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片方から入射した光(可視光~近赤外)は透過させ、
もう片方から入射した光は反射させる素材は何かありませんか?

                ×
    ↓          ↑
--------------------------------------------------(素材)
    ↓          ↑↓(反射)
    ○(透過)

A 回答 (12件中1~10件)

私は実際に(仕事で)誘電体多層膜の蒸着をやっていたので、どういう材料がいいか、経験があるものならアドバイスできます。



電子ビーム蒸着の経験しかないのですが、アルミナ(Al2O3)もガラス(SiO2)も飛ばしたことありますよ。これらは低屈折率材料ですが、透過波長範囲が広く、材料的に安定しているし(元々酸化物なので酸化しない)、毒物を含まないので万能材料ですね。

高屈折率側の材料は半導体が多く、バンドギャップで決まる波長以上の光しか透過しないので、対象とする波長で材料がほぼ決まります。ZnS(硫化亜鉛)は比較的屈折率が大きく、可視光全域が透過するので、可視の反射膜には使えます( ZnS も蒸着したことがあります)。Si や Ge は屈折率が大きいので、少ない総数で高い反射率が得られるのですが、可視光は吸収するので赤外域の反射膜材料です(Si も蒸着したことがあります)。実際の膜の屈折率測定には HeNeレーザ(波長633nm)を光源としたエリプソを使っていました。

追加のご質問があれば、このまま締め切らずに、「お礼」で再質問してください。
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>光を集めて、その空間(物体が満たされている)に光を効率よく吸収させたいということです。



それであれば、もっと具体的な制約条件などがわかれば他に解決方法があるでしょう。
ちなみに多くの光を一点に集めて光を吸収させるということでは、規模の大きいものではレーザー核融合があります。

あと、エタロンも中に物質を入れて高い光強度を加える場合によく使われます。

もう一つ発想の転換としては、内面が鏡面加工されて小さな穴が一つ空いているだけの箱です。箱の内面は卵型のようにします。これはウッドのトラップといい、黒体放射で真の黒を作るためにも活用されています。(1911年頃に発表されたものですけど光の鉛筆(鶴田匡夫、新技術コミュニケーションズ、1984)にも記述があります。
この中にその物質を入れれば、内部の鏡面の吸収係数より、その物質の吸収係数のほうがずっと大きければ大半はその物質に吸収されるでしょう。

あとは単純に光線を元来た方向に返すのではなく、異なる方向に飛ばして他の方向からその物質を照射するなど工夫次第では他にもやりようはあります。
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ANo.9 です。


「光学薄膜」のテキスト [1] は高価(\12232)で、内容も分かりにくいので、Webの解説 [2] をお薦めします。

誘電体多層膜とは、屈折率の異なる2種類以上の薄膜を積層したもので、屈折率と膜厚と積層数を変えることによっていろいろな反射率のものが作れます(計算方法は [2] に書いてあります)。カメラのレンズやメガネの無反射コートもこれを使っています。

高い反射率のものを作るには、膜厚が λ/(4*n) の薄膜を交互に積層させます( λ は中心波長 [m]、n は薄膜の屈折率 )。積層する薄膜の屈折率差や積層数が大きいほど反射率が高くなります。膜厚が λ/(4*n) の薄膜が1層だけだと低反射率になります。対象波長や耐久性などによって使われる材料が限定されますので、屈折率の組み合わせは限定されます。私は光学薄膜の専門家でないので詳しくは知りませんが、Al2O2(アルミナ)、CaF2(フッ化カルシウム)、MgF2(フッ化マグネシウム)、SiO2(二酸化シリコン:ガラス)、ZnS(硫化亜鉛)、ZrO2(二酸化ジルコニウム)、Si(シリコン)、TiO2(二酸化チタン)などが使われます。

[1] http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4526026239.h …
[2] 単層膜・多層膜の反射率・透過率の計算方法 http://mikilab.doshisha.ac.jp/dia/research/repor …
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この回答へのお礼

何度も回答していただいて、inaraさんには大変感謝しています。
多層薄膜の材料はAl2O2やSiO2など、入手が比較的容易で、成膜加工技術もある程度確立しているものが多いのはうれしいことです。今ある材料、装置、予算の中で、材料の組み合わせや構造の工夫によって目的のデバイスを作るのを目標としています。そのデバイスの実現には、片方からは透過、片方からは反射する夢みたいな素材が必要なのです。

webの解説[2]の紹介ありがとうございました。

お礼日時:2007/07/25 02:17

ANo.7 です。



>私は光学薄膜に関しては全くの素人です
半導体レーザ関係者かと思いましたが・・・

>反射率の非対称性だけでなく、透過率も実は求めています。
「多層薄膜系の透過率は光の伝播方向とは無関係である」というのは、「透過率を非対称にはできない」という意味です。

>入射光を集めて閉じ込めるという構想を考えているところです。
たとえ全反射を利用したとしても、表面での散乱や光吸収による損失が完全にゼロでない限り、実際の反射率は 1 より小さくなります。つまり、共振器内部で多重反射を繰り返しているうちに減衰してしまいます。

光は光速( 299792458 m/s )で伝播するので、1辺が 30cm の箱に閉じ込めた場合、1秒間に 10^9 回の反射が起こります。反射率が 99.9999999% だったとしても、10^9 回反射すれば、光強度は元の37% になってしまいます。箱を大きくすれば反射回数は減らせますが、そのぶん、残留気体による吸収の度合も大きくなってしまいます。箱内部が完全真空で、箱の壁面の反射率が厳密に 1 というのは、残念ながら実現できませんので、光はいずれ(かなり短い時間で)減衰してしまうでしょう。

箱の内部に光増幅器を設ければ話は別です。光が何度反射しても減衰しないようにできます。それがレーザ発振器です。
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この回答へのお礼

