
こんにちは
こちら↓の質問でも少しふれられていますが、
http://okwave.jp/qa210477.html
独立戦争を描いた、映画『パトリオット』で出てくる戦闘シーンを見て、
大変奇妙な戦い方に見えました。
鉄砲を持って横列にならんだ両軍が向かい合って、交互に一斉射撃をする
というものです。
当時の鉄砲は大変命中率が低かったのと、装填に大変時間がかかった。
ということを聞いたことがありますが、
なるべく兵力を失わないためにも、射程距離に入ったら、すぐ撃つのが自然じゃないでしょうか?
それをかわりばんこに一斉射撃をするというのは、運動会みたいで(笑)
そういう古風な、戦争のルールみたいなものがあったんでしょうか?
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
時代はまずアメリカ独立戦争ですが、
ここに登場するイギリス軍の戦術は
すでに少し古いものです。
フリードリヒ大王の時代の
横隊戦術全盛期の頃のものを踏襲していて
映画でいえば「バリーリンドン」と同じ。
実際、イギリスの植民地軍は
かなりがドイツ人傭兵で構成されていて
ワシントン将軍が起死回生の大勝利を収めた
デラウェア渡河作戦は映画化されてますが
あの戦いも相手はヘッセン兵(現ドイツ)です。
アメリカの義勇兵は散兵戦術やゲリラ戦
(といってもゲリラ戦が定義されるのはナポレオン戦争ですが)を
展開して、柔軟性のないイギリス軍の横隊戦術を盛んに
悩ませました。
イギリス軍はこの戦争の反省から
ナポレオン戦争の頃には歩兵戦術を変革させ、
散兵を活用したり、横隊隊列を薄く長くして
火力集中を強めたりします。
クリミア戦争で謳われた”thin red line”は
集大成であり、かつ隊形戦術の最後の活躍でもありました。
フリードリヒ時代の横隊戦術は
一挙手一投足まで士官号令のもとに行うもので
ユニット(部隊)を一つのマシーンとして活用するものでした。
それに対して個々の人間の自主性を活用するのが
アメリカ大陸軍や、革命フランス軍などの
新しい戦術の波です。
アメリカ独立戦争はその変革期にあたるために
戦術としては古く非効率なものが用いられたので
実際問題としてイギリスは勝てなかったわけです。
あと射程(ちなみに射程距離という言い方は日本語の間違いです、
射程に距離の意味があり二重表現になります)
に入ったら撃つというのは、
軍事的・科学的な常識からいって大間違いです。
射程内でも、遠ければ遠いほど命中率は落ちるわけで
連射が聞かない以上、できるだけ引きつけて発砲するのは
当然の行為です。
弾薬も無限にあるわけではなく、有効射程は100メートルくらいあっても
実際には30メートル以内でないと確実には倒せません。
逆に、早めに撃ち出すと、弾は当たらず、
無駄な射撃と装填している間に
敵には容易に接近されて、
至近距離から敵の一斉射撃を受けることになります。
だから歩兵教則でどの軍隊でも十分な距離まで
接近しないと発砲してはならないと決められていました。
これを破って恐怖心から遠めで発砲を開始するのは
軍人としてもど素人で、この時代なら臆病者と評価されます。
敵の白目が見えるまで接近しないと撃つなというのが
ベテランの有名な教えです。
一斉射撃が交互に行われた、というのは
単なる映画の撮影と表現の都合でしょう。
実際には別に交互である必要もなく、同時に発砲することもよくあります。
しかしさっきいったようにできるだけ近くで
一斉射撃をしたほうが効果的なので
チキンレースみたいなところがって
我慢して我慢して接近してズドンとやるわけで
しかし近づきすぎて敵が先にズドンとやると
こっちは兵隊が死んで射手が減るわけでそうなると
まずいので、ギリギリのラインで駆け引きしながら
どっちが撃つか、先か後か、勝敗をわけるポイントになるわけです。
>チキンレースみたいなところがって
我慢して我慢して接近してズドンとやるわけで
あの戦闘シーンは、私にはあんまりそういう風に見えなかったんですが、
基本的にそういう意味なんですね。ありがとうございます。
No.6
- 回答日時:
あの時代の歩兵は集団隊形です。
なぜかというと、他の方も指摘されているように、当時の兵隊の多くは傭兵だったのです。だから、いざ戦争となるとやっぱり逃げたくなります。逃げられないように、集団隊形を取ったのです。#2さんもおっしゃられているように、フリードリヒ大王の時代の軍隊では士官は右手にムチを、左手に拳銃を持っていました。言うことを聞かない奴はムチをふるい、どうしても言うことを聞かなかったり逃げようとする奴はズドン、です。しかし独立戦争のアメリカ軍(実際は軍と呼べるほどの組織でもありませんでした)の長所は「とにかく士気が高い」ことです。みな、独立を目指して自主的に立ち上がった人たちなのです。まさに「ボロは着てても心の錦」というやつです。
