No.4ベストアンサー
- 回答日時:
「象は 鼻が 長い」について、
日本語の助詞「は」と「が」について理解する必要があります。「は」は話題を提示する、つまり○○についての話です、という具合に話の主題を他から切り離して示す役割を果たします。「が」は主語を示します。象について言えば「鼻(主語)」が長い、という意味合いです。
類似の例ですが、「山は富士山が美しい。」この時は(海でも川でもなく)「山」を話題として特に取り上げた上で、「富士山」を主語とします。
「も」についても同様で、主語を示さず「(昨日も)今日も」と他のものを暗に並列しながら話題を提示するのが役割です。
ご提示の「今日は暑い」については、日本語では主語の省略は頻繁ですが、その良い例と思います。この場合「今日は」は(昨日とは違い今日は)というふうに今日の天気を他と区別して話題にすると、という意味合いになり、強いて言えば「(ほかでもない)今日について言えば、(主語省略)暑い」という構造と言えます。
細かく突っ込むとまだ問題はあるのですが、少なくとも「覆われている」を述語とする点は理解されているのですよね?
それならば、形のない抽象語である「今日」が雲に覆われる、という表現のおかしさにもお気づきと思います。雲に覆われるのは「日本海側」と成るはずです。主述関係が込み入った場合には、余り助詞(やその有無)に捕らわれることなく、まず一文の述語を把握し、そこから主語を特定する方がよいかと思います。
象の話に戻りますが、まず述語は「長い」と特定する。(蛇と違って)象<は>長くはない、長いのは「鼻」。よって主語は「鼻」という辿り方がよいでしょう。
No.6
- 回答日時:
小5への回答としては、「~が~である。
」という形式の文の「~が」となるのが主語と言う定義に基づき、「①今日も ②日本海側だけ ③厚い ④雲に ⑤おおわれている。」では、「日本海側だけ【が】おおわれている。」と【が】を補うことが出来る節を主語としなければなりません。「~は」は主語ではなく、「今日は暑い。」の「今日は」は主語ではありません。「今日が暑い」とは言いません。英語はSVOCという文型が規範化、文法化されていますが、膠着語である日本語にはそのような規範はありません。この欧米屈折語文法の主語という言葉を無批判に取り入れたところに混乱の源があります。
「象は鼻が長い。」の場合、犬やキリン等の他の動物とは異なり「象は」と「象」という特殊性を取り上げ、その象の一部である「鼻」という個別性の認識を「鼻が」と表現し、時枝誠記が云う、入れ子型の認識構造の表現として「象は鼻が」となり、その属性が「長い」と表現されています。このような対象の立体的な認識の表現は、屈折語である英語ではSVOCという文型では表現できず、いわゆる関係代名詞を使いSVOCの文型を壊さない文構造で表現することになります。
このように、元々屈折語文法の用語である主語を膠着語である日本語にそのまま取り入れた所に誤りがありますが、「~が~である。」という文型に限定し、「~が」を主語として運用するしかないのが実情です。これは、「空は青い。」「空も青い。」の「空」は主語ではなく「空が青い。」の「空」は主語であるということで、この点は副助詞「は」と格助詞「が」の相違を明らかにしなければなりませんが、現在の学校文法である橋本文法や日本語教育文法である記述文法では解明できない限界があります。
その根本にはソシュールの構造文法という現在の言語学の限界があり、この点を明らかにしたのは三浦つとむによる言語過程説です。『日本語はどういう言語か』(講談社学術文庫)を参照下さい。■
No.5
- 回答日時:
これは、国文法(学校文法)での問題ですね。
「述語」に注意してください。「おおわれている」のは何ですか。「日本海側だけ」です。これが主語です。「今日は」が「おおわれる」ことはありません。こういう問題は、(国文法での)「文節」の働きの問題が分かる必要があります。
「今日は」→「(連用)修飾文節」(「おおわれている」にかかる)、「日本海側だけ」→「主語文節」、「厚い」→「(連体)修飾文節」(「雲」を修飾する)、「雲に」→「(連用)修飾文節」(「おおわれている」にかかる)、「おおわれている」→「述語文節」。
[「おおわれている」は「おおわれて」と「いる」に分けるのが普通でしょうが、分かりやすいように分けずに起きます。]
これから後の話は、小学校の生徒には話さないでください。混乱させることになりますから。
「象は 鼻が 長い」
これは学校文法では解決出来なかった問題です。一部の学者は「象は」→「総主語」、「鼻が」→「主語」、「長い」→「述語」というように考えたこともありました。この時「三上章」という学者が、「象は」→「主題または題目」、「鼻が」→「主格」、「長い」→「述語」のように考えました。このような考えが発展して「主語不要論」になっていきます。この考え方は「日本語文法」として、「文法論」における新しい流れを作りました。
ただ、現在現在の学校教育では、「橋本進吉」の文法論の流れに沿った、「国文法」(学校文法)を続けています。だから、文法の話をするときは、どちらの立場にたつのか、はっきりさせなければなりません。両方の説を取り入れると話は混乱しますから。
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