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滑らかな傾角30度の三角柱の最下点に質量mのPが置かれている。三角柱を左に加速度αで動かすとき、Pが斜面を登るのはαがいくらより大きいときか。また、垂直抗力NとLの距離を上るのに要する時間tを求めよ。という問題です。 
慣性力を使った解き方で解けるのですが、慣性力を使わす、地面で静止している人から見る解き方が出来ると思ってやってみたのですが、混乱して分からなくなってしまいました。どのように解けばいいのか教えてください。

「滑らかな傾角30度の三角柱の最下点に質量」の質問画像

A 回答 (6件)

地上に固定した座標系で「力と加速度」の関係を記述すれば、



(a) 三角錐に働く力は、
 (a-1) 明記されていないが右から左向きに押す力 F
 (a-2) Pを押す力の反作用 f (摩擦がないので、斜面に垂直の右下向き)
 (a-3) 重力(鉛直下向き)

(b) Pに働く力は
 (b-1) 三角錐から押される力 f(摩擦がないので、斜面に垂直の左上向き)
 (b-2) 重力(鉛直下向き)

これらから運動方程式を作れば

(a) 三角錐と床の間に摩擦がなく、空気の抵抗もなければ、三角錐の運動は「水平方向」だけを考えればよいので、水平方向の加速度を a とすると、質量を M として
 Ma = F - f*sin(30°)
よって
 f = (F - Ma)/sin(30°)

この問題では、結果的にこの f は「一定」で消えるので使いません。
(床と三角錐、三角錐とPの摩擦を考えるようなときには必要になるでしょう)

(b) Pの運動は、まずは水平方向と鉛直方向に分けて
(b-i) 水平方向(右向きを正)
 水平方向の加速度を b1 として
  m*b1 = -f*sin(30°)
(b-ii) 鉛直方向(上向きを正)
 鉛直方向の加速度を b2 として
  m*b2 = f*cos(30°) - mg

これを使って、Pと三角錐の相対加速度を求めると(a が左向きであることに注意して)、三角錐は水平方向にしか運動しないので
(b-ia) 水平方向の相対加速度
 b1 - (-a) = -f*sin(30°)/m + a
(b-iia) 鉛直方向の相対加速度
 b2 - 0 = [f*cos(30°) - mg]/m

(相対加速度を求めるということは、結局慣性力を使うのと同じなのですが)

これらの相対加速度を斜面方向と斜面に垂直な方向に変換すると、
(b-iii) 斜面方向(斜面上方向を正)
 斜面方向の加速度を b3 として
  b3 = (b1 + a)*cos(30°) + b2*sin(30°)
   = [-f*sin(30°)/m + a]*cos(30°) + [f*cos(30°)/m - g]*sin(30°)
(b-iv) 斜面に垂直な方向
 斜面に垂直な方向の加速度を b4 として
  b4 = (b1 + a)*[-sin(30°)] + b2*cos(30°)
   = [f*sin(30°)/m - a]*sin(30°) + [f*cos(30°)/m - g]*cos(30°)

Pが斜面を登るには、b3 > 0 であればよいので
 b3 = [-f*sin(30°)/m + a]*cos(30°) + [f*cos(30°)/m - g]*sin(30°) > 0
→ [-f*sin(30°)/m + a]*cos(30°) > [g - f*cos(30°)/m]*sin(30°)
→ -f*sin(30°)/m + a > [g - f*cos(30°)/m]*sin(30°)/cos(30°)
→ a > [g - f*cos(30°)/m]*sin(30°)/cos(30°) + f*sin(30°)/m
   = g*sin(30°)/cos(30°) - f*sin(30°)/m + f*sin(30°)/m
   = g*sin(30°)/cos(30°)
   = g*tan(30°)

ああ、書いているうちに #1 さんの回答がありましたね。
おそらく、やっていることは #1 さんと同じです。
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この回答へのお礼

丁寧でわかりやすいご回答ありがとうございました。結局、慣性力を使った方が簡単に解けることが分かりました。教えていただいた中で、自分の理解不足からの疑問点がいくつかありますので教えてください。
(1)「三角柱の運動方程式を立てて、(斜面上の物体Pから受ける抗力の反作用) fは一定で消えるので使いません。」とあります。出題がpの動きの問題なので関係がないと思いますが消えるということはどういうことを意味しているのでしょうか。
(2)物体Pの水平方向の加速度をb1として、mb1=ーfsin30°とあるのですが、これは右方向を正とした立式だと思います。一方、三角柱の運動方程式をMa=Fーfsin30°とした時は左方向を正とした立式かと思いました。力の方向の設定は物体ごとに違ってよいということの理解でよろしいのでしょうか。
(3)三角柱から見たPの水平方向と鉛直方向の相対加速度を求め、それを斜面方向と斜面に垂直な方向に変換する手続きが必要であることが分かりましたが、相対加速度にしなければならない理由が理解が足りないのでピンときません。やさしく教えてください。
(4)三角柱から見たPの相対加速度を斜面方向の相対加速度に変換する立式 斜面方向の相対加速度をb3として、b3=(b1+a)cos30°+b2sin30° (b1はpの水平方向の加速度
b2はPの鉛直方向の加速度 aは三角柱の加速度です) この式の(b1+a)cos30° と
b2sin30°の符号の根拠を。また、鉛直方向の相対加速度から変換する立式 斜面に垂直な方向の相対加速度をb4として、b4=(b1+a)×(ーsin30°)+b2cos30°  この式の  ーsin30°とb2cos30°の符号の根拠が今ひとつ自分の中であやふやです。図示すればわかるのかと思いますが、自信がありません。
 要領の得ない質問で恐縮ですが、分かりやすくやさしく教えてください。
相対加速度を使うのは、結局、慣性力を考えるのと同じです、というご指摘が印象的です。ここがすっきりすれば理解が進むと思っているのですが。長々とすみません。