ですから、ムリに集団にしなくても逃げる心配はなかったのです。ですので割と柔軟な戦術が使えたのです。
とはいえ、しょせんは素人集団。#5さんのおっしゃられているとおり英軍が来ればまさに鎧袖一触という感じで一蹴されます。戦えば必ず負けたのです。当時の独立軍の様子はかなり悲惨だったようです。冬でもはだしの兵隊がざらにいたようで、武器も食料も弾薬も常に不足していました。
しかし、ガッツだけは無尽蔵にありました。負けても負けてもくらいついていたのです。野球でいうと、何点取られても、回が12回になっても20回になっても「まだやる」と続けたのです。
また一方、フランスの支援の下、ジョン・ポール・ジョーンズという人が大英帝国海軍を相手に奇跡の大活躍をします。彼の活躍のおかげで英軍はアメリカへの補給に苦労しました。今でも「ジョン・ポール・ジョーンズ」といえばアメリカ海軍を指す言葉です。映画「13デイズ」では海軍の提督が「我々はジョン・ポール・ジョーンズです!」と誇らしげにいい、マクナマラが「何がジョン・ポール・ジョーンズだ」と毒づくシーンがあります。
少し話題はそれますが、私が若いとき「第一次サバイバルゲームブーム」が起きました。私もそのときやっていたのですが、当時のエアガンは一発ずつ装てんしていたので当時の銃に近かったと思います。
まず始めはだいたいへっぴり腰で遠くから撃ち合います。戦いに決着がつくのは、先に弾を撃ちつくしたほうが撤退するのです。
やがて慣れてくると自分の銃と相手の銃がどこまで届くかがわかってきて射程範囲内まで撃つことはしなくなります。慣れてくると「突撃!」なんてやることもありましたね。
アメリカ独立戦争の後、欧州では不世出の天才軍人ナポレオンが現れます。彼の軍隊ル・グランダルメは無敵の強さを誇りますが、それはフランス革命に基づいた士気の高い兵隊のおかげなのです。それから時代は傭兵から国民兵の時代へと移行していくのです。
No.5
- 回答日時:
こんにちは。
アメリカ独立戦争は、『イギリスとプロシアの連合正規軍』対『アメリカ移民のゲリラ軍』という、世にも奇妙な地域紛争です。
NBAドリームチームと地元中学生のバスケットの試合のようなもの。 ゲリラが時の声を上げると、正規軍が追い散らす。 この繰り返しが延々と五年も続いたので、イギリス軍は嫌になって。独立を認めたというのが真実です。
局地戦を星取り表にしたら、」イギリス軍の百勝ゼロ敗なのに、総合的にはゼロ勝のアメリカの判定勝ちに終わったのです。 歴史とはこういうものなのです。
No.3
- 回答日時:
交互に撃つというわけではありません。
装填が終わったら撃ちます。ただ、何れも20秒から30秒かけて弾込めをするので交互に撃っているようになるのです。更に近代戦みたいに命中精度の良い銃なら先に撃った方が有利ですが、届くかどうか判らない状態で射撃を行うのはリスクです。先に撃って敵兵を何人か倒したとします。そこは射程圏内となりますので、撃たれた方は駈足で射程を詰めて撃てば効果が上がるのです。つまり先に撃ってしまうとその距離が有効なのか無効なのか相手に教える結果となるのです。
特に英国は現代に至るまで志願制軍隊ですので練度が高く、銃剣攻撃ではまず負けない軍隊として有名なのです。
飛距離150m、有効射程50m、弾丸初速75m/sのエアガンを何挺も用意して実験してみましたが、当ると判った後の反撃は恐ろしいです。
>つまり先に撃ってしまうとその距離が有効なのか無効なのか相手に教える結果となる
>当ると判った後の反撃は恐ろしいです。
なるほど。そういうことですか。ありがとうございます。
No.1
- 回答日時:
若干、あやふやな知識もあるので、参考意見として回答します。
アメリカ独立戦争の頃の英軍は、たしか傭兵が中心だったと思います。
本当なら、アメリカ独立軍のように、敵が見えたら散開して遮蔽物に隠れながら射撃した方が、兵員の損失も少なく効率的なのですが、祖国独立のため自主的に参加している独立軍の兵士と違い、傭兵がバラバラに散開してしまうと、どうしても逃亡兵が出てしまいます。
この逃亡兵が出ないようにするため、傭兵が主力の英軍はあえて兵士が逃げられないように、密集隊形を崩さないわけです。
参考:『戦術の世界史』-『18世紀』
http://www.k2.dion.ne.jp/~tactic/18.html
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