
下記の続きです。
【玉音放送に出てくる「欲す」という古語。 これは「欲しい」という意味ではなく、「思う」を意味する語です】
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/13124615.html
前問(と呼びます)を読んで興味をもったのですが、コメントを入れる前に締め切られてしまいました。
調べるといろいろわからないことが出てきました。
辞書の引用は長くなるので、末尾に。
現代語は「欲する(ほっする)」だと思います。これ自体が響きが古く、自分では使わない気がします。「望む」「欲しがる」ですかね。
辞書を見る限り、「欲する(ほっする)」の文語が「欲す(ほっす)」だと思います。
1)「欲す(ほっす)」は古語ですか
文語なので古い言葉だと思いますが、古語なのでしょうか。
2)「欲す」の読みは、辞書を見る限り「ほりす」ですか
そんな読み方をしているかたはいらっしゃいますか。当方は初めて見聞しました。
3)前問にあった「欲す」の意味は
下記に、玉音放送の全文と現代語訳があります。
https://www.nishinippon.co.jp/item/o/433420/
【原文】
朕(ちん)、深く世界の大勢と帝国の現状とに鑑み、非常の措置をもって時局を収拾せんと欲し、ここに忠良なるなんじ臣民に告ぐ。
【現代語訳】
私は深く世界の大勢と日本の現状に鑑み、非常の措置をもって時局を収拾しようと思い、忠義で善良なあなた方臣民に告げる。
たしかにこれを見ると「せんと欲し」(「ほりし」ではなく「ほっし」でしょう)を「しようと思い」と訳しています。
辞書によると「欲す」の意味は「そうありたいと願う。望む。ほっする。」です。
ただ、「せんと欲し」だと「願う。望む。」は使いにくい印象です。
「させることを願い」「させることを望み」ぐらいですかね。
それとも、「しようと思い」が定説ですか。
https://kotobank.jp/word/%E6%AC%B2%E3%81%99-631537
===========引用開始
欲す(読み)ホリス
デジタル大辞泉「欲す」の解説
ほり・す【▽欲す】
[動サ変]そうありたいと願う。望む。ほっする。
「恋ひつつも後も逢はむと思へこそ己が命を長く―・すれ」〈万・二八六八〉
===========引用終了
https://kotobank.jp/word/%E6%AC%B2%E3%81%99%E3%8 …
===========引用開始
デジタル大辞泉「欲する」の解説
ほっ・する【欲する】
[動サ変][文]ほっ・す[サ変]《「ほりす」の音変化》
1 欲しいと思う。願う。望む。「平和を―・しない者はいない」「おのれの―・するところに従う」
2 (動詞の未然形に付いて「…んとほっす」の形で)
㋐…しようとする。「人に勝たんと―・する者は必ず先ずみずから勝つ」
㋑…しそうになる。「日まさに暮れんと―・す」
[類語]希望・願う・求める・希こいねがう・望む・念ずる・念願する・願望する・希求する・庶幾する・切望する・切願する・熱望する・熱願する・思う
===========引用終了
https://kotobank.jp/word/%E6%AC%B2-653651
===========引用開始
精選版 日本国語大辞典「欲」の解説
ほっ‐・する【欲】
〘他サ変〙 ほっ・す 〘他サ変〙 (「ほりす」の変化した語)
① ほしいと思う。得たいと思う。また、望む。願う。ほりす。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
※吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉五「吾輩目下の状態は只休養を欲するのみである」
② (補助用言として、用言の未然形を受けた「…むとほっす」などの形で) …しようとする。しようと思う。また、物事が起こりそうになる。
※殿暦‐長治元年(1104)一〇月一〇日「日入程事了、欲退出向仰云、兄今還御候二御共一」
※大唐西域記長寛元年点(1163)一「震怒して厳刑に置かむと欲(ホッ)す」
[語誌]②の用法は訓読文には「…マクホッス」「…ムコトヲホッス」「…ムトホッス」の形がある。このうち、「ムトホッス」は、「ムトス」と読まれていたものが、「マクホッス」「ムコトヲホッス」の影響をうけて「ムトホッス」となったとされる。
ほし・い【欲】
〘形口〙 ほし 〘形シク〙
① 自分のものにしたい。手に入れたい。所有したい。
※万葉(8C後)一一・二三六二「山城の久世の若子が欲(ほし)といふわれあふさわに吾れを欲(ほし)といふ山城の久世」
② そうありたいと思うさま。望ましい。願わしい。
※古事記(712)下・歌謡「あをによし 奈良を過ぎ 小楯 大和を過ぎ 我が 見が本斯(ホシ)国は 葛城高宮 我家(わぎへ)のあたり」
③ (「…てほしい」の形で用いて) 他に自分の望むことを求める気持を表わす。そうしてもらいたい。
※浮世草子・好色五人女(1686)一「生つきたる鼻を高ふしてほしひ」
ほし‐が・る
〘他ラ五(四)〙
ほし‐げ
〘形動〙
ほし‐さ
〘名〙
ほし‐・む【欲】
[1] 〘自マ四〙 欲しいと思う。欲しがる。
※書紀(720)神功摂政前(北野本訓)「財(たから)を貪(むさぼ)りて多欲(ものホシム)して私(わたくし)を懐(いた)き内顧(うちにかへりみ)せば」
[2] 〘他マ下二〙 欲しいと思わせる。欲しがらせる。
※書紀(720)斉明六年三月(北野本訓)「阿倍臣乃ち綵の帛(きぬ)兵と鉄(ねりかね)等を海の畔に積みて貪(ホシメ)嗜(つの)ま令む」
ほ・る【欲】
〘他ラ四〙 願い望む。ほしがる。欲する。
※書紀(720)武烈即位前・歌謡「あが裒屡(ホル)玉の あはび白珠」
[語誌]形容詞「ほし(欲)」と同一語根。挙例の「書紀」は連体形であるが、「万葉集」では用例が連用形に限られ、状態性の名詞になったと考えられる。以後、動詞となるときは、下にサ変動詞を伴って「ほりす」の形をとるようになる。
ほり‐・す【欲】
〘他サ変〙 (動詞「ほる(欲)」の連用形にサ変動詞「す」の付いてできた語) 望む。願う。ほる。ほっする。
※書紀(720)雄略九年七月(前田本訓)「就(ちかつ)き視(み)て心に欲(ホリス)」
ほっ‐・す【欲】
[1] 〘他サ変〙 ⇒ほっする(欲)
[2] 〘他サ四〙 ((一)が四段活用化したもの) =ほっする(欲)
※成簣堂本論語抄(1475頃)雍也第六「わがよくほっすことをばまづ他人にほっせさしめて」
ほし【欲】
〘形シク〙 ⇒ほしい(欲)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
===========引用終了
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わが家の古語辞典が行方不明で困っていました。
下記でいいや。
【時間的な意味の、もう少しで そろそろ など、古語では何と言いますか?】
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/13137935.html
「やがて」は古語辞典にのっているので、古語であって現代語では使われないのでしょうか。
そんな●●な。
まあ、海賊辞書なんで間違っているのかもしれませんが。