
「原子内の電子はどうなっているのか?」という疑問に対して、観測されていない状態の電子の姿を云々するのは意味がないという趣旨の回答をいただきました。それが、現在の量子力学におけるコンセンサスというのか、一般の了解事項だと。これが量子力学の共通の認識であるとして、なのに一方で、様々な現象、例えば金銀の色の理由を(他にも色々の現象があるでしょうが)、原子内の電子が相対論的速さで運動している粒子モデルで説明する。だから混乱し、疑問が起こるのです。あれ、電子の姿を問うことは意味がないんじゃなかったの?と。混乱が起こるのも無理からぬことだと思いませんか?
そう言うと、いや、これは、観測されていない状態でのことだと言われるでしょう。
前回の疑問で一つの憶測として、光を照射すると、確率の雲としか表現しようのない電子が、粒子に変わって、そのために相対論的効果が起こることから、反射する光の波長があのような色になるのでは?という考えを提示しました。いただいたコメントにも、観測する手段によって、粒子として、あるいは、波として現れるということが言われています。憶測でいっている、光の照射がここでいう観測に対応しているのではないかと推測するのですが、これが、自分としては精一杯、確率的存在としか表現しようのない状態と粒子として電子を説明するモデルを両立させられるアイデアではないかと考える次第です。それとも、光の入射から反射までの間に何が起こっているのかを日常会話で使われている言葉で説明することは無理で、数式で計算するしかない。例えば、反射してくる光の波長が何nmになるのか計算するといったことで、その計算結果を観測結果と突き合わせることしかできないということになるのか。
どちらにせよ、現在の量子力学の共通認識として電子の姿を問うことができないという一方で、粒子モデルで説明されることがあるという状況がどう両立しているのか疑問です。
このような疑問が起こるのも、つまるところ、観測されていない状態の電子を観測することができない(少なくとも現時点では)ことが原因でしょう。これは一見、当然で、だから、観測していないときの電子がどうなっているのか問うことは無意味ということになるわけです。
しかし、本当に、観測されていない状態を観測するのは不可能なのか?
現在、観測されていない時の電子の状態を観測できるのではないかと期待される理論が発表され、一部でですが、期待が高まりつつある状況らしい。
掻い摘んで言うと、量子的重ね合わせ状態を壊さずに観測することが可能だとする理論のようです。詳しく説明できるほど勉強してはいないのですが、一回の観測において得る情報量にある閾値があり、それを超えた情報を得るような観測を行うと重ね合わせを壊すから、閾値以下の少ない情報量に抑えたいわゆる弱い測定を行い、それを複数回繰り返して、平均をとることで、観測されていない状態=上下スピンが重なっている状態の電子を観測することが可能になるという理論らしいです。これが可能で、さらにより発展して、光の照射などの外部からの影響が実質0といえる状態の原子内の電子がどうなっているか、観測できるようになるかもしれない。そうなれば、観測されていないときの電子の姿を問うことに意味が出てくることになります。また、二重スリット実験で、スクリーンに到達した電子が、コペンハーゲン解釈の主張するように、本当に、波だった電子が壊れ一点に収縮しているのか、確認できるかもしれない。それが確認できれば、コペンハーゲン解釈はコペンハーゲン原理になるかも。または、全然予想もしていなかった変身をしているかも知れませんが。
A 回答 (3件)
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No.3
- 回答日時:
ちゃんと勉強してから質問しなよ。
あなただけ量子論基本を知らないために生じている疑問に、素人考えで色々仮説言われても、違うよとしか言いようがない。勉強すれば質問も具体的になるから。科学的な態度に、無知の知って大切ですよ。
No.2
- 回答日時:
数年前に物理学者と哲学者との会合があったらしく、『谷村ノート』と呼ばれたりする文章が出されていたりするようです。
これについては私は未読なのですが、他の方の話によると、そのなかで”観測”という単語について物理学者と哲学者とでコンセンサスが得られておらず齟齬が生じていたのではないか、と言っていたりしました。
(哲学には主観的観測という言葉がありますが、物理学では観測は客観的なものという前提です。)
何かの参考にでもなれば。
No.1
- 回答日時:
根本的には、
別の人が見たことを聞く
で解決する。
物理学的には、別の現象から推測することで解決って方法。
対象そのものを観測するのではなく、対象によって引きこされる別の現象から何が起きているのかを知るってこと。
('ω') 理屈はすげー簡単だけど、実はかなり難しい事なんだけどね。
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観測されていない状態を観測することに成功するということは、観測していない状態でも物事が確定していることを確認することになるという意味ではありません。やはり、不確定性原理は成り立っているでしょうから。そうなると、観測されていない状態の電子は、どんな姿で現れることになるのか?
仮に写真のようにデータを得ることができるなら、また、そのようにデータを処理できるなら、確率の雲のように、ぼんやりと拡がっているのか?それとも、粒子と波の両者が重なっている(想像を絶しますが)姿なのか?恐い気もしますが、ワクワクします。