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シクロオクチンが非常に不安定なのは、p軌道間の重なりが減少することが原因ですが、なぜシスシクロオクテンにも同様の問題があるにもかかわらず不安定ではないのはなぜでしょうか?わからないのでお願いします。

A 回答 (1件)

三重結合に使われるsp混成軌道は、本来180度の結合角を持つべき軌道です。


すなわち、シクロオクチンの場合には、三重結合の炭素2個と、それの両側に結合している炭素各1個、すなわち、合計で4個の炭素原子が同一直線状に配置される必要があります。
シクロオクチンの環を形成する炭素原子は8個ですので、その半分が同一直線上に並ぶことになります。
そうすると、残りの4個は、本来sp3混成で、109.5度の結合角を取るはずであるにもかかわらず、直線上に(すなわち180度の結合角で)並んで、なおかつ両端の炭素のC-C-Cの結合角が90度に近くなければ、結合の長さがとどかないことになります。

当然の事ながら、上述のような構造は不安定であり、結合角に大きな歪みがない限りは、シクロオクチン環を形成することは出来ません。
特に、三重結合付近の結合角を180度よりもずっと小さい角度にしなければなりません。

こういった事情で、結合角の歪みによってシクロオクチンは不安定であると説明できます。
このことをp軌道間の重なりの減少と関連づけて説明するならば、三重結合周辺の4個の炭素の配置が直線状からずれることによって、π結合形成に使われる2p軌道の対称軸が平行でなくなるために、重なりが小さくなり不安定になるということでしょう。

ただし、p軌道の重なりの減少のみが、シクロオクチンの不安定な原因であると断定してしまう考え方には賛成しかねます。
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この回答へのお礼

よくわかりました。ありがとうございました。

お礼日時:2005/11/21 21:59

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