dポイントプレゼントキャンペーン実施中!

海外の病院を訪問した際に笑気(N2O)抜きで麻酔をする(ハロセンのみ)という話を伺いました。
病院の所在地が高地なため(3000m)笑気を使うと患者に悪影響があるとの事です。
言葉の問題もありあまりちゃんと聞けなかったのですがこの場合どのようなメリット・デメリットが考えられますでしょうか?

A 回答 (2件)

いい質問だなあ! yamahaseca様の通りですね。



 科学の時間ですから、背景の要因を一つ一つ見ていきましょう。

 3000mの気圧といえば富士山の気圧。平地の2/3ぐらいですね。
 
 ボイル・シャルルの法則(懐かしい?)
混合気体全体の圧力(全圧)を p ,全体の体積を v ,全体の(AとBの合計の)物質量を n ,絶対温度を T とすると、pv = nRT。
理想気体の吸入麻酔薬でおんなじ物質量を与えたいとき、v’=3/2v で1.5倍の体積が必要になる概算(溶解度や平衡などの計算はこの概算では省略)。

 気圧と溶解度
 気圧が下がるとガスの溶解度は低下する。
 ちなみに沸点は笑気とハローセンでどれだけ違うか
 通常の気圧でも、笑気の沸点は(-88 °C)で溶解度は0.112 g in 100g waterなんでほとんど溶けない。(それに対してハローセンは沸点50.2 °C ですから非常によく溶けている状態。
 つまり、高地でのボイ・シャル則は笑気では利いてハロではフリーってことか。

 麻酔の効果
 水に溶けていないと効果がない。酒と同じだ。

 笑気はなぜ体の中に溜まるか
 ぐるぐる循環する血液になんとか溶けた(血液/ガス分配係数は0.47)笑気は、体のなかのほかのガスの溜まっているところに対して、腸、胸腔、(肺は最初からだね)において笑気の溶解度で決まる平衡状態に達しようとする。つまり血液からでて空間に移行する。窒素は血液/ガス分配係数0.016なのですんなり出てこん。閉鎖空間に笑気が溜まる。

 ちなみにどのぐらい閉鎖空間が膨張するか:計算式あるので笑気の濃度x%とすると、膨張倍率M=100/(100-x)。さて、普通の笑気:酸素比率=7:3をこの式に入れると3.3倍に膨らむことになる。この辺が限界。じゃあ、高地では、さっきの計算みたいに50%アップまでもっていくって(105%か)? (高圧かけなきゃ)無理。

 超高地での問題点というか限界1:笑気がその気圧では効果域に達しない。
 限界2.気圧の1.5倍近く高圧をかければ、効くかもしれんけど、高圧室(hyperbaric room)でないと、患者が爆発する。

 そいから、ハローセンは多分、安いからで、副作用が怖くないからではないとおもう。同じ仲間にはイソフルランとかあるが確かに高価。あと、ハロの理由はその際立って高い、溶解度かなあ。

 
    • good
    • 0

笑気自体は、日本でも使用する医師は少なくなっている印象がありますが、その理由は別に標高の事ではなく、別の理由があると思います。

一方、未だにハロセンで麻酔を行っているという点には、新鮮な驚きもあります。
さて、笑気は閉鎖腔内の気体と置換されますが、そのときに気圧が低いと予期せぬ閉鎖腔の膨張の危険があると思います。鼓膜破裂などの合併症も予想されますので、その点で使用が難しいのではないかと思いますが、それ以外にも理由がありそうですし、正直自信は無いです。ごめんなさい。
    • good
    • 0

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!