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 遺骨鑑定のことがマスコミに報じられています。疑問に思うのは、1000度以上の高熱で焼かれ、ぼろぼろになった骨からミチコンドリアDNAを分析したと言う話です。DNAのような比較的弱い共有結合で結ばれた有機物は400度程度で殆ど分解してしまい、DNAの断片を取り出すことは不可能のように思われます。ましてや、今回北朝鮮から持ち帰った遺骨は1000度以上の高熱で焼かれたと伝えられています。このような高温では、全ての有機物は炭化するか気化して、塩基配列を解読することは無理なようにも思われます? どうして解析が可能だったのでしょうか? 既に類似の質問が出ていると思いますが,新しい視点から分析の専門家にお尋ねします。

A 回答 (4件)

またまた来ましたm(__)m。


人の補足への乱入失礼します。m(__)m
まさに本職なもので。(爆)
>コンタミ・・・仰る内容は真実です。

私達、臨床検査技師は学生時代から、検体の扱い方の特訓を受けて、そういうコンタミを防ぐ為の修行をしています。

それらの手技、方法は分析内容によって全部違います。

例えば微生物を扱う、細菌学の検査では、操作をガスバーナーの火の中で扱うとか、寒天培地を操作時に上向きで蓋を開けないとか、生化学検査では試験管の洗い方まで勉強します。

DNA分析の場合もそういう手技がいくつもあります。
もちろんフケ落下なんてとんでもない話で、他の分析でもそうですが、微量分析では検体を扱う時に頭にビニールキャップをかぶるのが普通です。

ただ、骨なら、表面を触っている時と、ドリルなどで内部を取り出した後の材料では、後者のコンタミの方が致命的な事になりますね。
作業の全ての工程で、資料が直接コンタミを受けやすい状態である時間を極力短くするというテクニックもちゃんとあります。

DNA抽出の試験管の写真をみた事ありますか?
小さな逆三角形のプラスチックなんですが蓋がついてます。

つまりサンプルを入れた後はその蓋を締めて、外気中で露出する事がない様になってます。

しかし、DNAを単離してしまった後は、フケが入っても影響はないです。フケには検出試薬が反応しませんので。

なので、扱いは多少ぞんざいにはなりますが、逆に、器械にセットしてしまえばもう露出する事はありません。

フィンガープリント(DNA指紋)を取ったシート自体はもう触ろうが床に落とそうが全く影響ありません。

もう一つ、どの部分の検体ならコンタミがないか、あるいは少ないかというサンプリング技術もちゃんとあります。

こういう、作業の流れの中で、危険な部分、重要な部分のポイントを抑えてる人がプロなわけでしょう。

単純に分析操作が出来るというだけでは、そういう現場では仕事ができません。
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今回のポイントはミトコンドリアの環状DNAに関連しているみたいです。

この解析をできる専門機関はまだ限られていますが、骨であるということが判別可能な状態では、その内部に抽出できる状態のものが残っている可能性があるということです。

火葬にしても、日本では酸素を加えたり、燃料となるようなガス、重油等を加えながら短時間で確実に高温になる状態にして実施していますので、内部温度は800度は下回らないのですが、それでも遺体を焼却しても骨の奥までは完全に破壊できません。

ある程度温度に対しても抵抗性がある部分を見つけ、そこにドリル等で穴をあけ、洗浄するとDNAが十分にサンプルとして得られると思います。その骨がどこの部位か調べるより簡単かも知れません。

あとは、最近はやりのポリメラ-ゼチェーンリアクション反応等を使用し、数十万倍以上に数回反応させると、少ない検体でも塩基配列が断片的に確定できます。ある程度判れば、1億2千万分の1程度の誤差でその差異を判別できるのがこのポイントみたいです。

報道では1億4千万とか、いろんな数字も出ていますが、計算の基準が違うだけで、検出されているものがあれば、同じ検体からか、まったく違うものかの区別は簡単だと思います。

金属のように均一のものでは細かくしても内部にダメージを与えられても、生体は、骨の周りが焼けても最後に骨の内部が完全に損傷を受けるにはかなりの時間と温度が必要です。当初1100度でも骨が完全に焼却されるまでその温度を保ち続け、しかもその後も数時間も高温状態なら判別不能なことも予想されますが、1時間や2時間では状況によってはDNAが分離できる可能性は十分にあるかも知れません。

あと、骨と判る状態ということは、まだまだ骨の内部は生焼け状態ですので、その骨を割れば一部はDNA情報を保存できています。小さい骨、平たいものは難しくても、厚みのある部位では骨の周囲が空胞状ならよけいに内部には熱が伝わりにくいものです。骨頭部分や焼ける時に火の勢いが弱い部分は特に残ると思います。

ためしに、生木を燃やすと数時間燃やしても内部が完全に炭化するにはかなりの温度と時間が必要ですので、炭を作っても割ると内部はまだ炭に成りきれていないのと似ているかも知れません。現物を見たわけでも鑑別したわけでもないのですが、予想はできます。形が残っているという状態はその内部がまだ情報が残っている可能性があるということだと思います。

参考URL:http://www.nnn.co.jp/tokusyu/kamijiti/kikou/kiko …
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この回答へのお礼

 大変明快なご返答に感謝します。古代人のDNAが未だに損傷を受けずに残存しており、解読可能という事実にも感銘を受けました。
 もう一つ教えて欲しいのですが,極微量ののDNAの断片を増やして(ポリメラーゼでしょうか?)解析するということを耳にしましたが、もしその場合、例えば誰かのフケが一つでも混入すれば間違った分析につながるわけですが、コンタミの可能性はありませんか? 複数の骨片から同じ配列が特定出来ないと最終証明は出来ないように思います。とすると渡された骨はあちこちにDNAが残存していたことになりますが、そう結論してよいのでしょうか?

