No.8ベストアンサー
- 回答日時:
#3の回答が秀逸ですが「なぜ国民を徴兵しなかったのか?」というと、古代と近代以降しか「国民・市民」という概念がほぼ無かったからです。
ヨーロッパはギリシャ・ローマ時代に市民という概念が生まれます。王族や貴族が居るとしても平民は市民であり、参政権を含む諸権利を持ち、その代わりその権利を主張できる自分達の社会(ギリシャならポリス)を守るために徴兵を受け容れます。
このような社会では、王族は統治能力を維持できるだけの教育(帝王学・法学・行政学・会計・数学・軍事学・歴史など)教えて、次の統治者を養成する義務があり、貴族は騎馬や海戦などの知識と軍事学を次世代に教育する義務を負っていました。
しかし、ローマが崩壊すると、このような社会制度も崩壊し、実力者が群雄割拠する時代になっていきます。また地球寒冷化によって、食料自給が少なくなり、人口を維持できなくなったので実力者同士が争っていたとも言われています。
実は日本の戦国時代も寒冷化によって米がとれなくなり、より広い土地を求めて争ったのが元々の原因だという分析があります。
中世はこのように「領主が自分の支配地域を治める統治方式」に代わっていきます。このような形が進化したのが絶対王政です。
中世はまだ産業革命が起きていないので、すべて人力で行う必要がありました。寒冷化で土地の分捕り合戦をしていた時代なので、王や貴族という戦争で領地を守れる人たちは偉く権利があります。
逆に領地に住む普通の人々は農業生産に必要な人員であって「支配される側」特に権利があるわけではなく同時に義務も持っていませんでした。
ただ、彼らを戦争に動員してしまうと農作物の収穫量が減ります。ここで登場するのが傭兵で、隣国が大国で兵員を大量に用意できるなら、そこと戦うために傭兵を募集したわけです。
ちなみに、当時のスイスは高地で収穫量が少ないので、ほとんどの男性は傭兵としてフランスやドイツなどで戦っていた、ようです。
あまりにも勇猛果敢(なにせ死なずに帰っても、食べ物がなく親兄弟が困るだけなので死に物狂いで戦って大部分は死に、残った一部が大国で生活できた)だったので、のちにバチカン市国の警備を任されるようになります。
傭兵自体は古代からいましたが、市民を兵士にせず傭兵を大量に雇った時代は「農民(農奴)を使うと農業生産が落ちるから」です。
その代わり農民・町民には参政権などがありませんでした。ローマ時代、平民も徴兵される代わりに参政権があったのと逆で「保護されているなら権利は不要」という考えによります。
これに不満を募らせたフランスの農民や町民が参政権を求めて革命を起こしたのはご存じの通り、そしてあまり指摘されませんが参政権を得た市民はすぐに徴兵されるようになり、近代的市民軍ができていきます。
そして近代的民主社会はフランスなどの一部例外を除いて傭兵を雇わなくなり、今でも傭兵を雇うのは、王制国家や独裁主義国家などになっています。
No.9
- 回答日時:
一番原始的な形は、
民が王に守ってもらう代償に納税の義務の他に徴兵の義務も負っていて戦争などの時に兵として狩り出されていたという形でしょうか。
でも、この場合は、
兵には自分たちの国や家族を守るという士気や忠誠を期待できる反面、労働者が減って経済が停滞したり、種まきや臭感じに農民を徴兵したら、その年の収穫が打撃を受けるなどのデメリットもあります。
国が大きくなって、王直轄の常備兵などを持った場合、常備兵の士気や練度は最高だし、年間通していつでも戦えるけど、日常の経済活動で利を生むわけでは無く、国家経済に打撃になりかねない維持費がかかる。
傭兵はその中間。
戦いを仕事にしているので兵の練度は最高。お金さえ与えれば忠誠心も期待できる。常備兵と違ってこれから戦争をしようとする滝だけ雇えば良いので維持費は安くつく。
という感じで、傭兵を雇うメリットがあるんだと思います。ただし、古い時代の国の民は日々食べるものを得るのにかつかつの暮らしをしていて、国も傭兵を雇うほどの税金が得られていなかった。
ただ、そんな経済の貧しい国々の中から、傭兵が雇える豊かな国が出てきた頃から、傭兵という集団が職業として成り立つようになった。それがヨーロッパではギリシャのアテネやスパルタ。中東ではペルシャが勃興する時期。
と言うことじゃないですか。
No.7
- 回答日時:
少数が大きな土地を領有して多数を支配するには、軍事力を増やすのが
自然の流れでしょう。
支配した領地の人間を軍人にしたのでは常に反乱の心配をしなければ、
なりません、ローマー帝国では、ゲルマン人を傭兵として雇いました。
金で雇っているので、怪我や半身不随になろうが保障しなくて済みます。
フランスはドンパチの好きな人間を集めて外人部隊を作りました。
傭兵と武士の違いは、家族、郎党の丸ごと仕官するのと、単身での
違いと思います。
No.6
- 回答日時:
傭兵は古代ギリシャとローマで誕生しました。
