実験で求めたオゾンの分解の反応速度式は、オゾンについて二次であり、酸素分子について逆向きに一次である。
2O3(g)→3O2(g)
(反応速度)=Δ[O3]/Δt=k[O3]^2/[O2]
つぎの機構が実験で求めた反応速度式に適合することを示し、実験で求めた速度定数を反応素過程の速度定数と関連づけよ。
O3(g)k1⇄k-1O2(g)+O(g) 速い、可逆
O(g)+O3(g)k2→2O2(g) 遅い、律速
2O3(g)→3O2(g) 全反応
この問題を解くときに、解を見たのですが、「律速段階の反応速度式は(反応速度)=k[O][O3]であり、この反応の化学量論からオゾンの消費の全反応速度は、律速段階の反応速度の2倍になる。」とあって、以下のような式が続くのですが、どうして2k2になるのかがわかりません。
(反応速度)=-Δ[O3]/Δt=2k2[O][O3]
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
2段階目の反応が律速、ということはつまり、
1段階目の反応が2段階目の反応よりも速いということを意味します。
極端な話、1段階目の反応は、2段階目の反応より例えば1億倍くらい速いとイメージしてください。
さて、このオゾンの分解反応は可逆反応であり、
O3 ⇄ O2 + O
の反応は速やかに平衡に達し、[O3]と[O2][O]の比は一定になります。
『O3は消費されるし、O2は増えていくじゃないか』とお思いかもしれませんが、
1段階目の可逆反応は2段階目よりも遥かに速いので、
2段階目の反応の時間スケールで見ると、1段階目の反応は十分速やかに平衡に達するといえます。
とはいえ、完全な平衡に達している(濃度の増減が完全に止まっている)わけではないので、
これから『見かけの反応速度』というものを考えます。
1段階目の平衡状態にある中から、2段階目の反応が1回だけ起こって、
酸素ラジカルOとオゾンO3から酸素分子O2が2分子生じたとします。
すると、1段階目の平衡の状態から分子数に変動が生じるため、
平衡が少しずれてオゾンから酸素分子とラジカルが生じます。
この『反応1回分の変動』を埋めるために起こる反応はせいぜい『見かけで』反応1回分です。
実際には反応速度が速いので(先ほどの反応速度1億倍の例で言うと)1億分子くらい
反応しているのですが、逆反応も9999万9999回くらい起こっていて、
その差分の1回分だけが『見かけの反応速度』として観測されます。
つまり、2段階目の反応が1分子進行すると、1段階目の反応も(見かけ上)1分子進行するわけです。
そのため、1段階目の反応は非常に反応速度が大きいのに、
(見かけ上は)遅い2段階目の反応と同じ速度で反応する
という現象が発生します。
これが『律速段階』という言葉の由来です。(遅い段階の速度が反応全体の速さを律する)
ここで、1段階目の反応も2段階目の反応も共に
『オゾンを1分子消費する反応である』という点に着目しましょう。
1段階目の(見かけの)反応速度は2段階目が同じ速さで進行するので、
(1段階目の(見かけの)反応速度) = (2段階目の反応速度) = k2[O][O3}
そして、オゾンは1段階目の反応でも2段階目の反応でも1分子ずつ消費されるので、
オゾンの減少速度-Δ[O3]/Δtは、
-Δ[O3]/Δt = 2k2[O][O3]
となります。
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