お礼日時:2023/01/14 17:28

No.5 です。

遅くなりましたが「お礼」に書かれたことについて。

>この問題でPの水平方向の相対加速度が
>ーf×sin30°/m+a となり、これを右向きを正として右向きの矢印で作図しました。

はい、それでよいと思います。
明らかに
 ma > f*sin(30°)
(台を押す力の一部が P に加わる)
なので
 -f*sin(30°)/m + a > 0
つまり「右向き」と考えてよいです。


>また、Pの鉛直方向の相対加速度は
>(f×cos30°ーmg)/m となります。これを上向きを正として上向きの矢印で作図しました。このときも上向きに書くのか下向きに書くのか迷いましたが
>上向きにしました。

はい、それでよいと思いますが、「上向きに運動する条件」を今回求めるわけなので、それが「題意を満たす条件」ということになります。

三角錐の加速度α(上の式ではそこから上向きに受ける力ということで f*cos(30°)/m と表している)が小さければ(極端には静止していれば f=0)、摩擦がないのでPは斜面の下に滑り落ちる、つまりは「斜面との相対加速度は下向き」で運動します。このときには
 f*cos(30°) - mg < 0
です。
三角錐の加速度αが一定値よりも大きくなれば
 f*cos(30°) - mg > 0
となり、そのときには「Pの鉛直方向の相対加速度は上向き」になります。


>水平方向と鉛直方向の相対加速度の矢印の向きをどう判断すればよいのか教えてください。

「作図」の方向は、あくまで「そのときの条件」によって「加速度の正負」を確認して方向を決めることになります。
「右、上を正とする」と決めれば「正」なら「右、上」、負なら「左、下」と機械的に決まります。

立式するときに、無意識のうちに「文字は正の値」と思い込みがちですが、「ベクトルと考えて、正の場合も負の場合もある、正負は向きを表す」と考えて立式するのがポイントかと思います。
(そういう時に、この問題のように「左向きの加速度 α (>0)」が与えられたときの処理には気を付けないといけません)
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この回答へのお礼

お忙しいのに手取り足取りご指導いただき感謝でいっぱいです。作図の方針について理解しました。ご指導の中で、こちらの理解不足からひっかかることがあります。
三角柱の加速度aが小さければ、Pは斜面を滑り落ち、f×cos30°ーmg<0となっているから相対速度も下向きになることはわかりました。その中で、(三角柱の加速度が0で)極端には静止していればf=0とあります。
自分の思い込みなのですが、pが三角柱の斜面上にあるならば、三角柱が静止していても、三角柱から受ける抗力fは存在すると考えていました。
この場合、摩擦が0だからという理由で、静止していればf=0となるのでしょうか。物体が斜面をすべる問題ではいつも斜面から受ける抗力を作図していましたので。繰り返し申し訳ありません。私の勘違いを正してください。よろしくお願いいたします。

お礼日時:2023/01/18 16:53

No.2 です。

「お礼」に書かれたことについて。

>(1)「三角柱の運動方程式を立てて、(斜面上の物体Pから受ける抗力の反作用) fは一定で消えるので使いません。」とあります。出題がpの動きの問題なので関係がないと思いますが消えるということはどういうことを意味しているのでしょうか。

斜面方向の相対加速度(#2 の b3)を求めるところで f を含む項が相殺してなくなるということです。

>(2)物体Pの水平方向の加速度をb1として、mb1=ーfsin30°とあるのですが、これは右方向を正とした立式だと思います。一方、三角柱の運動方程式をMa=Fーfsin30°とした時は左方向を正とした立式かと思いました。力の方向の設定は物体ごとに違ってよいということの理解でよろしいのでしょうか。

確かに、三角柱は「左向き」を正とした運動方程式です。
問題で「三角柱を左に加速度αで動かすとき」として与えられているので、それに従っています。

加速度に方向があるため、#2 では相対加速度を求めるときに

「(b-ia) 水平方向の相対加速度
 b1 - (-a) = ~」

としています。

加速度は「ベクトル」として扱いますので、「文字の表す値が正か負か」で方向が決まります。
立式のときに、それが矛盾なく整合性が取れていれば問題はありません。

>(3)三角柱から見たPの水平方向と鉛直方向の相対加速度を求め、それを斜面方向と斜面に垂直な方向に変換する手続きが必要であることが分かりましたが、相対加速度にしなければならない理由が理解が足りないのでピンときません。やさしく教えてください。

