No.3ベストアンサー
- 回答日時:
航空機から落とされる爆弾と、艦砲の砲弾との速度の違いということですが、これは爆弾の重量やプラットホームとしての航空機の速度、それに艦船の方では搭載する主砲の口径でかなり違ってくるので、それをすべて比較するのは無理です。
そこでこちらで勝手に航空機と爆弾重量、そして艦船と主砲を限定した上で回答したいと思います。
また、現代戦ではあなたの質問にある戦闘はもうあり得ないので、第二次世界大戦当時の日本海軍の爆撃機と重巡洋艦に限定させてください。
まず航空機ですが、真珠湾やインド洋海戦で活躍した99式艦上爆撃機に250キロ爆弾を積んで、急降下爆撃をさせます。
艦船は重巡洋艦ですから、主砲の口径20センチ(20.3センチ)砲です。
後期型の99艦爆22型は最大速度231ノットですから、時速で427kmになります。ダイブ(急降下)に入るとそのもちろんその速度以上が出ますが、ここは最大速度で計算します。
搭載した爆弾は投下した時点で当然搭載機と同じ速度で落下していきます。そこに加速度が加わります。600から800メートルというのが当時の標準的な投下高度でしたので、計算すれば加速度が出てきますが、すみません、ここもはしょらせてください。ただそれほど大きな違いは出ないはずです。
重巡洋艦の20センチ砲は初速(1秒間あたりの速度)が840メートルですので、時速にして3024kmになります。
もちろん遠距離射撃の場合着弾時にはかなり速度も落ちているとは思いますが、これも想定した砲撃開始距離がないので、初速だけで計算します。
ということでほんの一例ですが、航空機から落とされる爆弾の着弾時の速度と砲弾の速度の違いは、砲弾が爆弾の約7倍ということですね。
砲弾が艦船の装甲を撃破するとはいえ、すべての装甲を撃破出来るわけではありませんでした。最も装甲の厚い砲塔部分では、結構砲弾はもちろん爆弾さえ弾き返していた事例もたくさんあります。
ちなみに20センチ砲弾で、2万メートルでは125ミリ、2万5千では96ミリ、3万では80ミリの装甲を撃破出来るとされていました。
急降下爆撃で艦船の装甲が撃破出来る最大の要因は、やはりその物理的な重量です。
アメリカの標準的な重巡洋艦の最も厚い装甲部分は150ミリ程度ありましたが、そのほかの部分、艦橋などの上部構造部や甲板などはほとんど装甲らしい装甲もなかったので、250キロという重量の鉄の塊が空から落下してくれば、案外簡単に突き破ったはずです。
大変参考になりました。
砲弾は初速があるので、やはり急降下爆撃とは比べ物にならない速度で衝突するわけですか。
それでも上部甲板は突き破れるものなんですね。
No.9
- 回答日時:
No7の者です。
急降下爆撃のみで戦艦が撃沈された例はありません。
雷撃や砲撃を伴わない爆撃のみで戦艦が撃沈された例は、
* 真珠湾攻撃で、アリゾナが日本の艦攻による水平爆撃(800キロ)で火薬庫誘爆・沈没。
* ノルウェーのフィヨルドに潜んでいたティルピッツが、イギリスの重爆による水平爆撃で沈没。
* イタリアが降伏して連合軍に鹵獲されたローマが、ドイツ軍の誘導爆弾(1トンくらい)を受けて沈没。
沈没に至らない例としては、マレー沖海戦で日本の陸攻が巡洋戦艦レパルスを編隊で水平爆撃し、250キロ爆弾を一発命中させました。プリンスオブウェールズにも水平爆撃の命中弾があったようです。いずれも、爆弾が小さかったので致命傷にはなっていません。
No.8
- 回答日時:
既に皆さんの御回答で明らかと思いますが、質問者が誤解されている部分について補足させて頂きます。
基本的に急降下爆撃機はその運動性を保持する為単発機が多く、また急降下時の加速度に耐えられるように頑丈な構造になっています。
この為爆弾の積載重量が制限され第2次大戦当時ドイツの急降下爆撃機で500Kg、日本の艦上爆撃機で250Kg、アメリカ軍の艦上爆撃機で300Kg位でした。
これに対し戦艦の40センチ主砲の砲弾は1000Kgを越える弾量です。
従って急降下爆撃での加速度を考慮しても着弾時の加速度は大きく異なります。
