2024年のうちにやっておきたいこと、ここで宣言しませんか?

円柱を角度θの傾斜面に置くと、
ただ転がるときと、転がりながら滑るときがあるそうなのですが、
その判別はどの様に計算することで求められるのでしょうか?
またどのような値(質量m、静止摩擦係数μなど)が必要になるのでしょうか?

よろしくお願いいたします。

A 回答 (3件)

転がり摩擦は、条件がそろっている場合以外は、必ずわずかに滑っています。

そうでなければ「転がり摩擦係数」というものは発生しません。
条件がそろっているというのは、接触面に働く、面に平行な方向の力が、0となる場合です。

しかし、質問は、このようなわずかな滑りでなく「目に見えて滑っている」かについてのことだと思います。
この問題は、四角いブロックの滑りのように、斜面に垂直・平行方向の力を比べたのではだめで、円柱の回転についての慣性力=慣性モーメントを考えなければなりません。。
(細かい話ですが、最初の回答の「斜面に水平な方向」というのも間違いです。「水平」は水面の向きのことで、斜面と無関係に常に同じ方向になります。ここは「斜面に平行な方向」と書かなければいけません。)

斜面に置いた円柱は、重力加速度をgとすると、A=g*Cosθ の加速度で加速しようとします。
円柱が滑らずに加速できた場合は、円柱を半径rとすると、回転の加速度=角加速度α=A/r です。

一方、回転させるために必要な力のモーメントは M=α/J 、ここでJ=慣性モーメント=m*r^2/4
これを接触面の力に直すと F=M/r=α/(r*J)

このFが、面の摩擦力 w=μ*m*g*Sinθ より大きければ滑りながら回転、小さければ滑らずに回転することになります。
μは摩擦係数ですが、動摩擦係数なのか静止摩擦係数なのか、私は知りません。最初に書いたように、常に滑っていることから動摩擦係数のような気がしますが。
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 完璧な回答をNo.1さんが書かれているので、ちょっと直感的なことだけを補足します。



 角度θが小さい傾斜面では、円柱の重さはしっかりと斜面に乗っかるので、摩擦力がきっちり働いて滑らずに回転して転がり落ちるでしょう。

 角度θが90°、つまり鉛直になれば、円柱はストンと下に落ちるでしょう。このとき、円柱の重さは斜面には全くかからないので、摩擦力は働かずに、円柱は滑り落ちることになります。(角度θが90°のときでも、「円柱表面も斜面も滑らか」であれば摩擦力はゼロですので回転しませんが、日常経験的には、円柱と斜面が接触していると「引っかかり」で回転しそうです。でも、90°よりほんのわずか大きい場合を考えれば、「回転せずにストンと落ちる」ことに納得できるでしょう。)

 また、円柱ではなく、直方体のような物体を傾斜面に載せることを考えると、角度θが小さい傾斜面では、摩擦力のため物体は滑らすに留まっていますが、角度θを大きくしていくと、ある角度以上で滑り出すことも理解されるでしょう。角度θが90°未満では摩擦力が働きますが、90°で摩擦力がゼロになり、直方体は真下に落下します。

 つまり、
(1)角度θが小さい傾斜面では、円柱は回転して落ちる。
(2)角度θがある角度より大きく90°未満の範囲の傾斜面では、円柱は転がりながら滑って落ちる。
(3)角度θが90°以上では、円柱は回転せずに直下に落ちる。
という状態となることが理解できると思います。

 あとは、この(2)の「ある角度」を、No.1さんのようにして求めればよいわけです。
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円柱を斜面に置いたとき、斜面には円柱の重力 mg が働きます。


円柱も、斜面から反対の力 mg を受けます。
この力を斜面に垂直な方向と水平な方向に分解すると、垂直方向が N=mgcosθ、水平方向が F=mgsinθ になります。

斜面の傾斜θが小さいときや、静止摩擦係数μが大きいときは、円柱は斜面を滑らずに転がります。
そして、円柱を斜面に置いた状態、或は円柱が斜面を滑らずに転がっている状態で、θを徐々に大きくしていくと、円柱が斜面を滑りつつ転がり出します。
滑り出す瞬間の水平方向の力は、μN=F となっています。

μN<F となると、円柱が斜面を滑りつつ転がります。
これは、μmgcosθ<mgsinθ より、μ<tanθ のときです。
逆に、μ>tanθ のときは、円柱が斜面を滑らずに転がります。

以上から、円柱が斜面を滑るかどうかは、静止摩擦係数μと斜面の傾斜θのみによって決まることが分かります。
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