
内半径a[m]、外半径b[m]の同心導体球殻の間に抵抗率ρ[Ωm]の物質を満たし、外球を接地し、内球に電圧V[V]を加えたとき、両球殻間の抵抗R[Ω]と球状抵抗体に流れる全電流I[A]を求めよ。(問題の画像を添付してあります。)
という問題がありました。
授業では、「R=ρ*l/S」(l:長さ、S:断面積)という式を習いましたが、今回は球の問題なのでこの式が適用できるかどうか分かりません。この場合、lの値は2bでいいのでしょうか?
また、断面積は「(b^2)*π-(a^2)*π」でいいのでしょうか?
回答よろしくお願いします。

No.2ベストアンサー
- 回答日時:
こんにちは。
まず、はじめに・・・
>>>断面積は「(b^2)*π-(a^2)*π」でいいのでしょうか?
よいです。
小学生の算数の計算問題です。
しかし、抵抗値の問題の場合、断面積を求めても意味がないですよ。
なぜならば、
断面積は縦が大きくなっても横が大きくなっても増えますが、
抵抗値は、長さが増えれば増えますが、太さが大きくなると減るからです。
>>>授業では、「R=ρ*l/S」(l:長さ、S:断面積)という式を習いましたが、今回は球の問題なのでこの式が適用できるかどうか分かりません。
もちろん、その式が基本です。
ただし、あくまでもSは半径方向の距離の関数になることに注意してください。
つまり、aからbに向かうにしたがってだんだん抵抗値が小さくなる円盤同士の合成抵抗(直列つなぎ)として考えなくてはいけませんん。
この点で、No.1様は、
「dr が非常に小さければ、どちらの球面も同じ表面積 S = 4*π*r をもっているとみなせます。」
とおっしゃっていますが、それではまずいです。
さて、本題。
h: 高さ方向または半径方向の座標
S: 底面積
と置きます。
抵抗率ρ、長さD、断面積Sの抵抗の抵抗値Rは、
R = ρD/S ← R=ρ*l/S のことです。
微小長さdhでは、
dR = ρdh/S
<円柱>
厚さdh、底面積Sの円柱の抵抗値は、
ρdh/S
(Sは定数)
<円錐>
高さb、底面積Aの円錐を、厚さdhの非常に薄い円盤の集まりだと考えて、
円錐の頂点から下にhだけ下りた部分の円盤の面積sは、
s = Sh^2/b^2
(sはhの二次関数)
<円錐台の抵抗>
円錐のてっぺんからaだけ下がった位置で水平にちょん切ったときの下側部分(円錐台)の抵抗は、
∫[h=a→b]dR = ∫[h=a→b]ρdh/s
= ∫[h=a→b]ρdh/(Sh^2/b^2)
= ρb^2/S∫[h=a→b]dh/h^2
= ρb^2/S・[-1/h][h=a→b]
= ρb^2/S・[(-1/b)-(1/a)]
= ρb^2/S・(1/a - 1/b)
<球殻の抵抗>
以上のことから、球殻の抵抗値は、
ρb^2/S・(1/a - 1/b)
であることがわかりました。
ここから本当は、微小立体角を考えて、全方向に積分することになるのですが、
単に、Sを球の表面積4πb^2に取り替えるだけで、同じ結果が得られます。
すなわち、
ρb^2/(4πb^2)・(1/a - 1/b)
= ρ(1/a - 1/b)/(4π)
が、球殻の抵抗です。
電流は、
V ÷ ρ(1/a - 1/b)/(4π)
= 4πV/{ρ(1/a - 1/b)}
( = 4πVab/{ρ(b-a)} )
となります。
どっか計算を間違えているかもしれないので、検算してください。
以上、ご参考になりましたら幸いです。
No.3
- 回答日時:
ANo.1では積分計算と電流計算は質問者さんの宿題としたのですが、参考URLの2ページ目の (2)-(ii) にその両方が出ていますのでご参考まで。
ちなみに同じ問題は「詳解 電磁気学演習」(↓)の 「第5章 定常電流 3. 連続導体内の電流」 にある問題 [22] p.171 にも出てますので図書館か書店で確認してもいいでしょう。
http://www.amazon.co.jp/%E8%A9%B3%E8%A7%A3%E9%9B …
ANo.1で記載ミスがありました(2乗をつけ忘れました)。
【誤】dr が非常に小さければ、どちらの球面も同じ表面積 S = 4*π*r をもっているとみなせます
【正】dr が非常に小さければ、どちらの球面も同じ表面積 S = 4*π*r^2 をもっているとみなせます
参考URL:http://berno.tp.chiba-u.jp/lectures.files/Electr …
失礼ですが一つ目の回答とまとめてお礼させていただきます。
inara1様のおかげで解決しました。 わざわざ本の紹介までしてくださって、本当に感謝しています。 回答ありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
R = ρ*L/S は球の場合も円柱の場合も使えますよ。
ただし、L は全体の半径でなく、半径方向の微小長さ dr にします。なぜなら、R = ρ*L/S の式が使えるのは、同じ断面積 S を持つ柱状のものだけだからです。
球の場合、中心から距離 r にある球面(厚さのない球)と、距離 r + dr にある球面とではさまれた領域を考えます。dr が非常に小さければ、どちらの球面も同じ表面積 S = 4*π*r をもっているとみなせます。外側の球面の正確な面積は
4*π*( r + dr )^2 = 4*π*( r^2 + 2*r*dr + dr^2 )
ですが、dr が r に比べて非常に小さければ
r^2 >> r*dr >> dr^2
なので
4*π*( r + dr )^2 ≒ 4*π*r^2
と近似できます。
したがって、dr が非常に小さければ、2つの球面は同じ面積をもっていると考えて構いません。つまり、中心から距離 r にある球面と、距離 r + dr にある球面とではさまれた領域の抵抗は、長さ dr 、面積 4*π*r^2 の柱状の抵抗になるので
その抵抗 = ρ*dr/( 4*π*r^2 )
となります。問題の球殻の抵抗は、上の抵抗を r = a から r = b まで積分したものになります(答えは ρ*( b - a )/( 4*π*a*b ) )。同じ考えで、内半径 a、外半径 b、高さ L の同心円柱の抵抗も計算できます(答えは ρ*log( b/a )/( 2*π*L ) )。
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