相対加速度にしないと「斜面に沿った方向の加速度」にできないからです。
地上の座標系から見たら、「Pの斜面に沿ったの運動(加速度、速度、変位)」の記述はかなり面倒なものになります。

>(4)三角柱から見たPの相対加速度を斜面方向の相対加速度に変換する立式 斜面方向の相対加速度をb3として、b3=(b1+a)cos30°+b2sin30° (b1はpの水平方向の加速度
b2はPの鉛直方向の加速度 aは三角柱の加速度です) この式の(b1+a)cos30° と
b2sin30°の符号の根拠を。また、鉛直方向の相対加速度から変換する立式 斜面に垂直な方向の相対加速度をb4として、b4=(b1+a)×(ーsin30°)+b2cos30°  この式の  ーsin30°とb2cos30°の符号の根拠が今ひとつ自分の中であやふやです。図示すればわかるのかと思いますが、自信がありません。

きちんと図を書いてご自分で確認してください。
水平右向きの「正」の加速度を、「斜面に垂直な加速度」に変換したら「負」になることは分かりますか? 図を書けば一目瞭然ですが。
「座標軸の回転」(この場合には半時計方向に 30° 回転)に相当します。
こんな感じ。

https://mathwords.net/heimenkaiten
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この回答へのお礼

呑み込みのよくない者に丁寧で分かりやすいご説明をしてくださり心より感謝いたします。恐縮ですがもう少し教えてください。この問題でPの水平方向の相対加速度が        ーf×sin30°/m+a となり、これを右向きを正として右向きの矢印で作図しました。判断の根拠はPが右方向に運動するからだとしたのですがそれでよいのでしょうか。ーf×sin30°/m+a を見ただけでは、これがどちらの向きにするのか迷ったので。また、Pの鉛直方向の相対加速度は
(f×cos30°ーmg)/m となります。これを上向きを正として上向きの矢印で作図しました。このときも上向きに書くのか下向きに書くのか迷いましたが
上向きにしました。前回のお礼で質問したことですが、水平方向の相対加速度を右向きにしたことで、ーsin30°の符号の理由が作図してわかりました。
たいしたことないところでいつも躓いてしまいます。いつも親切、丁寧にわかりかすく教えていただいてありがとうございます。水平方向と鉛直方向の相対加速度の矢印の向きをどう判断すればよいのか教えてください。何度もすみません。

お礼日時:2023/01/15 12:40

Pの地上に対する加速度ベクトル


=三角柱の加速度ベクトル+Pの三角柱に対する加速度ベクトル
に注意する。
Pは静止状態から斜面を登るから
Pの三角柱に対する加速度ベクトルは斜面に沿って上向きで大きさをα’
とするとPの地上に対する運動方程式は
m(Pの地上に対する加速度ベクトル)
=Pの鉛直下向きの重力mg+Pにはたらく斜面からの垂直抗力N
であって、これはさらに

m(三角柱の加速度ベクトル+Pの三角柱に対する加速度ベクトル)
=Pの鉛直下向きの重力mg+Pにはたらく斜面からの垂直抗力N

となるが、これを斜面に沿って上向き成分とそれに対して垂直成分の
方程式に直すと、三角柱の加速度は左向きで大きさαだから
上の運動方程式の斜面上向き成分表示は
m(α’-αcos30°)=-mgsin30° これから
α’=αcos30°-gsin30° になる
これは慣性力を使っても同じ結果です。

また斜面と垂直方向の成分方程式は
mαsin30°=N-mgcos30°、これから
N=mαsin30°+mgcos30°

これも慣性力の方法と一致しますよね?
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この回答へのお礼

ベクトルの考え方での解法が勉強不足で今ひとつ飲み込めません。勉強します。

お礼日時:2023/01/14 18:02

>y' = cosθ・x' だから


>d^2y'/dt^2 = cosθ・d^2x'/dt^2

修正
y' = sinθ・x' だから
d^2y'/dt^2 = sinθ・d^2x'/dt^2

申し訳ない。
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この回答へのお礼

ありがとうございます

お礼日時:2023/01/14 18:00

坂が静止している座標系でのPの位置を (x', y') (Pの初期位置基準)


静止座標系でのPの位置を(x. y) とすると

x = x' - (1/2)αt^2 + x0
y = y' + y0

md^2x/dt^2 = md^2x'/dt^2 - mα = - Nsinθ
md^2y/dt^2 = md^2y'/dt^2 = Ncosθ - mg
Nは垂直抗力。Nの向きは坂が静止している場合と
同じであることに注意。

y' = cosθ・x' だから
d^2y'/dt^2 = cosθ・d^2x'/dt^2

で解いて N を出す。

結局慣性力で解くのとおんなじなんだけど(^^;
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。坂が静止している座標系とか静止座標系とかの理解が浅いのでよく飲み込めなくで申し訳ありません。微分を使っているのでしょうか。これからこうした解き方も勉強していきます。

お礼日時:2023/01/14 17:59

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