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「一家に一仏壇」なんて誰がいつ決めた?専門家に聞いてみた!

「一家に一仏壇」なんて誰がいつ決めた?専門家に聞いてみた!日本の伝統家屋には、必ずと言っていいほど仏間がある。最近では、仏間を間取りに組み入れる家は少なくなっているが、その代わりに仏壇を応接間や客間など、どこに置くか、はたまた仏壇を置く方角と風水など、仏壇にまつわる問題は尽きない。日本の仏教の場合、仏壇にはご本尊たる仏様のほかにも、ご先祖様を祀っている場合も多い。そのため、仏壇は重要な承継祭具であり、簡単に処分することもできない。「教えて!goo」にも「仏壇について」という仏壇の処分についての質問が寄せられている。

■一家に二壇は、アウト?セーフ?


質問は、夫と妻のそれぞれに伝わる仏壇が一つの屋根の下にあるが、これは宗教上問題ないか否かに関するものだ。対して回答は、祀られる仏様の立場から仏壇の競合を良しとしない意見、遺された者たちの立場から菩提寺に相談しながら共存しようとする意見の二つに割れた。

「やはり好ましいとは言えませんね。先祖代々以外の御位牌を同じ敷地内に入れて御供養すると言う事は、仏様同士が喧嘩される事はありませんが、後から入って来られた仏様は居心地が良くないはずです。縁起と言うよりも、御先祖様同士の居心地を優先させて考えるべきではありませんかね」(cactus58さん)

「何事も心が大切です。亡くなった人よりも生きている人を優先すべきだと私も思います。今回はどうでしょうか。縁起などと風習だけに捉われ、奥様のお気持ちは無視しても宜しいのですか」(kannjnyaniさん)

「何事も気の持ちようだと思いますがねえ。私の家は男と女で宗派が違います。(男は法華、女は真言と言ってます)よって、一つの仏壇の中に本尊が二つあり、お墓も男と女で別々です。二つのお寺の住職も、『あまり無い例だけども、全然無いわけじゃあない』と言って認めちゃってます」(akamonさん)

「確かに一家に一つというのが普通なのでしょうけど。そうはいって二つあるわけですし、気をつけるべき点は二つの仏壇に手入れやお供えなどの差をつけない方がよろしいかと思います」(noname#179120さん)

現実問題として、仏壇は引き取り手がいないからと言って、簡単に処分できないことは冒頭に述べたとおりである。だとすれば、ご先祖様の体裁を整えるよりも、仏壇を承継するもの同士で宥和を図るほうが建設的ではないだろうか。もちろんそのために、菩提寺に話を通しておくなど、専門家とのやりとりは欠かせない。

■仏教受容は6世紀半ば、では仏壇受容は?


こんなにも承継が面倒な仏壇ではあるが、そもそも仏壇は仏教には不可欠な道具なのだろうか。ひいては、日本の仏教受容の歴史に、仏壇は本当にセットだったのだろうか。この仏壇の受容に関する問題について、心に残る家族葬を行う葬儀アドバイザーに解説していただいた。

「最初は、白鳳時代に天武天皇が出された詔『諸国の家ごとに仏舎を作り、乃ち仏像及び教典をおきて持って礼拝供養せよ』からです。平安期の文学作品から貴族などは持仏堂を作ったり、一室を仏間として仏を祀っていたりしていたことが見てとれますが、当時の大衆には無理だったでしょう。かなり一般化したのは室町時代、浄土真宗中興の祖、蓮如が『南無阿弥陀仏』と書いた掛け軸を信徒に授け祀るように言ったことからと言われています。当時は書院造が武士階級に好まれ、床の間など飾るスペースが整っていたこともあるのでしょう」

室町時代までは貴族や武士といった支配階級の中で、仏壇の受容が行われていたようである。では、もっと広く庶民一般にまで仏壇が広まるのはいつ頃のことであろうか。

「それは江戸時代だと言われています。幕府は、宗教政策の一環である寺請け制度を始めました。つまり各家々が何らかの寺院を菩提寺とし、その檀家にならなければならないということになりました。そして、その証として仏壇が設けられるようになったのです。当時は庶民の暮らしも安定し、余裕も出てきた頃だったということも一因でしょう。驚くのは位牌が仏壇に祀られるようになったのも江戸時代ということです。位牌とはもともと生きている人の氏名官位などを書き、神にゆだねる『儒教の祭具』として鎌倉時代に入ったものです。それを仏教が取り入れ、先祖供養の仏具として一般に用いられるようになりました。つまり仏壇に位牌が安置され、先祖を供養するのは日本独特のものなのです」

現代の一家に一壇の伝統はどうやら、江戸幕府の宗教政策に起源を持つようだ。以前のコラムで紹介した戒名の普及や、今回最後に触れられた位牌のように、我々の仏教様式の殆どを整えたのは、江戸時代に依るところが多い。私たちが触れる仏教は、純インド的な仏教思想よりも、伝統的な日本の価値観と調和した独特の仏教であることが、この江戸近辺の葬儀史を紐解いてみるとわかるかもしれない。


●専門家プロフィール:心に残る家族葬 葬儀アドバイザー
故人の家族と生前に親しかった方だけで行う家族葬こそが、故人との最後の時間を大切に過ごしたいという方に向いていると考え、従来の葬儀とは一線を画した、追加費用のかからない格安の家族葬を全国で執り行っている。

ライター 樹木悠

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