ペロポネソス戦争(紀元前431-404年)では、スパルタとアテネが多くの傭兵を使用しました。 戦争が長期化し、都市国家の市民兵だけでは戦力が不足するため、傭兵の必要性が生じました。ローマ帝国では、領土の拡大と防衛のために多くの外国人部隊を傭兵として雇用しました。 特に後期ローマ帝国では、ゲルマン人や他の部族の傭兵が重要な役割を果たしました。
No.5
- 回答日時:
例えば、義経が平家を追った壇ノ浦の戦い。
陸戦では強い義経でも、海上の平家には手を出せない。海戦のため、瀬戸内海の海賊たちを臨時雇いして船も調達。あくまでも海戦限定ですから、期間限定の傭兵という形になります。秀吉の墨俣一夜城。尾張兵を動かすと、警戒される。そこで、美濃の豪族蜂須賀党に依頼し、材木などの調達をさせた。正規兵以外を使うことで、意外性のある作戦が可能になります。
No.4
- 回答日時:
かつて国家は王侯貴族のモノでした。
だから戦争も、彼等と傭兵でやりました。
つまり、王侯貴族だけでは不十分な
場合に傭兵を雇う訳です。
文化文明が発達した豊かな先進国になると
国民を兵隊として使うのが
難しくなります。
だから、国軍を補う傭兵の意義が
出て来ます。
近代史では、英国のグルカ兵が
有名です。
第二次大戦で日本軍とも戦いました。
1982年のホークランド紛争時は、大活躍しました。
WIKより抜粋
傭兵は自らの肉体しか財産を持たない男性が就き得る数少ない
職業でもあったため、その歴史は非常に古く、
身分や職業が分化し始めた頃にはすでに戦争に従事して
日々の糧を得る人々がいたと推測される。
古代オリエントでは徴兵軍、傭兵軍、
奴隷軍が軍隊の構成要素であった。
傭兵とその他の兵種の区別が容易になる古代以降では、
兵のなり手の少ない文化程度の高い豊かな国
(古代ギリシア、ローマ、東ローマ帝国、イタリア都市国家)
が雇う例や、
直属軍の少ない封建制国家の君主が、直属軍の補強として
使う例がある。
また、一般的に戦闘の際の臨時の援軍として使われた。
○余談
河野洋平、という政治家がおります。
河野一郎さんのお父さんです。
彼は、中国の主席、江沢民よりの政治姿勢
だったので
「江の傭兵」
とあだ名されました。
No.3
- 回答日時:
大昔は領主が私軍を持ち領地を支配し、その国同士が戦うときは私軍を差し向けた。
戦況が不利なので挽回しなければならない、もしくは戦況を有利に進めたいとなると、軍の規模を大きくしないとならないのだけど、領民を徴用するとか無所属の武装集団を雇いいれた。後者がいわゆる傭兵の始まりで、中世ぐらいのときに、当時の先進国であるイスラームの国に対抗すべく欧州で見られるようになったもの。前者は日本の中世では雑兵と呼ばれるようなもの。欧州では領民から徴用することは、さほど多くは無かった。領民に武器を与えることを嫌ったのかもしれないし、戦後、産業が機能しなくなることを嫌ったのかもしれない。
近代においては各国とも国家規模が大きくなるとともに国軍も大きくなったので、傭兵の需要は減った。当時の傭兵は戦争状態にない国での活動とか、そんなところで暗躍していた。資源がある国などにちょっかいを出させて政権を転覆させるような工作活動にも適用された。
イラクのサッダーム追放あたりから、戦後の駐留兵の軍事活動以外の部分のコスト圧縮が課題になってきた。基地の調理、ファシリティの維持管理なんかから始まって、兵站輸送あたりを請け負う会社が出始めた。これはちょっと前の傭兵集団が各国政府に取り入り、受発注しやすいように会社形式としたもので、民間軍事会社と呼ばれる。その後、現地の要人護送とかまで手を広げるのだけど、一応銃器の持ち込みとか護送警護時に殺人は免責になるよう調整しているらしい。段々と範囲は拡大しているけど、西側の民間軍事会社が正規軍が行うような戦争行為に至らないようには注意している模様。それでも過剰警護で巻き添え死する民間人は絶えない。
ロシアあたりの傭兵は、西側を真似して民間軍事会社を装っているけど、1960年代の傭兵と変わらない。というか、どこからも依頼がないのに政情不安定な国の独裁者に取り入って駐留、そこの国民を脅して鉱山を運営するといった商売さえ始めている。ロシア政府からウクライナ侵攻を受注して戦争に加わっているのは、むしろ古典的な汚い傭兵稼業といえる。もちろん、戦争を積極的に商売にしているので、民間人からの略奪なんてのは可愛い方で、敵兵捕虜を拷問する様子を捕虜家族に送りつけて身代金を取ったり、殺害後の死体の埋め場所を遺族に教える代わりに金をとったりする。
No.2
- 回答日時:
いつ頃からかは不明ですが、今のロシアを見ればおおよそ判るでしょう。
国内で徴兵しても兵士が足らない。
徴兵した兵士から戦死者が多く出ると、国内から不満が出る。
傭兵が戦死しても、どこからも批判はされない。
自ら希望してお金のために働く傭兵は、完全に使い捨てなのです。
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