No.3ベストアンサー
- 回答日時:
フセイン政権時代のイラクの内政が、現在ほど注目されていなかったのが実情ではないでしょうか。
以下引用
『軍事板常見問題』より
http://mltr.e-city.tv/index02.html
「イラク戦争FAQ」から
http://mltr.e-city.tv/faq.html
【珍説】「イラクは国家として纏まりにくいため、フセインが独裁的権力を振るうのはやむを得ない」???
http://mltr.e-city.tv/faq01b.html#autocracy
【事実】フセイン政権下では、国が纏まるどころか、石油利権の分配が難しくなると共に、同盟部族の反乱や親族の権力争いが起きるようになっていったのが実情。
例えば酒井啓子『イラクとアメリカ』(岩波新書、2002.8)によれば、以下のような反乱・内部抗争が起こっている。
<95年5月には、「共和国防衛隊の高級将校を多く輩出し、親政府部族として協力関係にあったドゥレイミ部族(スンナ派、イラク西部出身)が反乱を起こした。親族の一人がクーデター未遂事件に連座したとして処刑されたことに反発しての反乱である。
反乱自体は数日で鎮圧され、地域的広がりも見られなかったが、同じようにこれまで軍を任せていたジュブーリやシャンマルなどの同盟部族もまた、相前後して反旗を翻した。彼らは同じスンナ派の部族で、イラン・イラク戦争で兵員不足が深刻化した折、政府が急遽これらの部族に協力を仰いで、兵士を掻き集めたのである。その彼らが反乱したことは、政権を支える部族間協力体制の一角が崩れたことを意味し、政権の安定性に大きな影響を与えた。
だが、この忠誠ネットワークの崩壊は、部族同士の同盟関係に留まらない。翌月には大統領長子ウダイが、大統領異父兄弟で内相のワトバーン・イブラヒームに発砲、これを負傷させるという、一族内のスキャンダルが発生した。ウダイの行状は、これまでもさまざまなところで取り沙汰されている。
折しもアリー・ハサン国防相は、ドゥレイミ反乱の責任を取って辞任させられていた。
その裏では、政治的や心を高めるウダイが、伯父筋に当たるワトバーンやアリー・ハサンを追い落とし、政府要職を狙っていたのではないか、と囁かれていた。
そのことを最も恐れたのは、ウダイと並んでフセイン大統領後継者候補に名を連ねていた、大統領娘婿のフセイン・カーミル石油相(当時)である。次にウダイの標的になるのは自分か、との危機感から、95年8月、彼は突然、隣国ヨルダンに亡命する。
〔略〕
親族内の不協和音は、その後96年末に大統領長男のウダイが暗殺未遂事件に遭い、下半身に障害を残して事実上、後継争いから脱落した、という事態にまで発展したが、そのピークを越えると、フセイン政権は安定を取り戻した。フセイン親族内では次男のクサイしか実質的な後継者はいないということで、混乱は落ち着いたのである」>
フセイン政権下でもシーア派の宗教対立があったとされる情報もある。
<「イラクのシーア派は、外見は一枚岩のようでも、内部では金と権力、名声をめぐって憎悪と敵対心が渦巻いている。暫定政権の樹立プロセスに直接選挙を含めるべきだと唱えてアメリカを困らせているアリ・シスタニ師(73)でさえ、絶対的な権力はもっていない。
ナジャフでは、彼を含む4人の大アヤトラ(最高位のイスラム聖職者)が権力を分け合っている。シスタニ以外の3人は、宗教の政治的役割を限定的なものにとどめようと考えているようだ。
有力なシーア派指導者の一部は、こうした考えに強く反対している。とくに強硬なのが、若い聖職者ムクタダ・アル・サドルだ。彼は民兵組織「マハディ軍」を擁し、反米感情をあおる説教をナジャフ近郊で行っている。
サドル派とシスタニ派は、何年も前から反目し合ってきた。
ハキム家とサドル家はともにイラクのシーア派の名門だが、フセイン政権時代、ハキム兄弟はイランに逃れた。サドル家はイラクに残り、サドルの父ムハンマド・サーディク・アル・サドルは、ナジャフの宗教学校の運営に携わった。
そのため、サドル家はハキム家を「イランの犬」と非難。逆に、ハキム家はサドル家を「バース党の犬」と呼んでいる。
99年、フセインを批判したサドルの父は、銃撃を受けて死亡。フセイン政権の崩壊後、息子が勢力を盛り返した」>(ニューズウィーク日本版 2003年12月17日号 P38 抜粋要約)
(以下引用省略)
より詳しくは参照HPをご覧ください。
ありがとうございます!
