
添付図は、「半導体」について書かれた本に載っていた一文です。
「温度が上がると抵抗は下がる・・・①」と書かれています。
一方、他の本(高校物理の参考書)には、
「温度が上がると抵抗は上がる・・・②」と書かれています。
①は半導体について書かれたもので、②は恐らく一般的な導体について書かれたもとの思われます。
「半導体は、温度が上がると電子や正孔の数が増え抵抗が上がるのか。ふむふむ。」
「でも、前に読んだ本に、温度が上がると抵抗が上がるって書いてあったな・・・読み返してみよう。そうか!原子や分子の振動が活発になり自由電子の移動が妨げられるんだったか。」
「待てよ。当然、半導体も分子や原子から出来てるから同じ現象が起こるはず・・・。あれ①と②は相反する事が書かれてるぞ?!これはどう捉えていけばいいのだろう(・・?」
といった状況です。
誰か納得のいくような言葉を下さい。よろしくお願いします。

No.3ベストアンサー
- 回答日時:
導電率(σ)は、電荷担体の密度(n)と移動度(μ)の両方に比例します。
ちなみに、電流密度(J)は導電率(σ)と電界強度(E = V/L)の積(J = ρ E)。
ρ= q n(T) μ(T)
移動度(μ)は抵抗(R)に反比例してます。そして、抵抗の温度特性はあなたの考えで正しいです。
問題は電荷担体の密度(n)で、これは金属では温度によらず一定です。
原子あたり基本的に1ヶ、場合によっては2〜3ヶの電子が金属原子から離れて、自由に移動することが出来ます。
ところが、半導体は、純粋な状態ではほとんど自由な電子が居ません。純粋なシリコンの比抵抗は室温では数百MΩcmです。これは1cm角のサイコロの対面の抵抗が数百MΩということですので、立派な絶縁体です。
ところが、温度が高くなると指数関数的に増加します。数百℃になると金属と似たような自由な電子の密度となります。
あるいは、例えばリンとヒ素とかの原子を溶かし込むと、入れた分だけ自由な電子が生じます(これがn形半導体)。
また、ホウ素とかガリウム原子を溶かし込むと、入れた分だけ電子と電荷の正負が違うだけの正孔が生じます(p形半導体)。
n形やp形半導体の電荷担体の密度(n)は、自由な半導体ほど急激な温度変化はしませんが、それでも(室温から200℃頃までは)緩やかに増えます。
(その程度以上になると、純粋半導体と同じ特性になります)
結局、金属と半導体の抵抗の温度特性の違いは、電流を運ぶ電荷担体の量の変化量が主な原因になっているのです。
No.4
- 回答日時:
①導体の性質
・温度が上昇すると抵抗が大きくなる。
②半導体の性質
・温度が上昇すると抵抗が小さくなる。
これが導体と半導体の大きな違い。もちろん抵抗も違います。
>あれ①と②は相反する事が書かれてるぞ?!
どこが矛盾するのですか???。
No.2
- 回答日時:
尤もですが、あなたの判断で正しいのです。
それは半導体と導体の電子や空孔の存在状態が全く違うからです。導体で最も簡単な金属の場合電子はフェルミ・ディラック統計に従って、
フェルミレベルという電位までビッチリ詰まっています。ここに少しでも電位を掛けると、
最上部のフェルミレベルの電子が一斉に動きます、もちろん出て行かせたらそれでおしまいです。
ですが送電線で分る様に電子か空孔かを注ぎ込んでやれば、押せ押せになりその伝達はほぼ
光の速度です。つまりこれ以上速くなることはあり得ず、熱による擾乱を掛けたりしたら、
前提となるフェルミレベルが本来の形で無くなり、全電子はぶつ切れになります。
一方半導体の電子と空孔は、何らかの外的刺激によって伝導帯と呼ばれるレベルに叩き上げられ
ないとそもそもから電導が起きません、外的刺激は、熱、光、温度、電場そしてこれらの組み合わせ
つまり外的なエネルギーです。半導体はそもそも電流を担う電子や空孔が非常に少ないのです。
だから半導体という名前が付いています、温度が上がれば原子は激しく振動・回転しその周囲
の電子はより少ないエネルギーで導電体に上がることが可能になります。
なお私は電気化学屋で金属のフェルミレベルは良く知っていますが、半導体の導電体については
余り詳しくありません、半導体の理論の方が面倒でからです。
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