもとにきて、ゐむとするところを、まづあふぎして、こなたかなたあふぎちらして、ちりはきすて、ゐもさだまらずひろめきて、かのぎぬのまへまきいれてもゐるべし。かかることは、いふかひなきもののきはにやとおもへど、すこしよろしきものの、式部の大夫などいひしが、せしなり。また、さけのみて、あめき、くちをさぐり、ひげあるものはそれをなで、さかづきことひとにとらするほどのけしき、にみじうにくしとみゆ。またのめといふなるべし、みぶるひをし、かしらふり、くちわきをさへひきたれて、わらはべの、こうとのにまゐりてなどうたふやうにする。それはしも、まことによきひとのしたまひしをみしかば、こころづきなしとおもふなり。ものうらやみし、みのうへなげき、ひとのうへいひ、つゆばかりのこともゆかしがり、きかまほしうして、いひしらせぬをば、怨じそしり、またわづかにききえたることをば、わがもとよりしりたることのやうに、ことひとにもかたりしらぶるも、いとにくし。ものきかむとおもふほどになくちご。からすの、あつまりてとびちがひ、さめきなきたる。しのびてくるひと、みしりてほゆるいぬ。あながちなるところにかくしふせたるひとの、いびきしたる。また、しのびくるところに、長烏帽子して、さすがにひとにみえじとまどひいるほどに、ものにつきさはりて、そよろといはせたる。伊予簾などかけたるに、うちかづきて、さらさらとならしたるも、いとにくし帽額の簾は、まして、こはしのうちおかるるおと、いとしるし、それも、やをらひきあげているは、さらにならず。やりどを、あらくたてあくるも、いとあやし。すこしもたぐるやうにしてあくるは、なりやはする。あしうあくれば、障子なども、こほめかしうこほめくこそしるけれ。ねぶたしとおもひてふしたるにふしたるに、かのほそごゑにわびしげになのりて、かほのほどにとびありく。はかぜさへ、そのみのほどにあるこそ、いとにくけれ。みしめくくるまにのりてありくもの。みみもきかふにやあらむと、いとにくし。わがのりたるは、そのくるまのふしさへにくし。また、物語するに、さしいでて、我ひとりさいまくるもの。すべてさしいでは、わらはもおとなもいとにくし。あからさくにきたるこども・わらはべをみいれて、らうたがりて、をかしきものとらせなどするに、ならひて、つねにきつつゐいりて、調度うちちらしぬる、いとにくし。いへにてもみやづかへところにても、あはでありなむとおもふひとのきたるに、そらねをしたるを、わがもとにあるもの、おこしによりきて、いぎたなしとおもひがほにひきゆるがしたる、いとにくし。今まゐりの、さしこえて、ものしりがほにをしへやうなることをいひ、うしろみたる、いとにくし。わがしるひとにてあるひとの、はやうみしをむなのこと、ほめいひいでなどするも、ほどへたることなれど、なほにくし。まして、さしあたれたらむこそ、おもひやらるれ。されど、なかなか、さしもあらぬなどありかし。はなひて誦文する。おほかたひとのいへのをとこ主ならでは、たかくはなひたる、いとにくし。のみもいとにくし。きぬのしたにをどりありきて、もたぐるやうにする。いぬの、もろごゑにながながとなきあげたる、まがまがしくさへにくし。あけてでているところ、たてぬひと、いとにくし。
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