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フェルミ分布は電子の存在確率を表すらしいのですが、半導体の場合それがバンドギャップに存在するとはどういうことなのでしょうか。
ギャップ部分には電子が存在しないのではないのでしょうか。

A 回答 (9件)

私は次のように理解しています。


電子がある準位を占有するためには、そもそもその準位が存在していなければなりません。
そして、その準位に電子が『いる』or『いない』の判定を下すのがフェルミ分布なのです。
バンドギャップの部分というのは、準位が存在していないという意味です。
なので、バンドギャップ部分にフェルミ準位が来ても特に問題ありません。
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価電子帯に電子がつまっていて、伝導帯に電子が全くないとき、フェルミ準位(電子の存在確率が1/2となるエネルギー)は、価電子帯の一番上になるように思えます。

しかし、温度が絶対零度より大きい場合には伝導帯にも電子が少しいるので、フェルミ準位は伝導帯より下のバンドギャップ中に来るのです。特に真性半導体では、伝導帯にいる電子と価電子帯にいる正孔の数が等しいので、フェルミ準位はバンドギャップ中央に来ます。不純物半導体では、電子と正孔の数に偏りができるので、伝導帯にいる電子のほうが多いn型半導体では、バンドギャップ中央よりも上に、価電子帯にいる正孔のほうが多いp型では、バンドギャップ中央よりも下にフェルミ準位が来ます。

半導体物理のテキストに書かれていると思いますが、真性半導体のフェルミ準位の位置がバンドギャップ中央に来ることを、なるべく噛み砕いて説明すると以下のようになります。

【真性半導体のフェルミ準位の位置】
伝導帯にいる電子の総数 n と、価電子帯にいる正孔の総数 p は
   n =∫ [ E = E c~ ∞ ] Nn(E)*fn(E) dE --- (1)
   p =∫ [ E = - ∞ ~ Ev ] Np(E)*fp(E) dE --- (2)
で表わされます。Ec は伝導帯下端のエネルギー、Evは価電子帯上端のエネルギー、Nn は伝導帯電子の状態密度、Np は価電子帯正孔の状態密度、fn と fp はそれぞれ電子と正孔のFermi-Dirac分布関数です。この式の積分範囲から分かるように、電子数 n の式では、電子は伝導帯下端 ( Ec ) から上(∞)までの範囲ににしかないとしています(正孔も価電子帯下端 Ev より下 - ∞ にいるとしています)。

状態密度は、半導体に異方性がない場合
   Nn(E) = A*√( E - Ec )
   Np(E) = B*√( Ev - E )
Fermi-Dirac分布関数は
   fn(E) = 1/[ exp{ ( E - Ef )/( k*T ) } + 1 ]
   fp(E) = 1 - fn(E)
となります(A, B の意味は省略しますが、温度 T にもエネルギー E にも無関係です)。

( E - Ef )/( k*T ) が大きいとき、つまり、考えているエネルギー E がフェルミ準位 Ef から離れているとき、Fermi-Dirac分布関数の exp{ ( E - Ef )/( k*T ) } >> 1 となるので、 exp{ ( E - Ef )/( k*T ) } + 1 ~ exp{ ( E - Ef )/( k*T ) } と近似できます。具体的には、exp{ ( E - Ef )/( k*T ) } が 1 より10倍大きくなるような場合にそう近似できるとすれば(100倍でもいいですが)、それは E - Ef >2.3*( k*T ) のときです。温度が室温( T = 300K )なら、E = Ef > 0.06 [eV] のときです。バンドギャップエネルギー Eg が特に小さくない限り(シリコン Si では Eg = 1.2 eV )、考えているエネルギーはフェルミ準位 Ef から 0.06 eV 以上離れているのでそういう近似をしても良いことになります(この近似をボルツマン近似といいます)。

この近似が成り立つ場合、fn(E) = 1/exp{ ( E - Ef )/( k*T ) }、fp(E) = 1 - 1/exp{ ( E - Ef )/( k*T ) } なので、式 (1), (2) を計算すれば
   n = a*( mn*k*T )^(3/2)*exp{ ( Ef - Ec )/( k*T ) } --- (3)
   p = a*( mp*k*T )^(3/2)*exp{ ( Ev - Ef )/( k*T ) } --- (4)
となります。mn とmp はそれぞれ電子と正孔の有効質量、a は温度 T にもエネルギー E にも無関係な定数です(文章が長くなるのでいろいろ省略しています)。

