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小惑星のりゅうぐうに行ったはやぶさ2が帰ってきたそうです。

日本もすごい、と思いましたが、何年か前、冥王星に行った探査機がアメリカでありました。
帰ってくるのと遠いところに行くのと出は、どちらが難しいのでしょうか?

A 回答 (3件)

30余年在米で航空宇宙の世界で暮らしてきた年寄です。


その経験から申し上げて、全く違うものを比べていると思います。
それらに共通するのは『宇宙探査』という言葉だけで、そこに求められる要件や使われている技術は全く違いますから。

いくつかの例を紹介しましょう。

りゅうぐうが活動した空間では太陽光をエネルギー源に使えます。
しかし、太陽系外縁から見ると太陽は小さな光る点でしかなく、とてもエネルギ源に使えるような代物ではありません。

地球と宇宙船の間の通信を考えます。
太陽から宇宙空間に向けて吹き出す『太陽風』は通信の電波に取っては『雑音』です。
そのエネルギはすさまじく、地球局や、そこから遠く離れた宇宙船はその強力な雑音の中から必要な信号を拾い上げなければなりません。
それは、ホームランが打たれて大きな歓声が上がった野球のスタジアムで、一塁側の客席でささやく声を三塁側で聞くより難しいものです。
それでも太陽に近いハヤブサ2はソーラバッテリを使った大きな電力で送信や信号処理が出来ますが、それよりはるかに遠くに居る宇宙船では微小なパワーの信号しか発信できません。

太陽系外縁に居る宇宙船が打ち上げられたのは1970年代です。
そこで使われているのは1960年代の技術です。
その時代はマイクロコンピュータのようなものが初めて世の中に出てきたころで、その能力は今あなたが当たり前のように使っているスマホやパソコン、あるいはハヤブサ2が使っている機器の能力に比べれば100万分の1にもならないようなものです。

言ってみれば、ハヤブサ2が挑戦した世界の多くは『わかっている』ものでした。
それに対し、太陽系外縁に行った宇宙船は多くの未知の経験をし、そのたびにいろいろな修正をしなければなりませんでした。
そのひとつが熱線のエネルギでした。
宇宙船が遠くへ飛び続けるうちになぜか軌道が期待するものからわずかですがずれていることに科学者は気づきました。
それがなぜかは何年もわかりませんでした。
しかし、ある人が発電機が原因であることを突き止めました。
宇宙船は原子炉で起こした熱を熱電対で電力に変えています。
熱電対が熱を電力に変えるには、加熱する接点の他に冷却する接点が必要です。
その冷却は宇宙船の外に接点を出して熱線を輻射することで行っています。
その放出するエネルギは使う電気エネルギが大きいほど大きくなります。
そのエネルギを放出する方向と大きさが軌道を変える力になっていることを突き止めたのでした。
こんな現象は非常に小さな現象なので長い時間をかけないとわかる世界まで現れては来ません。
この宇宙船はそれをわからせてくれました。
それがわかったのが打ち上げから30年近くも経った頃です。
その後20年以上たった今もそういった研究や解析は続けられています。

1960年代の技術で実現することと今日の技術で実現することとの違いに由来する難しさがあることは上記した通りです。

最後は航行コースでありうる他の物体との衝突問題です。
今日までの宇宙観測活動を通し、地球に近い空間にある物体や、地球の周囲の空間に飛び込んでくる物体はかなり小さいものまで、大きさ、位置、移動コース(軌道)が判っています。
それは地球に近いほど正確にわかっていますが、逆に地球から遠くになるほどそれはわかっていません。
遠くになるほど見えなくなるからです。
また、それは最近だからかなりわかっていますが、太陽系外縁へ向かう計画を立てた1960~70年代のそれは今に比べれば全くわかっていなかったに等しいものでした。
つまり、衝突するかもしれないものがある世界に飛ばすのですから保護の考え方は今とはずいぶん違います。

素人にもわかる内容を分かるように書きましたから、厳密には正しくない説明になってるかもしれませんが、こんな感じの違いがあるという雰囲気ぐらいは感じていただけるんじゃないかと思いますがいかがでしょう。
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この回答へのお礼

とても丁寧に教えていただいてありがとうございます。
なるほど、です。

お礼日時:2020/12/19 10:03

どちらも難しいが難易度と、時期の違いは大きいです。



たとえば、今日本が冥王星に行く探査機を作れるか?といえば「作れる」し成功させることは可能だといえますが、それを行うだけの予算が取れるかどうかはかなり難しいといえるでしょう

たとえば冥王星を探査したニュー・ホライズンズは2006年に打ち上げ、2015年に冥王星探査、2020年に小惑星に接近観測をしています。

 打ち上げてから15年も運用しているわけですが、これらの人件費や設備の維持費を含めて予算は約7億ドル(日本円で約800億円)です。

これに対してはやぶさ2は総事業費289億円、期間は2014年から2020年の6年です。

 これらのうち衛星の製作費と運営費の内訳は分かりませんが、日本の予算では800億円もする宇宙研究はできないでしょう。

で、どちらのほうも十分に難しいことをしています。
 ニュー・ホライズンスは15年以上(まだこれからも観測を行う)も運用できるタフな設計が必要で、これは日本だと実績もなく、けっこう難しいと思います。

逆に無人の宇宙船が小惑星に「着陸」してサンプルを持ち帰るのは、かなり難しいもので、はやぶさで日本が世界で最初に成功したわけです。

どちらも難しいのですが、研究の方向性や得意分野が日本とアメリカで異なるわけです。
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冥王星は降りたわけではなく近くを通過して観測。

だが距離は遥かに遠い。
どちらも、計画し打ち上げた当時の最高水準。その意味で、どちらも難しい。
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