電子書籍の厳選無料作品が豊富!

現在の人類(ホモサピエンス)は遺伝子のミトコンドリアを分析すると約15万年前,アフリカの一人の母を起源とする説が,また2001年に発行された”イブの7人の娘たち”はその説を裏付けるものとして学会に衝撃を与えて,今では主流の考えになっています。
しかし,形態的な連続性から東アジアのモンゴロイド-世界人口の大きい割合-に適用できるのか。新人の変異の根拠は何なのか。第一次脱アフリカの系統から変異が何故でなかったのか。
日本人のGm遺伝子を分析したところ南方系の割合は8%としていますが,形態的にはとてもその程度とは思えません。
遺伝子学に落とし穴があるのではと疑問を持ちますが,ご意見をお願いします。

A 回答 (3件)

No.2です。


専門とはいいがたいので、返答するのも申し訳ありませんが、
>豊富な化石が揃っている中国の考古学者は化石(北京原人)に現代人に繋がる形態的な連続性を指摘しています-多系統起源-。

とのことですが、他地域間(アフリカであったり、ヨーロッパであったり)もしくは個々の地域内での考察が十分になされない限り、十分な論証がなされていないと感じますが、いかがでしょう。結構中国の学者はその辺我田引水の人もいますので。ただ、ここでは形態連続性自体は異論のないものとします。

>西半球(コ-カソイド-アフリカ)と東半球(モンゴロイド)では人間としての骨格や筋肉が根本的に違いすぎます。そのことについて日本の高名な学者は「温度」としていますが,矛盾を感じます。

これについては矛盾を感じることについて説明がありませんので、論評が難しいです。「私は矛盾を感じません」ともいえますので。個人的見解では、チワワとダックスフントとセントバーナードは根本的に違うように見えますが、単系統起源であることは否定しがたいでしょう。進化学にはランナウェイ仮説というのがあって、小集団が特定の志向性を持った進化をしたために、集団間の差異が強調されるといったことも考えられるようです。

次に、イブ仮説と化石の形態連続性について、どう考えるかですが、まず、「よりシンプルで理解しやすい概念を採用する、それでは不可能な場合のみ、次の概念を採用する」というのが正しい論理の立て方だと思います。
そうすると
論A
連続性は正しい以上、イブ説は間違っている。
論B
イブ説が正しい以上、連続性は間違っている。
論C
イブ説、連続性説がいずれも正しいうえで、解釈が可能である。

とすれば、まずは論Cをベースに考えるべきである、ということになります(A,Bから始めると収拾がつかない)。そうすると両説のベースが正しいとして、それをどう解釈するかということになります。
論C-1
単系統説をとる場合、形態連続性は収斂進化の結果と解釈すれば一応の矛盾はありません。収斂を事実と肯定することも否定することも現時点の知見からは困難ですが。
論C-2
多系統説をとる場合、前述のとおり、分子レベルでそれを裏付ける結論がなんら得られていないのは痛いです。少なくとも中国のどの民族もミトコンドリアレベルで北京原人の血筋が見出せないのは、基本的には説明困難です。

以上の考察により、論C-1をとるのが、現時点では無難と私は考えております。繰り返しになりますが、連続性については解釈は苦しいところではありますが、それだけではイブ説を捨てるほどの証拠とはならない。それだけ現状では強力な説ということです。

極力公平に我田引水にならないように心がけましたが、何分知らない分野も含まれますので、失礼があったらお詫びいたします。

この回答への補足

論C-1の収斂進化が妥当というご意見ですが,北アジア・モンゴロイドと北方ヨーロッパでは”寒冷適応”が大きく異なりますが,この現象も収斂進化と説明出来るのでしょうか。

補足日時:2007/01/09 15:37
    • good
    • 0
この回答へのお礼

系統的なご回答有り難う御座います。
イブ説が発表されて,たかだか20年しか経ていません。人類起源説のような分野は一つ有力な説が発表されると一気にその方向に傾くのが例が多いため質問を出してみました。
矛盾の内容ですが北アジア・モンゴロイドと北方ヨーロッパでは寒冷対応の結果が大きく違うという意味です。

お礼日時:2007/01/04 06:58

>アフリカの一人の母を起源とする説が,・・・



と言うのは厳密には疑問があります。ざっくりいうと、人類の起源については従来より多系統起源と、単系統起源の2説があり、イブ仮説は遺伝子レベルで単系統説を支持する発見という解釈が素直です。それを「一人の母」といっているのはむしろ比喩的なもので、「一人」ではなくとも成立する話です。

「学会に衝撃を与えた」というのも・・・。あの頃の学問のイメージでいくと、多くの単系統を支持する学者が存在し、重要な研究ではありますが、まったく新しい概念を生み出したとか言う話ではない様に思います。比較的冷静な受け止め方をされていたと感じます。その年代的には衝撃を与えたかもしれませんけど。
過去において多系統起源が主流であったかのようなことを信じているなれば、基本的には誤解です。

さて、いろいろとご疑問があるよう見受けますが、基本的にはチンパンジーとヒトの分岐年代が分子レベルで出たときの伝統的な分類学者の反論そのままという印象を受けました。一つ一つの例示の言っている意味がよく理解できず、具体的に回答できないことをお詫びいたします。ただ、多少反証の根拠が甘いように思います。例えば、分子レベルで他系統起源を実証するような結果が出ればそれで済む話ですが、イブ仮説以後、おそらくは多くの遺伝子が分析されたことと思いますが、イブ仮説と決定的に相容れない結果が出てきたことは知られていません(私は現在はこの方向の情報を追っていないので最新の知見まではフォローできませんが)。データの裏づけのない反論は学問の世界では受け入れられないと思います。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

ご回答有り難う御座います。
subaruさんのご意見には納得します。イブ説は有力な起源説ですが,単なる事象を説明しただけで,考古学には何ら証明されていない説だと思います。
豊富な化石が揃っている中国の考古学者は化石(北京原人)に現代人に繋がる形態的な連続性を指摘しています-多系統起源-。
西半球(コ-カソイド-アフリカ)と東半球(モンゴロイド)では人間としての骨格や筋肉が根本的に違いすぎます。そのことについて日本の高名な学者は「温度」としていますが,矛盾を感じます。
この疑問についてご回答を頂ければと思います。

お礼日時:2007/01/03 21:02

ネットで簡単に記事を読んだだけなので詳細は知りませんが、去年あたりにミトコンドリア遺伝子は父方からも遺伝する例外がある、という論文が出されたようです。



生物カテゴリの方が詳しい方がいらしゃるかもしれません。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

早速のご回答ありがとう御座います。
人類の起源,日本人の起源,あるいは各論としての邪馬台国の謎,大和朝廷成立の謎等,完全に解決されたものがありません。次々と新説が出てきて,何を信じるかは受ける側の知性と感性を問われているようにも感ぜられます。

お礼日時:2007/01/03 17:04

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!