真性半導体の場合、電子数と正孔数は等しい(伝導帯に励起された1個の電子が価電子帯に正孔を1個作る)ので、式(3) = 式(4) として変形すれば
   ( mn/mp )^(3/2)*exp{ ( 2*Ef - Ec - Ev )/( k*T ) } = 1
   → 2*Ef - Ec - Ev = -3/2*k*T*ln( mp/mn )
   → Ef = ( Ec + Ev )/2 - 3/4*k*T*ln( mp/mn )
となります。電子と正孔の有効質量が等しい場合( mp = mn )、ln( mp/mn ) = 0 なので
   Ef = ( Ec + Ev )/2
つまり、「フェルミ準位 Ef が伝導帯下端 Ec と価電子帯上端 Ev の中央にある」 ことになります。
この関係になるのは、電子と正孔の有効質量が等しい場合ですが、実際には、Si では mn = 0.33*m0、mh = 0.52*m0 となっていて [1]、決して等しくありません(mo は電子の静止質量)。計算してみると ln( mp/mn ) = 0.45 なので、温度が室温( T = 300 K )の場合、
   3/4*k*T*ln( mp/mn ) = 0.009 [eV]
となります。しかしこれは ( Ec + Ev )/2 = 0.6 [eV] に比べて小さいので、フェルミ準位はバンドギャップほぼ中央にあることに変わりありません。

[1] Siでの電子と正孔の有効質量(ppt ファイル 18ページ) www.tc.knct.ac.jp/~hayama/denshi/chapter2.ppt
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 興味のある質問ですので、私も参加させてください。


 #2のinaraさんのご回答は、とても参考になりました。常温でのフェルミ準位とエネルギ・ギャップについて、とても的を得たものだと思います。
 そこで、私は絶対零度での状況について考えてみたいと思います。

 フェルミ準位は、そもそも絶対零度で電子がもつ最高のエネルギ準位を示していますので、絶対零度ではフェルミ準位に電子が存在しているはずです。
 ところが、真性半導体の場合では、#2にありますように、フェルミ準位は次のように表され、

>   Ef = ( Ec + Ev )/2   ・・・・・(A)

フェルミ準位が電子の存在できない禁制帯にあることになり、フェルミ準位が、電子の最高のエネルギを表していないことになり、ここに矛盾を感じます。

 そこで、#2さんの式(3)と(4)に立ち戻って考えて見ます。
 この2つの式から、式(A)を求めるに当っては、
>真性半導体の場合、電子数と正孔数は等しい
と条件をおかれていますが、絶対零度のときは、実はもう一つの条件があって、「電子数と正孔数は0である」ということを考えなければなりません。
 そこで、式(3)と式(4)が0に等しいとしますと、

  a*( mn*k*T )^(3/2)*exp{ ( Ef - Ec )/( k*T ) } =a*( mp*k*T )^(3/2)*exp{ ( Ev - Ef )/( k*T ) } =0  (T=0)

となりますが、今はT=0について考えていますので、この式からはフェルミ準位とエネルギ・ギャップとの間の関係(式(A))を導くことができません。
 つまり、式(A)は常温のときにだけ成り立つ関係であり、絶対零度の時には成立しなくてもよいことになります。
 このことから、常温でフェルミ準位(絶対零度での電子の最高エネルギ準位)がエネルギ・ギャップの中間にあっても矛盾がないと言えると思います。

 なお、このことから考えますと、絶対零度でのフェルミ準位が充満帯の最高エネルギ Ev と一致しければなりませんが、その点については十分に検討できないでいますので、どなたか詳しい方に教えていただければと思います。
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>inaraさんのご回答は、とても参考になりました


