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 ドストエフスキーの小説を読んでいると、色彩表現の中でも「黄色」という色がよく出てきます。ロシアの人々は、「黄色」という色に、どのようなイメージを持っているのでしょうか。教えてください。よろしくお願いします。

A 回答 (1件)

ドストエフスキイは小説の中で色が読者に与える影響を利用したといわれています。

黄色は彼の小説の中でも特に多く使われていますね。

『罪と罰』を例にとってみてみます。

黄色は「黄色い木製の家具、黄色い窓枠、黄色いソファー、黄色い顔・・・」など暗い色調から明るい色調までさまざまなところで出てきます。まず黄色は太陽の色であり、「軽快さ、束縛されない、社交性、勇気、好奇心、自由」などのイメージをもっているそうです。それとともにロシア語の「黄色」という響き(жёлтый:ジョールトゥィ)を繰り返すことによって、そわそわと落ち着かない感覚を読者に与えているという指摘もあります。

また、黄色以外にもドストエフスキイは作品中でさまざまな色を描写しています。その一例を挙げます。

赤:血の色、活動の開始の暗示、血が沸き滾る色の象徴。
  ポルフィーリイの名前にも「赤」というイメージがあるが、これは「炎」をイメージさせる。

ピンク:ラスコーリニコフの名前、「ロジオン」を想起させる。優しさ、繊細さ、傷つきやすさ、ナイーブ。

緑:植物の色、教会の屋根の色、ソーニャが頭からかぶっているショールの色。庇護、癒しのイメージ、聖母の象徴。

青:空の色、ソーニャの瞳の色、ソーニャの部屋のクロスの色。知性、穏やかさ、清らかさ、救いの象徴であるとともに、「冷たさ」という正反対のイメージも持つ。これは例えばスヴィドリガイロフの瞳の色が象徴している。

黒:未知、破滅のイメージ。ラスコーリニコフがのぼる階段の色、アリョーナ婆さんの暗い部屋など。

白:清らかさ、無邪気であるとともに、悲しみの色でもある。スヴィドリガイロフの夢の描写でも繰り返される。

灰色:例えばラズミーヒンがラスコーリニコフのために買った服の色。
   自分をアピールしたくない、本心を語りたくないという気持ちの象徴。

ドストエフスキイが本当にこのような意図でこれらの色を用いたのかは不明ですが、わりと説得力のある説だと思ったので紹介させて頂きました。何らかの参考になれば幸いです。
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この回答へのお礼

 回答ありがとうございます。ドストエフスキイは色がもたらす効果も考慮して小説を書いたんですね。描写されている色に注目しながら小説を読んでいくのも面白いですね。丁寧にお答えいただきありがとうございました。

お礼日時:2007/03/15 13:25

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