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質問します。
スチールにチタン風コーティング、つまり焼入れをしたらどうなりますでしょうか?
塗装も考えましたが バーナーの方が自然に仕上がるイメージなので。

A 回答 (1件)

金属材料の熱処理は、専ら素材の硬度を変化させる為に用いますが、『塗装も考えましたが』ということは、熱を加えたチタンの『色調』のことを指しているんですね?


 っとすると。

 チタン風コーティングと言うと、素材の硬度を上げる『焼き入れ』ではなく、曲げ加工し易い様に素材を軟化させる『焼き鈍し』だと思いますが、スチール=鋼材をただ焼いただけでは、加熱中または冷却中に鋼材表面に酸素が結合して黒くなります。(いわゆる黒サビ=Fe3O4が発生します。)

 黒サビを発生させないためには、『光輝焼鈍』という処理を行います。これは無酸素環境下で加熱を行うもので、窒素や水素、アルゴンなどの気体が充満した『ガス環境』で加熱する方法と、空気を抜いた『真空環境』で加熱する方法の2種類があります。

 実はチタンも、真空加熱による光輝焼鈍で色を付けています。
 チタンは、アルミやステンレスと同様、大気中ではすぐに表面に薄い酸化被膜が形成され、それで本体のサビを防いでますが、チタンの酸化被膜は、熱をかけるとアルミやステンレスの被膜よりも大きく増加します。

 そこで加熱温度や冷却条件を変えて被膜の厚さをコントロールすると、反射する光の波長が変わって青や茶色に見える様になります。(チタンを真空炉で加熱するのは、大気中で加熱すると酸素や水蒸気に反応して酸化被膜の形成が均等にならない=色が『マダラ』になり商品性が低下するからです。)

 鋼材は元々酸化被膜を持たないので、光輝焼鈍をするのは専ら『焼き鈍し後に黒くならず、焼き鈍し前の光沢を保つため』です。鋼材では『焼き鈍しで成長する被膜』が無いので、色調は変わりません。(実は真空環境での加熱では、鋼材でもやや青みがかった外観になる場合がありますが、『なんとなく青いかな?』程度でチタン・ブルーよりもはるかに薄く、また鋼材の種類や形状によって青が出たり出なかったりするので、この『鋼材の青』を狙うのは困難です。)

 っというワケで。

>塗装も考えましたが バーナーの方が自然に仕上がるイメージなので。

・・・それはイメージだけです。鋼材を焼いたところで、理論的にも実験的にも、ザンネンながらチタンの様な色調にはなりません。(だからあの派手な青や茶色や金色が、スチールでもステンレスでもなく『チタンの証』となっているワケです。)

 それと、もう一点。

 光輝焼鈍で焼いたところで、鋼材はチタンやステンレスにはなりません、大気中に放置したら急速にサビます。(赤サビが発生し、徐々に板厚を失います。)
 仮に熱処理で何か美しい色や紋様が得られたとしても、それは長続きしませんが、その対策は何か考えをお持ちですね?

 尚、最後に。

 この御質問が、『クロムメッキがかかったフツーのエキパイを焼いたら、チタンの様な色が付くか?』という意味なら。
 クロムは熱に対してかなり強い素材で、300℃以上で『やや黄変』しますが、色調変化はそれだけです。
 クロムメッキのエキパイにチタンの様な色調を出すことは、熱処理ではまず不可能と思われます。
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この回答へのお礼

親切丁寧な説明ありがとうございます。
やはりスチールをチタン焼け風みたく仕上げるのは無理なのですね。
メッキスプレーでグラデーションを狙ってみます。

お礼日時:2020/10/20 21:51

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