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「私的自治」の原則は、なぜ尊重される必要があるのですか?

A 回答 (5件)

「私的自治の原則」が尊重されるのはそれが民主主義、自由主義の根幹をなすと考えられるからです。



フランス革命前において民衆は君主に服従を強いられ、
国王の権力のもとに自由が制限されていました。
たとえば国王を批判するようなことを言えば死刑になりましたし、「土地=国王の所有物」ですので、当然ながら土地の所有権など存在するわけがありません。
自分の持っている宝石や服も国王からよこせといわれればしぶしぶ服従するしかありませんでした。

それがフランス革命によって民衆は王政から解放されました。民衆は国王に服従する義務を負わなくなりました。そして政治体制も国王が動かす政治から民衆が動かす政治へと変わっていきました。これが民主主義、自由主義のはじまりです。

私的自治の原則というものが掲げられたのも丁度そのころです。今までは取引をするにも国王からいろいろ干渉があって自由に行えなかった。しかし国王からの圧政から解放された今、自分達は自分の意思によって取引したいと思う相手と取引することができる。そしてこれは自由主義民主主義になった今では当然のことであり永遠に尊重されなければならない。こう当時の人は考えるようになりました。

このように自由な取引ができることを自由主義民主主義の考えのもとに契約のルールを解釈したのが私的自治の原則です。逆に自由主義や民主主義が発達していないところでは私的自治の原則は認められません。

まとめになりますが、私的自治の原則が尊重されなければならないのは、それが「誰からも干渉を受けない」という自由主義や民主主義のルールを表しているものであるからです。しかしフランス革命当時叫ばれた自由主義や私的自治の原則はその後破綻するようになります。自由を秩序なく認めることは経済的に弱い人間が生きる権利を侵害すると考えられたからです。
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自由主義、民主主義の体制下では、政府と言えども経済活動の自由、財産権を制限することは「公共の福祉に反する」場合以外はできないのが原則です。

したがって、当事者間でどういう内容の約束事をするかは公共の福祉に反しない限り(優越的地位の濫用は公共の福祉に反します=>利息制限法・独占禁止法など)自由です。

当事者間が納得づくで、或る法律関係を実現しようとして、これに無闇に公権力が介入すると取引の安全は著しく脅かされ、誰も安心して経済活動ができなくなります。たとえば、あなたがオークションで売買しようとしたとします。そのとき、「○円以上の値を付けてはだめ」とか「△円以下の値を付けてはだめ」などと法律が決めたらどう思うでしょう。物の価値は人によって違いますよね。

公共事業の場合は、「公の財産」である税金をつぎ込むものですから、手抜き工事でもなければ実現不能な不当に安い値や逆に不当に高い値を排除するようになっている例がありますが、これは公共財という特殊性からです。
(現実には談合で手抜き工事が横行しているという話もありますが・・・^^;)
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 私的自治とは、個人の身分および財産についての法律関係を、個人の自由な意思に任せようとすることです。



 それらの事柄について、国家がすべてに対して関与することは不可能ですので、個人の身分や財産については、個人の意思によって法的措置を求めようとするか、当事者同士で解決するかの判断を、個人の意思=私的自治に任せていますので、尊重されなければ個人の意思を無視してしまうことになるからです。
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「私的自治」の原則は、基本的には当事者同士で問題を解決しましょうということです。



国家が、企業から、個人の私生活まで、ありとあらゆる事を法律で定めたり、規制したりすることは不可能なことですから、基本となる事柄だけを法律で定めて、その範囲内で、私的自治に委ねているのです。
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国家が私人間の関係にすべて関与することが不可能だからです。

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