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 金利変動と債券価格についてなのですが、
金利が上昇した場合、債権のクーポンレートが低ければ低いほど、
また、償還期日までの期間が長いほど、債券価格は大きく下落するのは
なぜですか??教えてください。
宜しくお願いします。

A 回答 (2件)

償還期日までの期間が長いほど、同じ金利変動に対する債券価格の変動が大きいのは、No.1の方の仰るとおり、テコの原理です。

No.1の方の計算でもいいのですが、後の説明上、クーポンが無い債券の場合を考えます。
残存1年のクーポンが無い債券の利回りが3%だったとすると、債券の価格は1÷1.03=97.09になります。
この債券の利回りが4%になったとすると、価格は1÷1.04=96.15になります。下落率は、0.96%です。

こんどは残存2年のクーポンが無い債券の利回りが3%だったとすると、債券の価格は1÷1.03÷1.03=94.26になります。
この債券の利回りが4%になったとすると、価格は1÷1.04÷1.04=92.46になります。下落率は、1.91%です。
何故そうなるかは、見ての通り、残存2年だと、金利の上昇が2回効いて来るからです。

さて、次は債券のクーポンの違いが、同じ金利変動に対する債券価格の変動にどのように影響を与えるかです。Excelをお持ちだったら、やって頂きたいのですが…、
まず、A2のセルに-100を、直ぐに下のA3のセルに5を、そしてその下のA4からA11まで順次、同じく5を、A12に105を入れてください。これの意味は、今100円で債券を買って(支払いなのでマイナス)、毎年5円の利息を受け取って、10年目に5円の利息と元本100円を受け取る、というキャッシュフロー、という事です。次にA1のセルに=IRR(A2:A12,0.03)という式を入れてください。これは、そのキャッシュフローの複利ベースの利回りを計算します。(0.03は、PCに計算を試行させる為の推定値です。)つまりA1に出ている結果は、10年物で5%のクーポンの債券を100で買った時の複利利回りです。計算結果は当然5%となります。この列を直ぐ右の列にコピペして、B2のセルに-61.39、B2からB11までは0、B12には100を入力してください。B2の計算結果はほぼ5%になります。これは、10年ものゼロクーポン債を61.39で買うと複利利回りは5%になる、という事です。次に、この二つの列をCDの列にコピペして、C3には-92.64、C4には-55.84を入力して下さい。いずれも、利回りはほぼ6%になります。これで、金利1%の上昇で価格がどうなるかがわかります。
いずれも10年物で5%の利付債とゼロクーポン債では、金利が5%から6%になった時の価格の変化は、計算して頂くとわかりますが、それぞれ7%と9%になります。

で、これは単なる数字の検証で「何故そうなるか」の説明になっていません。ここでExcelの表をつらつら見て頂きたいのですが、ゼロクーポン債の場合はすべての受取キャッシュフローは10年目に発生します。一方、利付債の方は、1年目から5%のキャッシュフローがあります。ここで、利付債を、5円を1年後に受け取るゼロクーポン債、同じく5円を2年後に受け取るゼロクーポン債…という風に分解して考えます。そうすると、平均の残存期間は、感覚的には利付債の方が短いのがお解かり頂けると思います。それぞれは僅かではあっても、1年債、2年債、といった10年債よりも短い債券が含まれている訳ですから。
ここで、最初の説明の「残存期間が長い方が金利に対する感応度が高い」というのを思い出して下さい。もうおわかりだと思いますが、クーポンが高ければ高いほど、満期前のキャッシュフローの比率が高まるので、平均残存期間が短くなって、金利に対する感応度が低くなる、そういう事です。
もうちょっと専門的に言えば、それぞれのキャッシュフローの残存期間を、受取額を利回りで現在価値に割り引いて加重平均したものを、デュレーションと呼び、これが債券の金利感応度の指標です。デュレーションは訳せば、まんま「期間」です。興味があれば、デュレーションでネットで検索すれば説明が直ぐに見つかるでしょう。

No.1の方の説明だと、0.5%から2%に1.5%上がった場合の計算が一つしかないので、比較の対象がないと思います。同じ残存7年債で、異なるクーポンだが、同じ利回りの債券が、同じ幅の金利変動に対して、価格がどうなるか、という検証が必要ですし、数字を検証しただけでは、「何故そうなるか」の説明には不十分でしょう。
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この回答へのお礼

詳しい回答ありがとうございました。
EXCELでやってみます。

お礼日時:2007/04/26 10:29

テコの原理です。


さっきと同じように考えてください。

金利が1%から2%に上がるとします。

残存期間7年、表面利回り(クーポンでもいい)1%の債券100万円分は、将来7年間で7万円しかもらえない。
しかし2%の新発債は14万円もらえる。
差額は7万円。
すると1%の方の債券は、100万円のままでは買ってくれる人がいないから、債券価格が7万円下がって93万円になる(※)。

ここまでご理解頂いたと思います。

じゃあ期間が残存期間が10年で金利1%のものはどうなるでしょうか。
残り10年間でもらえる金利は10万円です。
2%だと20万円です。
差額は10万円です。
だから、残存期間10年の債券は10万円下がって90万円になる(※)。

期間が長い方が、債券価格の下落幅は大きくなるんですね。


次に表面利回り(クーポンレート)が低いとどうなるか。

つまり0.5%から2%に上がったらどうなるか。

0.5%で残存期間7年の債券100万円分につく金利は、3万5千円です。
2%だと14万円。
差額は11万5千円。
調整すると88万5千円になります(※)。

だから金利が低い債券の方が下落幅は大きくなります。

わかったでしょうか。


※ さっきと同じように面倒なので正しい計算はしていませんので、厳密には間違いです。
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この回答へのお礼

 何度もありがとうございます。
実はFPの勉強中でわからないことだらけで困ってました。
助かりました。

お礼日時:2007/04/26 10:30

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