Mr_Holland さんにお褒め頂けるとは光栄です。

半導体物理を学んだのは20数年前ですが、たぶん当時は deepday さんのような疑問は持たず、鵜呑みにしていたと思います。

>今はT=0について考えていますので、この式からはフェルミ準位とエネルギ・ギャップとの間の関係(式(A))を導くことができません。
そうですね。
T = 0 ではないけれど、T が小さいとき、k*T が小さいので、ボルツマン近似が室温より成り立ちやすい状況になっています。したがってボルツマン近似の下で導いたフェルミ準位の位置
   Ef = ( Ec + Ev )/2 - 3/4*k*T*ln( mp/mn )
は低温でも成り立つはずです(室温より良い精度で)。しかしこの式が示すのは絶対零度に近づくほど、フェルミ準位はギャップ中央に漸近するというものです。

自分なりに低温でのフェルミ準位の位置について調べてみましたが、統計力学の問題 [1] に近似式が出ていたものの、「T = 0 での位置をμ0 とせよ」となっていて面食らいました。手元にある参考書 [2] には、温度を横軸、Ef - Ei を縦軸としたグラフがあって、いろいろなドーピング濃度でのFermi準位位置の温度依存が出ていますが、ギャップ中央にある Ef - Ei =0 の線には「 intrinsic level 」という名前が書かれています。その図では、n型半導体のFermi準位は、低温ほどEcに漸近しています(高温ではギャップ中央付近にある)。p型半導体では Ev に漸近しています。真性半導体はこの間なので、Fermi準位はやはりギャップ中央ということになるのでしょうか。低温物理も統計物理も詳しくないので分かりませんが。

[1] 問題4.6-(2) (pdf ファイル 3ページ) http://jody.sci.hokudai.ac.jp/~okuda/enshuu/2003 …
[2] S.M.Sze ' Physics of Semiconductor Devices (2nd Ed.)', John Wiley & Sons. Inc.(1981).p. 26 (Fig. 17)
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 #3です。


 質問者のdeepdayさんそっちのけでやりとりしていては申し訳ないのですが、#4のinaraさんの説明を拝読して、絶対零度でのフェルミ準位を次のように考え直した方がよいように思いはじめました。

 これまで「フェルミ準位は絶対零度で電子がもつ最高のエネルギ準位を示しているので、絶対零度ではフェルミ準位に電子が存在しているはず」と考えていました。
 しかし、フェルミ準位を定義する上で本質的なのは絶対零度で化学ポテンシャルと一致することであり、フェルミ準位が電子の最高エネルギ準位を示しているのはその結果に過ぎないと。
 そして、絶対零度での化学ポテンシャルのレベルに電子のエネルギ準位がなかったとしてもそれは問題ではなく、#1さんが言われるように、電子の充満帯よりも高いレベルにあれば、電子の存在確率を矛盾なく1とすることができ、(ここからは検証ができていませんが)#4さんの式
>   Ef = ( Ec + Ev )/2 - 3/4*k*T*ln( mp/mn )
にT→0で近づく値にすることができると。(つまり、化学ポテンシャルもこの値に近づくということ。)

 なんだか辻褄合わせの考え方をしているみたいですが、このように捉えたほうが、むしろ本質的なのではないかという気がしています。


>たぶん当時は deepday さんのような疑問は持たず、鵜呑みにしていたと思います。

 同感です。
 deepday さんのお陰で、フェルミ準位について理解するための疑問をもつことができました。deepday さんに感謝です!
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この回答へのお礼

自分の浅学さが身に染みて恥ずかしいのですが、つまりフェルミエネルギーは
「計算上電子が占有しうる確率」であって、その準位が電子の存在を許すかどうかはその後の問題という事になるのですか?
たくさん書いていただいて申し訳ないですが、どうも半導体は式の展開を見ていても概念の理解やつじつま合わせがしっくり来ません。

そもそもp型半導体はホールがキャリアと言われて
「じゃあ電流は価電子帯のバンドで生じているのか?
結合がほどけてしまわないのか?」なんて思っているレベルです。

お礼日時:2007/07/01 18:37

やっと質問者が登場しましたね。

質問者そっちのけで議論して済みませんでした。こういう本質的な疑問はどんどん質問してください。レポートや課題といった質問よりも、こういう質問のほうが琴線に響きます。

