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No.5
- 回答日時:
『時間をさかのぼって行けるなら』と『今生まれ変わって行けるなら』のどちらをとっても、断然アメリカの大学の正規留学ですね。
出来たらそのずっと前の年代から留学したいものです。
私にとっての大学は、『大学じゃないと手に入らない優れた知識・技術・技能・人脈を手に入れ、身につけられるところ』です。
私はもともと多趣味で、子どもの頃からいろいろなことを自力で楽しんで来ました。
そのうちのひとつの電気電子情報通信の工作の世界では、高校に進むころには、必要と思った通信機やプログラムなどは企画から設計計算や加工・製作なんかも全部自分でできるようになっていました。
だから、その力をもっと高めることができると思い、大学進学には夢を持っていました。
しかし、当時の私は、アメリカが先端的で自由で、やる気を受け入れて実績を上げれば適正に評価・待遇してくれる世界だということを知らなかった。
もし知っていたら、アメリカ留学は真剣に考えていたことでしょう。
ただ、仮に知っていたとしても、私が暮らしていた東北の山間の田舎には古い因習が強く残っていて、実生活はそれに縛られていましたから、外国に行くなどと言うことを選択肢に上げることなどできなかったのが現実だったでしょうけどね。
私はプロファイルに記した通りの今は在米の隠居爺です。
そうは言っても一度気づいたことに、遅まきながらも私は何とかしようといろいろ考えてやってみました。
他の人がやらない有益なことをできるようにする
他の人ができない有益なことをできるようにする
有益なことで他の人より優れた結果を出せるようにする
これらの能力を証明する実績を示せるようにする
せめて、日本の大学で学んでも、こうはなろうと思って勉強しました。
そして、留学ではありませんでしたが、身につけたものを使って結果を見てもらえる機会を得る望みを秘めて、まだ若いころにカミさんと当地に渡って来ました。
答えから先に言うと、当地は思った通りのところでした。
個人の力だけで当地に来て暮らしを成り立たすのはとても無理だった時代でしたから、私は当地に事業展開しようとする企業の一員として派遣してもらうという道を探し出して利用しました。
本意とは違う仕事でも、それは我慢しながら粛々とこなす一方で、当地にできた当地の仲間の仕事を自分の時間で手伝いました。
そのとき、仲間の一人が、携わっていた研究開発案件で壁にぶつかっていることを知りました。
詳しく聞いてみると、そこで必要としていた技術は、偶然にも私が大学時代に出会い、実際に使うにはどうすればいいかを興味本位で考え、実際に自作して試したりもしていたものでした。
技術とは、教科書や文献に書いてあるからと言って、それを簡単に利用できるものではありません。
使う上では、それに関連した様字マナテクニックの様なノウハウが必要なものなのです。
彼はそのノウハウを持っていなかったことは、趣味の世界でマニアレベルの自作を繰り返してきた身にはすぐにわかりました。
なので、私はそれを手伝ってやることを申し出、対応してあげました。
こう言うと簡単に聞こえるかもしれませんが、開発案件をまともにひとつ完成させるのはとてもやることが多く、時間も手間もかかるものです。
この案件は、計測・情報処理・通信を行うシステムを開発し、それを小さな一つの半導体の中に押し込むというものでした。
だから、お金も結構かかりました。
お金は仲間の仕事先がだすので私の問題ではありませんでしたが、プロの世界ではしくじってゴメンナサイは通用しません。
だから、請け負ってお金をもらうなどとは言わず、全ては無報酬のボランティア仕事でコツコツやりました。
責任を全うする上では、解析や検証、文書・図面の作成などにも手を抜くべきだはないと考えたことから、当初予想していた以上の手間をかけることとなり、私が思った以上に時間がかかってしまいましたが、何とか求められるものを渡して上げることができました。
私がしてあげることができるのはそこまでで、そこから先は仲間が進めて結果を出したのでしょう。
プロジェクトは成功裏に終えることができたようだと誰からともなく聞いた気がします。
普通ならそんな話はそれでおしまいなところですが、これには後日談が付きました。
そんなことがあったことなどすっかり忘れた頃のある日、私はその時の仲間に呼ばれ、彼のずっと上の偉い方のところに連れて行かれました。
聞けば、彼の仕事では期待をはるかに超えるいい結果を生んだのだそうで、その礼を言われました。
そして、そこでは思いがけない言葉をいただいたのです。
『好きなだけアメリカに居られるようにしてあげる』というご褒美でした。
それからの、そして今の私はそれであります。
その話がどんな経路でどんな内容で伝わったか知りませんが、私が属していた日本の企業にもそれが伝わり、それからの私の待遇が変わりました。
その経験から思うことは、日本の社会には能力を適正に評価するという意思も考え方もないんだということ、そしてアメリカにはそれがあるということでした。
それを考えると、もしアメリカで勉強ができていたらもっと早く何かが変わっていたのかなぁと思ってしまいます。
我が家には当地で生まれ育った子どもたちがいます。
彼らを育てるうえでは、私が鬱陶しかった様々な抑圧感を感じさせないことに加え、私が必要性を感じた言語能力やコミュニケーション能力、自己成長力を自然につけられるように腐心したつもりです。
具体的には、世界中から前向きで優れた人たちが集まる街を選び、その人たちに深く接することができる生活をさせ、それを通して必要な能力を自分で吸収して身につけていかせることでした。
いろいろな国から来た子どもたちと幼馴染になれるようにし、それらの子どもたちの家族と行き来して暮らせるようにしてやりました。
私たちが暮らす州の州立大の旗艦校は学生・研究者が約3万人と言うマンモス総合大学です。
世界的に権威があると言われる大学ランキングでは東大に比肩し、現役のノーベル賞受賞者もいるそれなりにいいところです。
そんなところなので、この大学には州内だけでなく、全米、世界各地から優れた学生が集まってきます。
皆、それぞれの学校で1~2番の成績の子だったりします。
しかし、そんな中で、子どもが通ってた高校からは毎年 500人もの子どもたちがそこに進学します。
別に普通の公立の高校ですし、大学には日本のような入試はありませんから毎日カリカリ受験勉強ばかりする習慣などありません。
むしろ子どもたちは自分の興味に向かっていろいろ個人の活動を楽しんでいるように見えます。
私はそんなところで暮らすのがいいと思ってこの町に暮らすことを決めたのでした。
結果として、思った通り、子どもたちは多言語を自然にマスターし、世代や習慣や価値観の違う人ともうまく付き合え、勉強や興味などに自発的・積極的に取り組める子に育ちました。
今は大学院で学位取得に向かって楽しそうにやっています。
冒頭の私の答えは、そんなのを見ていて思ったことでした。
まぁ、そうは言っても、隠居してのんびりまったり自分の好きなことを好きなようにして過ごせる今となっては、留学なんてめんどくさいかな・・・
年寄りの長いひとりごとで失礼しました。
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