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「兼ねたる」の「たる」はここでどういう意味ですか。芥川の詩に出ています:

『薄綿はのばし兼ねたる霜夜かな』

私はこの詩の背景がちゃんとわかりません。

https://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/1129 …

A 回答 (4件)

霜夜ですから、手がかじかんでいるのでしょう。

昔ユニクロや島村なんかが無かった頃は、綿入りの着物は貴重な防寒着でした。冬に入る前に綿の打ち直しということをします。裏地を取り外し中綿を洗浄乾燥の後、再び表地に合わせて衣の形に均等に引き延ばした上、裏地を縫い合わせます。
今年は、高齢の所為か段取りがうまく運ばず霜夜になってしまった。作者にとっては悲哀の感じが寒さ同様身に沁みる光景だったのです。
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か・ねる 【兼】〔他ナ下一〕か・ぬ〔他ナ下二〕



〔一〕
(1)二つ以上を合わせる。合わせ持つ。
(2)主となることのついでに他のことをも合わせおこなう。特に、本務以外に他の仕事も合わせてつとめる。兼任する。
(3)将来の事をも考慮に入れる。予定する。予想する。あらかじめ心配する。
(4)遠慮する。気がねをする。言いかねる。

〔二〕(補助動詞として用いられる。動詞の連用形に付いて)
○(1)…し続けることができない。…しようとしてもできない。
(2)かねない。
     [日本国語大辞典]より
 
 いろいろな意味があるのですね。ご質問の場合は、補助動詞としての用法(1)で、綿を伸ばそうととして、なかなかうまく伸ばし拡げることが出来ないでいる様子です。現代は自分の手でやることはありませんが、大正期や昭和のような昔には、自分の手でやることが多かったようです。「綿入れ」の着物などを縫うために。しかし、慣れないと難しことだったのです。
「たる」は「たり」という完了・存続の助動詞・連体形で「ている」という意味になります。
俳句の「霜夜」という季語が薄ら寒い夜を感じさせますね。「綿入れ」のほしい冬の夜です。
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訂正というか補足を。


(誤)「のばそうと思ってもなかなかうまくいかない/できない」
(正)「のばそうと思ってもなかなかうまくいかない/できない、でいる」
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「たる」は存続の助動詞で「~している」意味です。

ちなみに「兼ねる」は「そうしようと思ってもしにくい」意味で、「のばそうと思ってもなかなかうまくいかない/できない」ということになります。

背景については、以下のベストアンサー以外の回答に触れられています。
https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/questio …
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