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「参考文献」に関して質問します。

http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=1263223

も読ませていただいたのですが、勉強不足でいまいち自分の解釈に自信が持てないので、質問させてください。
ある学習参考書を書いてみたいと考えています。、その際、辞典、他の学術書、その他一般書籍、WEB上の情報などを参考に、事実や学術上の定説と考えられている内容(特に各書籍執筆者の独自の解釈や言い回しを含む内容を避けて)を自分の言葉で言い直して、記述していく場合、参考文献を明記すれば、著作権法上問題は発生しないと考えていいのでしょうか?
参考文献とは、著作権法上どのように位置つけられているのかも併せて教えて頂けると助かります(明文化されてないモラル的慣習でしょうか?)
宜しくお願いいたします。

A 回答 (5件)

ご質問の内容は、著作権法32条の引用に


あたると思われます。

(引用)
第三十二条 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。

公正な慣行に合致するものであり・・・

というあたりは、他人の表現内容を
そのまま数行記載する場合にも、
引用もとを明記すればいいという
ことになっています。

 逆にそうしないと、他人の説を
多数引用するような
内容の場合、いちいち本人に
許可を求めなければならなくなり
実用上適当でないからです。

 何々さんは、著書「・・・」の
中で、「・・・」と言われているが、
私は・・・
という記載など、他人の記載を
丸写しするしかないわけですが、
そういった場合には引用元を
明確にしていればいいという
ことになっています。

 著作者には、自分の著作物の
公表方法を選択する権利があり
本人の著書というのは本人が
望んだ公表方法なので、そこに
行き着くように引用していれば
いいということです。
 
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この回答へのお礼

さっそくのご回答有難うございました。参考になります。

お礼日時:2005/04/24 23:35

「引用」「参照」「転載」といった用語は混同されて使われている節がありますが、法律上はそれぞれ異なった扱いになります。



まず「引用」から。
引用とは、著作権法32条の定めにより、報道・批判・研究など正当な目的のもと、公正な慣行に基づいて、その目的上必要な範囲内で行う必要があります。具体的には、判例は、引用を含む著作物の表現形式上、[1]引用して利用する側とされる側の区別が明瞭であること、[2]質的・量的に引用する側が主、される側が従たる関係にあること、かつ[3]引用される著作物の著作者人格権を害する態様でないこと、という要件を要求しています。
さらに、著作権法48条により、出所を明示する義務があります。

次に「転載」ですが、著作権法上は39条に定めがあり、新聞紙・雑誌に掲載して発行された政治上・経済上・社会上の時事問題に関する論説で、学術的性質を有しないものを、他の新聞・雑誌に複製することを指します。
同様に、48条により、出所の明示義務があります。

「参照」ですが、これは法律上の定めがありません。一般的には、引用にも転載にもあたらないものを指すものと考えて良いでしょう。つまり、論文等において、読者のより深い理解を助けたり、著者自身の理解過程を知ってもらうために、「こちらの文献も併せて読んでください」の意と解することができます。

したがって、「引用」とは、著作者の許諾なしに、その著作物の一部を自己の著作物中に複製して用いる場合を意味し、「転載」はその特殊な態様(おもに社会的利益への配慮から)を、「参照」はそのいずれにもあたらないものを指します。

また、事実として明らかとなっている事象は、その事実を伝えるのみであれば誰が記述しても同じですから、そもそも著作物とはなりません。例えば、科学的な理論や歴史的事件などがこれにあたります。一方で、その理論を数式化した図やグラフ、歴史上の人物の生き様を描くことなどは、その人の個性によって表現されたものですから、著作物として保護を受けます。

したがって、これらの記述においては、上記の「引用」に該当しない限り、特段の記述は必要ありません。例えば、794年に平安京へ遷都されたことは歴史的事実であり、特に出典を示さずとも良いことになります。

この回答への補足

分かりやすい解説、有難うございました。

関連して質問なのですが、
(1)例えば、直接に引用や転載をするわけではないけれども、ある書籍(A)を参考にしなければ知りえないある法律条文に対しての著者(Bさん)の独自の解釈や説明があり、その解釈や説明を自分の著書の内容に取り込んだり、それを参考に自分の説を展開したい場合、「本書の内容はBさんの書籍(A)を参考にしました」と参考文献として明示すれば、著作権法上問題とならないでしょうか?また、公正な慣行にそうものといえますでしょうか?

(2)また、上記の例の場合で仮に、そのBさんの解釈や説明が、学問的に一つの主流な学説をなしているもの(客観的事実ではないが、その学問分野では主流的な解釈や説明と思われるもの)である場合はどうでしょうか?

