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通常使用するカッターナイフの刃先形状はミクロレベルで見るとどのようになっているのでしょうか?円弧、矩形・・・・それともエッジ
それとその先端厚さは、どれくらいでしょうか?
(形状がエッジならば0ですよね)

ご存知の方、教えてください。

A 回答 (1件)

こんばんは。


金属材料学、熱処理の方面の者です。

カッター(一般の工作用)程度の精度を得るための刃先の形状は、モデル的にはエッジと考えてよいと思います。刃体角は30度前後です。単純に研磨剤で研磨しただけです(これをベタ研ぎと言います)。顕微鏡レベルで横から見れば鋸の刃のような凹凸があります。Vの字も乱れています。平均数ミクロン以上確実に有ります。

※但し・・・※
医療用刃物、最先端研究の為の極めて鋭利な刃物等は別です。
刃をエッジに研いだ後、「小刃」と言う、すこし刃体角が広い30~38度くらい)の小さな刃先を作ります。
小刃の先端の「小刃先」は円弧と矩形両方があります。小刃先が円弧の場合は直径は1、5~0,5ミクロン程度。矩形、つまり刃先が平面的な場合でも、底辺が1、5~0,5ミクロンに設定されます。

刃物の切れ味を左右するのは、刃対角だけでなく、鉄の結晶に含まれる、炭素鉄化合物(FenCn)や合金元素の炭素化合物(MnCn)の存在です。(nは任意数、Mは任意の合金元素)。これらは、0、5ミクロン以下のスケールの粒子です。ちょうど電動マルノコのチップソーの原理・・・鋼鉄の刃先に超硬金属が取付いている状態に似ています。

※つまり、鉄のベースの上に、セラミック級の高硬度の物質の粒子が鋸刃のように並んでいるため、押し切りする場合は圧縮に強く、また引き切の場合は、鋸の刃の働きをします。
※※そして、その炭素化合物を小刃先が支える為に、円弧、または矩形の1、5~0,5ミクロンの「巾」が必要になるのです。それを作る為に、機械的には最終仕上げ研磨後、スパッタリング、レーザーなどで小刃先を意図的にエッジにせず、円、ないし矩形に仕上げます。
※ちなみにそれ以上薄くしても、切れ味に変化がなくなります※

また、スパッタリング処理までは行かなくても、古典的に小刃を付け、小刃先を丸める技術があります。革砥で研ぐ方法です。(床屋さんが剃刀を研ぐとき、革ベルトで研ぐ方法です・・・量産の剃刀製造に応用されています)。また、さらに精度は落ちますが、包丁等でも仕上砥で軽く小刃付けをします。

他の専門サイトを見ると、この理論を知らない人がプロがなんと多い事か・・・残念な事です。
参考になれば。
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