航空攻撃は艦上の構造物(弱い装甲の砲座、対空砲や機関砲の暴露砲座など)を破壊し暴露砲員を殺傷するのが目的で爆弾構造や信管の設定がなされています。
従って強固な装甲板を貫徹するようになっていないのが通常です。
砲弾の場合も同様強固な装甲部分を貫徹するには弾丸重量の大きい摘甲弾を用い信管も短延期信管や遅発信管を使用して装甲板を貫通後に爆発させるのです。
砲撃では連装砲塔の数基が一斉に射撃し着弾はある分布界に分散しますがその範囲内に敵艦があるように修正しつつ射撃して命中を狙うのと射撃速度が速いので航空攻撃より命中率は高いのです。
No.7
- 回答日時:
1. 戦艦といえども、フネの多くの部分は「非装甲」です。
分厚い装甲で守られているのは砲塔
弾薬庫・火薬庫
機関部
という、損傷が致命傷になりうる部分のみで、これを「バイタルパート」と言います。(第二次大戦当時の話)
戦艦のバイタルパートは、急降下爆撃では損傷を与えることはできません。800キロ~トン単位の爆弾を、遥かな高空から水平爆撃で投下しなければなりません。
動いている目標に対して水平爆撃を行うのは通常不可能ですので、戦艦に対する航空攻撃は魚雷攻撃が有効です。武蔵や大和が沈んだのは、魚雷多数の命中によるものです。
2. 最近公開された「男たちの大和」と言う映画では、急降下爆撃や機銃掃射が戦艦に何を与えるかが良く描写されていました。これらではバイタルパートに損害を与えることができませんが、その外にいる乗組員を殺傷し、対空砲火を放てなくする効果があります。機銃台や高角砲は防御皆無が普通ですので、機銃掃射で兵員は死に、急降下爆撃を受ければ高角砲塔や機銃座は吹っ飛びます。これと並行して魚雷をたくさん当てればどんな戦艦でも沈みます。
仮に魚雷攻撃を一切しなければ、乗員がほとんど死んだ「浮かぶ鉄屑」が燃えている状態になります。
3. 戦艦より防御力の弱い空母、巡洋艦、駆逐艦、商船であれば、急降下爆撃でも沈みます。
No.6
- 回答日時:
皆様勘違いされているようですが、急降下爆撃とは、急角度による爆撃で、スピードが速い爆撃ではありません。
第二次大戦のころの機体で、スピードを出して急降下すると空中分解します。そのため急降下爆撃のときはスピードを落として降下します。(ダイブブレーキ)急降下爆撃の意味は命中率のアップで(と対空砲火を避ける)、目標は主に空母の甲板や巡洋艦以下の軽艦艇になります。よって威力は巡洋艦の主砲や魚雷、高高度水平爆撃に比べはるかに弱いものとなり、戦艦にはたいしたダメージは与えられません。(当時の戦艦は第一次大戦の戦訓を取り入れ分厚い上面防御を取り入れています)速度の違いはANo.3さんの計算を利用させていただきますと、十倍くらいではないでしょうか?No.2
- 回答日時:
こんにちは。
遠距離砲撃の垂直落下弾で考えると非常に判り易いと思います。
水平甲板に対する爆弾の速度は落下速度となりますから、同じ高さまで上昇した砲弾とその高度から投下された爆弾では、質量(重さ)が同じなら水平面に対しては同じ威力を持ちます。
急降下爆撃の場合、爆弾を離すタイミングが問題になります。
自由落下の場合の速度が急降下してる飛行機の速度より大きくなるまで爆弾を抱えてるとその分、落下速度をロスする事になりますが、その前に爆弾を離せれば、自由落下に初速が加わった速度になるので貫通能力が大きくなります。
ただし、爆弾自体の強度が問題になるので、やみくもに早くすればいいって物でもありません。
有名な所では真珠湾攻撃に使われた爆弾は、91式徹甲弾に載せ代えて陸揚げされた戦艦長門・陸奥の主砲弾をちょっと細工して飛行機に積めるようにした物だそうですが、これは、当時日本軍が持ってた航空機用の徹甲弾では弾体が弱くて(つまり命中と同時に爆弾が潰れてしまう)アメリカの戦艦の装甲を抜けない事が判ったからだそうです。
そうですか。
水平面に対して(この場合上部装甲なので)は高度の差が威力差ですね。
遠距離砲撃の場合、砲弾ははるかに高度に達するのでより効果的ではないかと思います。
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