恐れ入ります。宜しくお願します。

補足日時:2005/04/24 23:36
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補足の件に関して。



学説の主流/少数派といった点は、著作物性とは関係ありません。学説というのは、要は「考え方」でありアイデアです。そのアイデアを他人に伝達するために、その人独自の表現方法・表現手段で現されたものが「著作物」となります。

つまり、「何法 何条 何項はこれこれの意味である」というアイデア自体は保護されませんが、それを説明するための文章は保護を受け得ます。ですから、少数説(というか単独説)であれば、事実上、その文章に表れたアイデアもまた、同時に保護を受ける可能性もあります。

例において、「~何法 何条 何項をこれこれの意味である。判例(最判H16年~~)はなんとか説を~~」といった具合に、著者Bの説明をまるまる抜き出す場合は「引用」であり、先に述べた通り、その用件に合致する態様で利用することが必要です。(もっとも、引用の場合でも、学術書の場合は文末や巻末に「参考文献一覧」として載せますが...)
一方で、「何法 何条 何項をこれこれと解釈する説がある(X説:B著「なんとか法講義」P.123)」という叙述は、参考を示します。

この回答への補足

ご親切に有難うございます。大変感謝しております。

・「アイデア自体は保護されませんが、」
⇒「事実上、その文章に表れたアイデアもまた、同時に保護を受ける可能性もあります。」

理解不足で、ここの部分の繋がりがよく分かりません。できましたら、再度ご説明頂けると助かります。

・「一方で、「何法 何条 何項をこれこれと解釈する説がある(X説:B著「なんとか法講義」P.123)」という叙述は、参考を示します。」

⇒独自性のある「少数説(というか単独説)」を表現した文章に含まれるアイデア自体も保護を受ける対象であると考えた場合、そのアイデア・考え方を自分の文章に組みこむ際には、「何法 何条 何項をこれこれと解釈する説がある(X説:B著「なんとか法講義」P.123)」と参考(文献)として出どころを明示すれば権利者の許諾は不要ということでしょうか?

恐れ入ります。再度ご解説、宜しくお願します。

補足日時:2005/05/03 18:23
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まず最初の点ですが、我ながら分かりにくい文になってしまいました。

言いたかったことは、こうです。

すなわち、Bしか唱えていない単独説の場合、その説を説明するために用いられた表現にB説というアイデア自体が内包されていますから、その意味でアイデアが保護されていると言えなくもない、ということです。
もちろん、B説自体が保護されるという趣旨ではなく、あくまでBの創作性を感得できる表現部分のみが保護の対象であり、その説を他のひとが評価する際に解釈のエッセンスを抜き出すことを妨げる意味ではありません。

また、著作権法上、出典を示す必要がのは引用にあたる場合であり、他の人の理論を自分で再構築することはこれにあたりませんので、参考文献として注釈を付すのが通常です。引用によって他人の説を用いるのは、例えばその人の説明の仕方が特に優れていて、自分の言葉で説明するより理解が良いという場合などに限られるのではないかと思います。(自分の言葉で説明してこそ学者、ですので...)

この回答への補足

>もちろん、B説自体が保護されるという趣旨ではなく、あくまでBの創作性を感得できる表現部分のみが保護の対象であり、その説を他のひとが評価する際に解釈のエッセンスを抜き出すことを妨げる意味ではありません。

>他の人の理論を自分で再構築することはこれにあたりませんので、参考文献として注釈を付すのが通常です。

ご親切に有難うございました。ほぼ、自分なりに理解できました。

私なりに、以下のように結論づけたのですが、
これで問題ないでしょうか?

「ある書籍内の文章は保護されるが、その文章に内包されるアイデア自体は保護されない。よって、そのアイデアを自分なりに咀嚼して書き表したり、そのアイデアをよりどころに自分の論を展開する場合、法的には権利者から許諾をとる必要はない。ただし、慣例的、道義的には、参考文献として出典を明示しておくべきである。」

お考えをお聞かせ頂けると有り難いです。よろしくお願いします。

補足日時:2005/05/06 20:44
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補足に書かれた結論で宜しいかと思います。



あえて、法解釈学的に突っ込みを入れるなれば、保護されるべきは「文章」ではなく「表現」ということになりますが、この辺りはマニアックな話ですので、実際的には「文章」という範囲で問題ないと思います。
(「表現」が保護されるというのは、つまり、著作物には、文字に「表現」されるものだけでなく、演説ように声の形で「表現」されるものも含まれるという意味です。したがって、ある人の演説をそっくり書き留めたり、録音したりすることは、著作権法上の「複製」にあたります。)

いずれにせよ、その結論で必要十分であると思います。(蛇足が理屈っぽくて申し訳ありません。)
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この回答へのお礼

自分なりの結論に問題ないとの回答を得て、安心いたしました。有難うございます。

早速のご回答頂いた、apple-man様、ご丁寧な解説をしてくださったYorkminster様 貴重なお時間を割いて頂いて大変有難うございました。理解が深まり、とても勉強にまりました。疑問点もすっきり解決いたしました。
見ず知らずの者にご親切にして頂きとっても感謝しています。本当に有難うございました。

お礼日時:2005/05/07 22:20

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