水素原子の波動関数は3つの量子数n,l,mで定まり、半径rは連続ではなくn,lで離散化されています。ここでnで離散化されるのは、水素原子のエネルギー準位がクーロンポテンシャルとボーアの量子条件から出てきており、mの場合は波動関数の境界条件から整数値に離散化されます。残りのlですが、これが離散化されるのはシュレディンガー方程式のθ成分を求めるときの定数をl(l+1)とおいたことに由来します。n,mが離散化されるのは上記の物理的な意味付けがなされているのですが、lに関しては方程式をルジャンドル多項式になるようにおいただけであり物理的な必然性がありません。わかる方がいらしたら回答を下さると助かります。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
>lに関しては方程式をルジャンドル多項式になるようにおいただけであり物理的な必然性がありません。
lが整数である、というのはθ方向の波動関数が(cosθの)多項式になるべし、という条件から来たのではありません。
mが奇数の時、θ方向の波動関数はcosθの多項式とsinθ=√(1-cos^2)の積になっていますから、cosθの多項式という条件を課しているわけではない事が分かるでしょう。
lが整数になるのは、波動関数が-1≦cosθ≦1で(特に、cosθ=±1で)波動関数が有界である(発散しない)べし、という条件から来ています。
ルジャンドルの微分方程式は、lが非整数だとcosθ=±1で発散しない解を持たない事が数学的に証明できますので、lは整数でなければなりません。
ポテンシャルは原点以外で特異的な振る舞いをしないのだから、波動関数はz軸上で特異的な振る舞いをするはずがありませんからね。
回答ありがとうごさいます。やはり(当然そうなるべきなのですが)lが整数値をとるのには、波動関数が有界になるという物理的な背景があるのですね。ところで文脈から察すると下から2行目は非整数だと発散する解を持つことを数学的に証明できるなのではないでしょうか。間違えていたらすいません。
No.3
- 回答日時:
良いところに気が付いたと思います。
縮退の物理的意味は対称性を考えるとわかります。行列形式で水素原子を解くとよりよく解るのではないかと思います。面白いと思いますので調べてみてください。パウリの仕事です。回答どうもありがとうございます。水素原子を行列形式で解くことができるとは知りませんでした。パウリはそんなこともしていたんですね。多くの教科書などでは天下り的にlに関する条件が出てくるのですが、自分なりに特殊関数について考えてみるといろいろとわかってきました。ここのページはよく勉強されている方が多く、大学の授業よりもずっとよく勉強になります。パウリの仕事については今度図書館で調べて見ます。
No.2
- 回答日時:
追加。
角運動量の交換関係からも説明できますね。この場合L^2-Lz^2=Lx^2+Ly^2が正定値である事からlの値に制限がつくことになります。
古典的には、角運動量のz成分が角運動量の大きさより大きくならない(x,y成分が実数である)ことに対応します。
交換関係からは「lが整数」という条件ではなく、「lは整数or半奇数」という条件が出てくるのですが、φ方向の周期境界条件からmが整数なので、lも整数でなければいけません。
回答どうもありがとうございます。たしかに球面調和関数にl^2を作用させた
固有値にもl(l+1)がでてきますね。よく考えてみるとなんとなくですが少しずつつながりが見えてきたような気がします。
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