No.3ベストアンサー
- 回答日時:
これは yoisho さんが回答されている様に,普通の溶媒(重水素化されていない溶媒)ではそのシグナルが強く出てしまい,目的の化合物のシグナルがノイズに埋もれてしまう程小さくなってしまうからです。
例えば,分子量 300 の化合物 30 mg を 1 ml の重クロロフォルムに溶かして測定するとしましょう。この化合物は 30/300 = 0.1 mmol です。一方,溶媒の重クロロフォルム(CDCl3)は分子量 120 で密度 1.5 ですから,1 ml 中には 1x1.5x1000/120 = 12.5 mmol 存在します。
この様に,化合物に対して溶媒分子は 100 倍以上存在するため,重化溶媒を使用しないと,化合物のシグナルは溶媒シグナルの1%程度になり,ほとんどノイズに隠れてしまいます。
なお,kumanoyu さんがお書きのロックシグナルですが,これは上記の理由で重化溶媒を使用する事から溶媒のDのシグナルをロックに使用する様になったものです。実際,マニュアルでシムを上げる(分解能調整を行なう)場合には,ロックをかけなくても測定できます(勿論,四塩化炭素でも)。
さらに余談ですが,昔のCW型NMR装置ではTMSのシグナルをロックに使い,マニュアルで分解能調整を行なっていました。
この回答へのお礼
お礼日時:2002/08/10 06:30
さすが専門家さんですね!
なかなかNMRも奥がとっても深そうな気がしてきました。
勉強しないと・・・
どうもありがとうございました。

No.2
- 回答日時:
私が学生時代に使っていた60MHzのFTでないNMRでは四塩化炭素(CCl4)でも測定できました。
ところが、最近のほとんどのFT-NMRでは四塩化炭素では測定できません。
詳しいことは良く知りませんが、ロックシグナルの検出に重水素(D)が必要らしいんです。
それで重クロロホルムCDCl3やDMSO-d6などの重水素化溶媒を使うようです。
まあ四塩化炭素は毒性的にも環境的にも良くないので、今となっては使う意味もないですけどね。
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