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一般向け包丁に使われるマルテンサイト系ステンレス鋼ですが、「セメンタイト」は析出していますか?炭素鋼とは違って、完全にオーステナイト化させマルテンサイトだけに変態するように焼き入れすると思っていますが、焼き戻しでセメンタイトまたは、炭化物が析出したりするのでしょうか?

A 回答 (1件)

マルテンサイト系ステンレスを焼入れした場合、焼入れ時の冷却速度が遅い場合、旧オーステナイト粒界にセメンタイトやクロム炭化物が析出する可能性があります。


マルテンサイト系ステンレスの焼戻し温度は、せいぜい200℃弱だと思うので、鋼材内部での原子の拡散は考えなくて良いです。
炭化物が析出する部分が旧オーステナイト粒界なので、焼入れ前の履歴と焼入れ時の冷却速度が不適切によるものです。
焼戻しにより顕在化する可能性はあると思いますが、析出する場所が旧オーステナイト粒界なので、やはり焼入れ時やその前の履歴による要因が大きいでしょうね。
ステンレス鋼の耐食性はクロム酸化物により確保されていますから、旧オーステナイト粒界にクロム炭化物やセメンタイトが析出する事は、耐食性の低下を意味します。

冷却速度が遅いとマルテンサイト変態が遅れてオーステナイト粒界に炭化物が析出するのですが、冷却速度は包丁のような薄いものなら、水焼入れ、油焼入れ、空冷等だけで、条件設定が出来ます。
しかし、大きなセンチ単位やメートルに及ぶような大きな部材になると、冷却速度、といっても、大物は油に漬ける以外に手段はないですが…、焼入れ部材の形状、だけではなく、油槽の形状、油槽内の油の循環がどうなっているのか、試験片の採取位置等、色々な条件が重なってくるので、一言では説明できません。

また、ステンレス鋼となると、色々な合金元素が添加されているので、溶解して精錬後、インゴットになった時に偏析性が高くなる為に、その部材をその後焼入れ前までにどのような拡散熱処理や分解鍛造をしたか等、T側だったのかB側だったのか等、ここでも色々な要素が絡んでくるので、一言ではとても言えないです。

私は、昔、仕事で大きな物の熱処理をしていたりしたことがあったので、小さな物ではなくて大きな物の視点で考えてしまうんですよね。
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この回答へのお礼

包丁の場合は、よほど焼き入れに失敗しないかぎり、セメンタイトを含めて炭化物は基本的に析出していないということですね。どうもありがとうございました。

お礼日時:2020/04/19 14:13

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