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電気伝導性について質問です。

「電気伝導性がある」とはどういうことなのですか?

自分は物理専攻の大学2年生で受験の際に化学も使いましたので、それなりに専門的な説明で構いません。

簡単そうな質問なのですが、よくよく考えてみると正しい定義がわかりませんでした。

どなたかわかる方いらっしゃいましたら教えていただけると幸いです。

A 回答 (3件)

電気伝導は、電子とその抜け穴(正孔)による伝導と、イオンによる伝導の2種類がありますが、通常は電子、正孔による伝導を指します。


実際には、電気伝導率は絶縁体から金属、超伝導体に至るまで、材料によって10桁以上変化しますので、ご指摘のように、何をもって「電気伝導性がある」というのかに、明確な定義はないような気がします。「電気抵抗が完全にゼロ」の物質もなければ、「電気抵抗無限大」の物質も現実にはほぼないので、通常の物質には何らかの「電気伝導性」があることになります。

ところで、最も基本的なオームの法則が成り立つ場合、電気伝導率は電荷の密度と易動度の積に比例します(電気伝導率σ=n・e・μ; nがキャリア数、μが易動度、eが素電荷)。
同じ電気伝導率でも、nが大きい場合と、μが大きい場合があり得るわけですが、通常、物質に「電気伝導性がある」という場合には、十分に大きなnであることを指しているような印象を持ちます。もちろん、易動度が高いことも重要なんですが、そもそも「電流を運ぶ電子(正孔)の数が十分ある」ことが、やはり電気伝導の基本ですので。(易動度は、「与えられた電荷が電界によりどれだけ動きやすいか」を示す物理量です。)

最も簡単にnを稼げる電子構造は、なんといっても「金属」で、これは、フェルミエネルギー(習っていますか?)近傍の電子がごっそり伝導に寄与できるため、高い電気伝導率が実現します。(特殊な事例として、電子間の斥力のせいで易動度が極めて小さくなり絶縁体になってしまうケースがあり、これをモット絶縁体と言います)。

一方、半導体や絶縁体は、基底状態(絶対零度で実現する最も安定な状態)では電子波は定在波になっており、電気伝導は起こりません。しかし、有限温度では熱エネルギーをもらうことで、伝搬できる状態となり、電気伝導を担うことができるようになります。(価電子帯から伝導帯に電子が熱励起され、有限のnとなる。)
この場合、バンドギャップ(価電子帯と伝導帯のエネルギー差)が小さいほど熱励起されやすくなるため、同じ温度では高い電気伝導率となります。

一般には、半導体ではバンドギャップが小さく、絶縁体ではバンドギャップが大きいため、絶縁体は半導体よりも電気伝導率が小さくなります。半導体と絶縁体の伝導率の差は、普通は易動度の差ではなく、キャリア濃度の差により生じます。
(ただし、プラスチックなどのアモルファス系の絶縁体は、そもそも「価電子帯」とか「伝導体」のような「バンド描像」が成り立っていないので、少し考え方が異なります。これらは、nもμも極めて小さいのが普通です)

なお、超伝導体の場合は、原理的に電気伝導率が無限大になりますが、アレはどちらかというと「易動度」が無限大になる方です。(簡略化しすぎていますが)。

他にも色々とユニークな「電気伝導体」がありますが、考え方の基本は、σ=n・e・μの式に基づいて、易動度とキャリア密度が電気伝導に寄与すると考えれば良いと思います。
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平たくいえば、電場によって移動可能な荷電粒子(一般には自由電子)が一定以上ある、ということではありませんか?



電場によって荷電粒子は加速し続けますが、「抵抗」(固定原子との衝突、電気的相互作用など)によってある一定の移動速度に整定します。整定速度で決まる「単位時間当たりの電荷の移動量」が「電流」です。

電気伝導率は、「抵抗」の逆数です。
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電気伝導性がある物質を導電体、そうでない物質を絶縁体と呼びます。

一般には伝導率がグラファイト(電気伝導率 10^6S/m)と同等以上のものが導体、10^6S/m以下のものを不導体(絶縁体)、その中間の値をとるものを半導体と分類する。と定義は適当です。
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