治安が安定していたわけではないのですね。注目されてなかっただけで反乱なども起こっていたのですね。
正確かつご丁寧な解答をありがとうございました。
No.6
- 回答日時:
こんばんは、おめでとう御座います。
単純に比較など出来ようはずがありませんが、死者数だけをみるならば
圧倒的にアメリカ侵略(あえてこの言葉を使います)後の方が多いいのです。
英医学誌「ランセット」によるとこの侵略による直接または間接的な
死者数は06年6月までに、65万5千人に及ぶ調査結果を発表している
のです。間接的とはこの侵略により直接死んだイラク人以外の数字で、この
侵略に起因するであろうと思われる死者数の総数であります。
フセインの統治が良いとは言いませんが、いずれ100万人を越すであろ
うイラク人の犠牲者に対する責任を、一体この先誰が負うのかを考えた時、
アメリカや日本の行ってきた事の重大さとフセインのやってきた事の比較
は、簡単には出来ないのではないでしょうか。
アメリカが今まで行ってきた事は武力による恐怖弾圧そのものなので、
見ようによってはフセインやジョンイルと同じなのではないでしょうか・・・
No.5
- 回答日時:
#4です。
非常に単純に言えば、フセインはイスラム至上主義に則った政治を目指さなかった。イスラム原理主義からは距離を置いて、厳格な宗教主義に左右されない政権を作ったのですね。突出した宗教化政策はしませんでした。
代わりに自分の政策に反対する、危なそうな人物には徹底的な弾圧や粛清が行なわれました。秘密警察もあって恐怖政治だったわけです。
その微妙なバランスの上(即ちスンニー派、シーア派ともに政権運営には不満はあるが、自派にとって大きなに痛手になっていないという)立っていたから、独裁政治でしたが、民主の生活自体は比較的平穏でした。
そのタガを外してしまったのがアメリカです。
ありがとうございます。
>その微妙なバランスの上
>(即ちスンニー派、シーア派ともに
>政権運営には不満はあるが、
>自派にとって大きなに痛手になって
>いないという)立っていたから
なるほど。
それは非常に示唆的ですね。
No.2
- 回答日時:
>フセインの方がブッシュより治安維持力があった?
フセイン時代の政治は恐怖政治ですから、治安能力があればといえばそうかもしれません。
ただ貴方自信、北朝鮮の金正日に治安能力があるとお思いですか?
自分に反対意見を言うものは処刑、または強制収容所送り、言論の自由もなく、密告制度を尊重し国民を恐怖の元に統治する。
フセインも同じ事をやっていたんですよ。
そんな治安統治はは自分は嫌ですけどね
だからテロリストはその気になっても内戦は無理だったんじゃないですか?
疑わしいもの、例えばクルド人のように反乱の兆しがあるものは徹底的に弾圧していたわけですからね。
貴方は米国式の「罪を行ったものは(一応)裁判をして裁く方法」と
フセイン式の「疑わしいものは裁判もなく、家族ごと全員殺す方法」
どっちが治安維持に役立つと思います
治安維持においてはフセインや金正日の方法は倫理の善悪はおいておいて、理想的な方法です
No.1
- 回答日時:
>フセインの方がブッシュより治安維持力があったということでしょうか?
>>すると、今のテロリスト達は、フセイン政権下でも「その気になれば」内戦状態を作ることが出来たということでしょうか?
<聖戦の概念自体>がなかったから、した訳がない。
フセイン統治時代には、ザルカウィ(イラクのアルカイダ・リーダーで六月に死亡)が北部に潜伏してた。が、そのときは聖戦の概念は存在しなかったため、サダムを狙う必要は無かった。
今テロリストらの聖戦の唯一の目的は、英米軍をたたき出すこと。 きゃつらが居なくなれば、テロリストはテロリストではなくなり、元居た国へ帰るだろう・・・。
ブッシュに敗軍の将になるだけの度胸はない。
だから、いつまでたってもイラク戦争は続けられるのだ。
因みに次の大統領候補がイラク戦争継続を訴えたら、そいつは誰であろうと落選するだろうよ。
マッケイン、ジュリアーニ、ヒラリー・クリントン、オバマ・・・・・。誰がなってもだ。
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