>その準位が電子の存在を許すかどうかはその後の問題

電子がエネルギー的に切れ目なく連続的に分布していれば、フェルミ準位にいる電子は現実に存在するでしょうが、バンドギャップという(昔は禁制帯と言っていたはずです)、量子力学的に許されないエネルギー帯がある場合には、それを飛び越えたところに電子がいることになるので、フェルミ準位(確率的に半分の電子がいるエネルギー位置)は、感覚的に変ですが、バンドギャップ中ということになるのでしょうね(私が半導体を学んだときには疑問とは思いませんでしたが)。

>どうも半導体は式の展開を見ていても概念の理解やつじつま合わせがしっくり来ません。

私もそう思います(今更何ですが)。ボルツマン近似というのはイヤラシイですね。あれはギャップが比較的大きい Si ではいいのですが、ナローギャップ半導体や、高濃度ドープした縮退半導体では成り立たないことがちゃんと書かれていません。

>「じゃあ電流は価電子帯のバンドで生じているのか?

いや、私が学生だったときより高レベルです。正孔という概念は、電子が電流の素だという普通の考えからすると、確かに難しいです。私のときは、電子は実体があるけど正孔は泡だと考えろと言われました。確かに正孔は、泡みたいに、エネルギー的に上に昇ろうとする性質はその通りですが、電流が電子と正孔の数で決まるというのはピンと来ませんでした。

「結合がほどけてしまわないのか」というのはどういうことでしょうか。価電子は結晶の結合には関与していないと思いますが。

このまま質問は開いておいてはいかがですか?私はポイント稼ぎのためにアドバイスしているのではないので、deepday さんも含めて、いろいろな人の意見で盛り上がるほうが面白いと思います。Mr_Holland さんの意見も聞かなければなりませんが。
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この回答へのお礼

>「結合がほどけてしまわないのか」というのはどういうことでしょう
>か。価電子は結晶の結合には関与していないと思いますが。

かなり勝手な思い込みで申し訳ないのですが、結合軌道と反結合軌道の2つが存在し、その広がりのバンドが価電子帯と伝導体になるのではなかったですか?私の中では価電子=原子同士が結合している際にその周囲を廻っている電子になってます

非常にあいまいな知識から想像しているのは
「金属が塑性変形を起こすのは金属結合、つまり電子を全ての原子で共有→伝導電子と価電子のバンドが重なり区別がある意味付いていない。よって結合に寄与する電子は自由に移動できるため、電気が流れすべり変形も起きる。」

さらに適当な妄想として
「セラミックなどの絶縁体は電子が結合にのみ用いられる(価電子として)ため、電流としてながれたり滑り変形を起こすなど電子の移動に融通がきかず、脆性破壊を起こす」

教科書も読まずに友達とダラダラ話している内容で、わかりづらい上に馬鹿馬鹿しい話ですいません。
「じゃあ不純物半導体って熱加えて価電子がジャンプしたら強度落ちてるのかな?」なんて言ってます・・・・

お礼日時:2007/07/01 23:30

私が理解しているフェルミ準位の意味は、



(1)金属のように電子の存在できるエネルギー準位が連続にある場合の、最上位電子の位置エネルギー(化学ポテンシャル)

(2)電子の存在確率が1/2になるエネルギー準位。つまりこれは電子の存在が熱エネルギーにより揺らいでいる場合、統計熱力学的に最上位の電子のエネルギーの平均値(期待値)を計算したエネルギー(いわば最上位電子の平均エネルギー)

です。

半導体の場合は、(2)に相当すると思います。統計的に最上位電子の平均値を取ったら、たまたまそこが禁制帯だったということだと思います。 
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統計物理学ではFermi準位という概念は


絶対零度での化学ポテンシャルになります。
数学的には、粒子数一定の条件で決まるパラメータ
ということになります。
上記は、純粋に統計力学的な話であり、電子でなくてもFermi粒子で
あれば成立する話になります。

で、ここまではきっちりとした話でいいのですが、
話が半導体になり、バンドギャップがあったり、不純物注入が
あったりした場合に、どうなるのか?と考えると、とたんに
ややこしくなり、かつて非常に悩みなした。