お礼日時:2004/12/26 00:19

こんにちは。


それでは私の実体験を・・・(笑)

私地震は、病院で長く働いた者で、多少の医学の知識は持ち合わせており、親類の葬儀に2度参列し、骨も拾いました。

火葬後の骨の状態ですが、人により千差万別です。
親類は、山奥の田舎の村ですので、都会のように火葬場の待ち時間なんてのはなくて、火葬場、セレモニーホールをまるまる一日貸切りで使っちゃう程、時間には余裕があります。
なので、火葬時間も都会の火葬場よりはるかに長いです。

でも、私が骨を拾ったお祖父ちゃん(明治産まれ)と叔父さん(昭和一桁)、どちらもしっかりとした骨がまさに骨格標本ばりの状態で、私達医学の心得のある者からは、それぞれの骨の名前まで言い当てられる状態でした。
火葬場の係の人も喉仏の由来についての話のなかで、そんな話もしてくれました。

特にお祖父ちゃんの時は、焼いた後も大腿骨などは、しっかり残っていて骨壷に入らず、ボキっと折って入れたのを覚えてます。

昔の人は、肉体労働が多かったせいか、骨はことのほか頑丈で、おそらく、カルシウム分も緻密になっているのでしょう。

叔父さんもそれに近い状態でしたが、病人、特に長期闘病して無くなった人や糖尿病の人、特に腎臓病の人は骨がボロボロになり、ちょっと焼いただけで本当に粉々になっちゃいます。

このように生活環境で、ずいぶん変わる部分があると思いますが、私のお祖父ちゃんのような例であれば、これなら本当に分析できるよな・・・って実感があります。

なお、アメリカの事例を先に上げましたが、ディスカバリーチャンネルで放送してるテレビの犯罪特集を見たものですが、どちらも半日近くガソリンをかけて焼いて粉々になってた事例です。
どちらの例も、人為的に粉砕されてはおらず、熱で粉々になったようですが、大腿骨はかろうじて形を止めており、奥歯はほぼ見て判る状態だったようです。
番組では分析担当官のインタビューが出てましたが、「まず無理だろうと思った」と述べてます。

それから、「千度以上の炎」ですが、こういう場合、温度の大小よりも経過時間の方が気になります。
というのは、外気温が千数百度でも、先に述べたように、気体の比熱は大変小さいので、与えられる熱量は対して増えないからです。

高温の気体が持つ熱量というのは、比熱×温度差×体積で表されますが、
体積は、直接体と接触してる周辺だけですので、変わらないとすると、室温との差が千度か千数百度かという程度の話で、1200度だとすると、1000度の時の20%程度増えるだけです。
加熱時間に換算すると、1時間なら10分ちょっと増えただけって事になります。
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こんにちは。


私は比較的可能な場合も多いのではないかなと思ってます。

「1000度で焼かれた」=「検体の内部構造の全てが1000度になった」とは限らないからです。
もし、本当に全体が中まで1000度になったのなら、骨の主成分であるヒドロキシアパタイトすら存在せず、全て酸化カルシウムとなってるでしょう。
指で触れば火傷しかねない代物です。(生石灰ですね)

表面はそうなっても固まりの中までそうなっていなければ、そこまで内部温度は上昇していない事を意味します。

1000度を発する炎というのは、身近にいくらでもあります。
生卵のように細胞単体を焼いた場合は、はるかに低い温度のフライパンの上でも黒焦げになり、完全に炭化してしまう事は非常に容易です。
その炭化物をいくら分析してもミトコンドリアDNAさえ検出する事は不可能でしょう。

しかし、固い骨に守られている場合はちょっと状況が違います。

DNA分析でも奥歯の中のような固いエナメル質で厚く覆われた骨の中とか、大腿骨頭のような大きな骨の中ではその中の温度が十分上昇するには、非常に長い時間焼くか、焼いて骨になった物を粉砕して焼かないと、細胞の一つや二つは、分析できる程度には残る事が知られています。

もしかすると酸素がいきわたらない事も関係するかもしれません。

アメリカの科学鑑定(日本の法医学鑑定に当たる物)では、今上げた例での分析成功例が報告されております。
どちらも相当な高温で長時間焼かれた事が判っている事例です。それらは犯人逮捕の直接証拠として使用できる物でした。

身近にはガスの炎の外炎ってのは軽く1000度になるはずですが、手をかざしても一瞬なら焼けどすらしませんね。

これは気体の比熱の小ささによって、温度は高くとも皮膚の細胞を分解する熱量をすぐには与えられないからです。

(1000度の液体に指を漬けたら一瞬で指は黒焦げになるでしょう)

焼損遺体からの各種の検出・分析ではこういう部分も非常に重要な意味を持つようです。

この回答への補足

http://news.goo.ne.jp/news/sankei/shakai/2004120 …
にもありますが、私が腑に落ちないのは『普通の火葬よりもはるかに高温の千数百度の火で焼かれていた』とある点です。最近義母の火葬で骨ひろいをしましたが、ほとんどが灰のようにぼろぼろに焼けており,人体のどの場所の骨かも判別出来ないほどでした。もちろん有機組織は痕跡も見当たりませんでした。日本の伝統の火葬でさえこの有様ですから,更に高温で焼かれたとすると、有機物の残存は不可能のような気がします。奥歯のような骨の外だけ焼けて内部の組織が残存しうる特別な場合は、分析は可能かと思われますが、例えばより温和な日本の火葬で処理された遺骨でDNA分析が本当に可能でしょうか? あくまで実体験に基づいた推論ですので悪しからず。

補足日時:2004/12/25 22:35
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