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論語の「子貢政を問ふ」(顔淵第十二)の「必ず已むことを得ずして去らば」は「どうしてもやむをえないで取り除くとしたら」という意味になるようですが、「必ず」には「どうしても」という意味があるのでしょうか?日本語にはそのような意味はないと思いますが意訳なのでしょうか?

A 回答 (7件)

#3,5です。

高校生の方かと勘違いしておりました。

>現代の中国人は論語の原文を読むことはできるのでしょうか?

無理ですね。中国人にとっても二千数百年前の古代語で書かれているので、勉強せずに読める人はいないです。
日本でも古文を勉強するのに古典文法を勉強しなければいけないように、中国でも古代漢語の文法や語彙などを勉強しなければいけないわけです。

「必」の仮定の用法も現代中国語にはありません。

>それだったら訳文のみ学べばいいような気がしますが・・・

そうですね。漢文訓読を通して日本語に漢字と漢語が普及し、故事成語なども日本の教養として深く定着したから訓読を勉強するんでしょうね。原文の意味がどうのというより、昔の日本人にどう読まれたかの方が重要なんだと思います。

ちなみに『論語』などには二千年にわたる膨大な注釈書があり、解釈も諸説紛々です。ただよく使われるものに、古註(漢唐学)と新注(宋学)という二大解釈があり、日本で一般的に読まれてきたのは新注、つまり朱子学による解釈なんです。また訓読にもいろいろ流派があるのですが、江戸中期の後藤芝山の訓点に従うものが広く使われていたと言います。最近の漢文の教科書・参考書でどうなっているのかよく知らないんですが、おそらくこういった伝統的なものに従っているのではないかと思います。
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この回答へのお礼

いろいろありがとうどざいます。論語は中国人にとっても古代語で、「必」の仮定の用法は現代中国語にないのですね。現代の中日辞典に出ていない訳が納得できました。>昔の日本人にどう読まれたかの方が重要なんだと思います。→なんのために漢文を学ぶのかわかっている人は少ないと思います。今回の質問で多くのことを学びました。まさに「一を問いて三を得たり。」gooに投稿した甲斐がありました。

お礼日時:2005/02/07 15:46

#2,4です。

#3さんへ、
『漢辞海』、たしかにばっちり出ていましたね。それに、説明も非常によくわかりました。
『諸橋大漢和』も含めて、手元に揃う漢和辞典や句法辞典の類を10種類以上あたってみましたが、この説明があるのは『漢辞海』だけでしたね。各社の教科書・指導書も、調べた限りでは、このことに触れていないようです(廉頗藺相如伝についてもやはり同じでした)。

いずれにしても、たいへん勉強になりました。
質問者でもない私がここでこんな投稿をするのが不適切であれば申し訳ないのですが、私のようになんとなく納得してしまわずにこの質問を立てられた質問者さんと、ていねいにご説明くださった#3さんに感謝申し上げます。
ありがとうございました。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。教育関係の方だったのですね。私は、私立理系だったため、高校時代漢文をほとんど学ばず、今教養として論語を勉強しているものです。本当は文語を読めるようになりたくて古文の参考書を買ったのですが長続きせず、それならばと、前から理解したいと思っていた論語に絞って少しずつ読んでいます。しかし受験という期限がせまったものではないのでのんびりやっていこうと思っています。

お礼日時:2005/02/06 21:03

高校の漢文というのは、あくまで日本の古典であって、外国語として扱っているわけではないので、こういった日本の漢字の用法とかけ離れたものは出てこないと思います。



また漢字字典は語の意味を記載するものです。
この「必」やら「若」といった実質的な意味がなく、文法的機能だけを表す語を「虚詞」とか「助字」といいますが、これらは漢字字典に詳しくは載っていません。

「虚詞」について調べようと思ったら、中国で出版されている古代漢語に関する「虚詞辞典」や、日本の江戸時代の漢学者がまとめた助字に関する辞書を参照することになります。

「必」について、中国の「虚詞辞典」を見ると、従属節に使われて仮定条件を表すといったことが書かれています。
ただ中国語で書かれていますので、日本のもので何かないかと思って探して見ましたが、
『全訳 漢辞海』という小型漢和辞典に載っていました。この辞書には文法的機能が「句法」で記載されおり、文法と訓読の関係についても書かれています。
「必」を見ると、「従来『かならズ』と訓読してきたが、『もシ』と読んでもよい」といったことが書かれていました。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4385140 …