みなさんお話のように、Fermi分布というのは、仮にそこにエネルギー準位
があったとしたら、そこに粒子が存在する確率を示しており、実際にそこに
準位があるかどうか?とは関係ありません。
しかし、上記のように粒子数一定の条件に状態密度が絡んでくるので、
Fermi準位は各エネルギーでの状態密度がどうなっているか?
の影響をうけるようです。

バンドギャップがある系で温度が絶対0度から有限温度に変化した状況を
考えます。
荷電子帯から伝導帯に電子が励起しhても電子数は一定である以上、(Fermi分布はFermi準位の上下でほぼ対称ですので)Fermi準位は
バンドの中央付近にならざるを得ません。

 しかし、不純物注入により不純物準位が価電子帯/伝導帯の直上/直下にできると、Fermi準位は、バンド中央付近から、価電子帯/伝導帯と不純物準位の間に変化することになります。

N型P型でFermi準位の位置は一方は価電子帯直上他方は伝導帯直下になるので、両者を結合するとFermi準位、すなはち化学ポテンシャルの差に駆り立てられ、電子が移動し、クーロン力により両者のエネルギーがバンド構造が、エネルギーの高い/低い方にシフトする。結果、化学ポテンシャルの差を小さくする。最終的にクーロン力起因の移動とケミカルポテンシャルによる駆動(拡散?)がつりあう。というのが、PN接合の話と理解してます。

しかし、この辺の話はどうも概念として微妙な部分があるようで、
なにかしっくりしません。
ショックレーの半導体の教科書には擬Fermi準位という概念まで
出てきているほどです。

この回答への補足

>N型P型でFermi準位の位置は一方は価電子帯直上他方は伝導帯直下に

N型の場合に価電子帯直上ですか?そうだとすると少し私のイメージと違うのですが・・・

補足日時:2007/07/05 10:34
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適当に盛り上がっていますね。



>結合軌道と反結合軌道の2つが存在し、その広がりのバンドが価電子帯と伝導体になるのではなかったですか?

結合軌道と反結合軌道というのがありましたね。でもそれは分子とか化合物を形成した場合ではなかったでしょうか。ここ(http://www.sugalab.mp.es.osaka-u.ac.jp/~sekiyama …)の一番下に書いてあるように、元の原子軌道よりもエネルギーが低いのが結合軌道、高い反結合軌道ですが、半導体の場合、化合物でない単体半導体(Si)では、元の状態そのものですから、どう考えればいいのでしょうかね。

>私の中では価電子=原子同士が結合している際にその周囲を廻っている電子になってます

イメージは合っていると思います。私は大学時代(20数年前!)、光電子分光というのをやっていて、半導体の内殻電子や価電子帯のエネルギー分布(状態密度)を測定していました。そのときエネルギーの基準としていたのがフェルミ準位でしたので、フェルミ準位も状態密度も、実感としてかなりはっきりしたイメージを持っているのですが、価電子は、最外殻の電子で、内殻電子と違って、互いに相互作用があるために、状態密度がバンドのように広がっているイメージです(実際そういうスペクトルが得られました)。そして、エネルギーがフェルミ準位付近になると、状態密度が下がってきて、フェルミ準位があるバンドギャップには電子がいないという状況を実際測定しました(当たり前なのですが)。

>「金属が塑性変形を起こすのは金属結合、つまり電子を全ての原子で共有→伝導電子と価電子のバンドが重なり区別がある意味付いていない。よって結合に寄与する電子は自由に移動できるため、電気が流れすべり変形も起きる。」

そうなんですか。金属電子論は不勉強でした(ゾンマーフェルトが有名なのでしたっけ?)。金属の強度(弾性率)を決めているのはミクロには何なのでしょうか?

>「セラミックなどの絶縁体は電子が結合にのみ用いられる(価電子として)ため、電流としてながれたり滑り変形を起こすなど電子の移動に融通がきかず、脆性破壊を起こす」

ということは、半導体でも真性半導体と不純物半導体とでは強度が違うのでしょうかね。

>「じゃあ不純物半導体って熱加えて価電子がジャンプしたら強度落ちてるのかな?」なんて言ってます・・・・

半導体の場合、原子数(10^23個/cm^3)に比べて、不純物が出す電子数は最大でもそれより4桁小さいので、あまり変わらないような気もしますが。誰か専門家の方のコメントを頂けると助かります。
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