ただこういったものは高校レベルではないので、テストに出ても注釈で書かれるなどするでしょうから、覚える必要はないですよ。こういうのがあるんだくらいで気にとめておけばいいです。

(No.4さんのために言えば、『漢辞海』の例文には、『史記』廉頗藺相如伝の「王必無人、臣願奉璧往使(おうニもシひとなクンバ、しんねがワクハゆきテつかヒセン)」が挙げられています。もっと例文を集めたければ『虚詞辞典』を見てみてください。
http://webcat.nii.ac.jp/cgi-bin/shsproc?id=BN109 …

この回答への補足

ありがとうございます。大きな書店に行って、いろいろな辞書を見てきました。『全訳 漢辞海』には、まさに私が知りたかったことが出ていました。中日辞典も2冊ほど見ましたが、仮定の意味は出ていませんでした。現代文では使われない用法なのでしょうか?現代の中国人は論語の原文を読むことはできるのでしょうか?>高校の漢文というのは、あくまで日本の古典であって、外国語として扱っているわけではないので、こういった日本の漢字の用法とかけ離れたものは出てこないと思います。→不思議ですね。それだったら訳文のみ学べばいいような気がしますが・・・

補足日時:2005/02/06 20:01
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#2の回答をした者です(教育関係者)。

#3の方の回答を読ませていただいて、「そうだったのか…」と半分冷や汗でいろいろな辞典や教科書の指導資料類にあたりましたが、「『もし~ば』という仮定を表す副詞」にあたる記述がどうしても見つかりません。『大漢和辞典』にも見あたりません。

なお、『漢文基本語辞典』(大修館)の「必」の項には、「A必ズBス」の意味の(iii)として「AはどうしてもBする」とあり、「今王必ず士を致さんと欲せば、先づ隗より始めよ」(十八史略)が用例として挙げられています。これも形としては「必ず已むことを得ずして去らば」と同じなので、私はこの用法かと思ったのですが…。

#3の方の典拠・用例などがあれば、ぜひご教示いただけないでしょうか。場合によっては今までの私の仕事も見直す必要があるかもしれませんので、とても気になっています。
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ここの「必」は「もし~ば」という仮定を表す副詞です。



「どうしても」は「不得已而」です。

では、なぜ「かならず」の意味でない「必」を「かならず」と訓読するのかと言えば、漢文訓読は、伝統的に一つの漢字を一つの読みにするのが原則だからです。

英単語を勉強していて分かるとおり、一つの単語に何個も日本語訳があるのが普通です。
中国語だってそうです。一つの単語に何個もの日本語の意味があることもあれば、日本語では一つでしか表されない言葉が中国語では細かく分類されていることもあります。
なのに、なぜ一漢字一訓読にしたかといえば、ひとえに暗記のためです。昔の日本人は、中国の古典を漢文訓読で暗唱していました。しかし、一つの漢字に何個もの日本語訳がつけられていたのでは、文章を覚えるのに効率が悪いです。そこで、実際にはいろいろな意味があっても一つの訓読しかつけないということをしてきたのです。
昔は、子供のころからとにかく覚えさせ、意味の理解はあとでいいという、詰め込み式の勉強法だったんです。
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この回答へのお礼

詳しいご回答ありがとうございます。すっきり致しました。いろいろな参考書を調べたのですが、仮定の助詞の例として「若」「如」「縦」などは出ていても「必」は出ていません。今後このように漢文の参考書に出ていない文字について疑問が生じた場合、日中辞典で調べたらいいのでしょうか?

お礼日時:2005/02/03 03:46

「かならず」って国語辞典でひくと、「絶対に」という言い換えも載っています。


たとえば「必要」とか「必需品」とかの「必」は、

必ず要る
絶対に要る
どうしても要る

どれも同じようなニュアンスですよね? その「必」だと思います。
「取り除かなければいけないとしたら」と訳せば、日本語的にもこなれているし「必ず已むことを得ずして」の感じも出てくるのではないでしょうか。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

お礼日時:2005/02/03 03:26

必ず(かならず)というような意味です。


必には、はっきりさせる、断定するというような意味あいがあります。
必死といえば必ず死ぬ(どのようにしても死ぬ)ようなせっぱ詰まった気持ちとかいいますから、どうしてもというようにも取れると思います。
この場合、3つのうち1つを必ず捨てなければならないとしたなら、どれを捨てますか?
というような意味なので、どうしてもと訳しても別段おかしくないと思います。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

お礼日時:2005/02/03 03:25

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