具体的な数字を使った説明及び論理的な説明をいただき大変感謝しています。納得しました。光速がとても大きいので、超高反射率でも1秒間で63%が減衰するというのは驚き且つ少々ショックでした。

はい、私は半導体レーザは全くの専門外です。今までは、検出のほうをやっていました(それでも、経験はわずか2年間)。なので、光学薄膜についてこれから勉強せねばなりません。

大変素晴らしい回答・アドバイスをありがとうございました。

お礼日時:2007/07/24 02:27

まず、ご質問者の希望がどういう物なのかによりますが、、、



たとえばサングラスやマジックミラーでよく使われる物は、単純には、

反射膜-吸収膜

という構成です。細かく厳密に説明するとややこしいので、簡単に書くと、

反射率を50%の膜、吸収を50%の吸収とすれば、
反射膜側に直接入って反射する光は入射光量の50%の反射となります。

一方で吸収膜側から入った光は50%吸収、50%反射、50%吸収で結局12.5%の反射となります。

つまり反射は反射膜側からと吸収膜側からとで異なります。

ただ透過率はどちらから入っても同じになります。

マジックミラーの場合は上記の仕組みだと、反射膜側が明るい部屋だと、自分の部屋の光が強くて反対側の光は弱くて見えないけど、吸収膜側からは自分の部屋の光はあまり反射しないのでよく見えるというわけです。更に部屋の明るさを変えるとかなり違いが出ます。


なのでもし透過率を変えたいということだとこの手法は使えません。

では一方向のみ透過させる仕組みがないのかというと、そんなことはありません。
光ダイオードとか、光アイソレーターなどの呼び名の物があります。
一番簡単な原理はλ/4板と偏光板(または偏光素子)を使用するものです。
これは偏光板を通過させたあと、λ/4板に入射し、円偏光にします。その後ミラーで光を反射させて戻しても、λ/4板を通過した光は初めと90度偏光が異なるので、偏光板を通過できません。
偏光板は通常は他の偏光を吸収することで透過する偏光を特定偏光にしますが、偏光素子にはそうではなく、他の方向に反射するタイプの物もあります。その代表としてPBS(偏光ビームスプリッタ)などがあります。
ただご質問のように元来た方向に反射させるためにはもう少し工夫が必要になります。
とはいえここで光を反射させるとその後PBSを通過、更にλ/4を通過した光がまた反射されると、今度はλ/4を通過した後は、元々の光源方向に進むので、だめとなります。

このほかにもファラデー効果を用いたものもありますが、やはりこれも偏光方向を利用する物ですから、何度もという訳にもいきません。

ご質問者が他の方に補足された内容からすると、もしかすると、光を閉じこめたいということなのかもしれませんが、そういう目的には上記などは全部使えません。

で、光の閉じこめという意味では一番近い物はエタロンです。
吸収が理想的に0のエタロンの場合にはその間を光の往復が続きます。
これは簡単にはきわめて高反射率でかつ超低損失の膜二枚をきわめて高精度に向かい合わせにしたものです。重力波検出などに使おうと研究されています。

ただ厳密には上記はご質問者の希望とは少し異なります。

まあ、単純にいうとご質問者の質問に対しての答えは「そのような簡単な希望の素子は存在しない」というのが答えになります。実はこれは光の時間可逆性という重要な物理的な性質が存在するためです。

具体的な目的がわかればもう少し何らかのアドバイスは出来るかもしれませんけど、基本的な考えは上記の通りです。
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この回答へのお礼

他の回答してくれた方への補足・お礼でも申し上げましたとおり、私は光学材料は全くの素人で、λ/4板、偏光子、エタロンなど、初めてお聞きした言葉ばかりです。最近この道に入ってきました。いただいた回答内容をじっくり読ませていただきます。光の時間可逆性ですか・・・。大きな壁がありますね。

目的ですか?光を集めて、その空間(物体が満たされている)に光を効率よく吸収させたいということです。漠然として申し訳ございません。

専門的な回答をしていただきありがとうございました。今後のためのいいきっかけになります。

お礼日時:2007/07/24 02:51

私が半導体レーザの開発に携わっていたとき、「そのような反射膜があれば戻り光ノイズに強い素子ができるのでは」 と思ったことがありました。

そのような反射膜(誘電体多層膜)があれば、レーザ外部からの光の反射率を高くすることで戻り光を減らし、レーザ内部から外部に出る光の反射率を小さくすることで微分量子効率を大きくできると思ったからです。

しかし、光学薄膜のテキストには

(多層薄膜系の透過に関する定理)
  多層薄膜系の「透過率」は光の伝播方向とは無関係である。これは
  この層に吸収があるか否かには無関係に成り立つ。

と書かれていました(この証明も書かれていますが、ここでは省略します)。
ところが、反射率については

  この法則は薄膜系の「反射率」には当てはまらない。
  反射率が同じになるのはどの層においても吸収がないときだけ。

という記述もあったので救われました。つまり、吸収層があれば、多層薄膜系の「反射率」を非対称にすることが可能です。ただしエネルギー保存則は成り立ちます。

透過率を T、反射率を R、吸収率 A としたとき、多層薄膜系の内部では、どの層でも以下の関係があります(エネルギー保存則)。
   R + T + A = 1
左からの光と右からの光を添え字で区別すれば
   R1 + T1 + A1 = 1 --- (1)
   R2 + T2 + A2 = 1 --- (2)
が成り立ちます。上の法則を当てはまると、T1 = T2 でなければなりませんから、式(1)と(2)の差を取れば
   R1 - R2 = A2 - A1
となります。したがって A1 <> A2 ならば、R1 <> R2 となります。残念ながらこのテキストには A1 <> A2 とする方法は書かれていません。しかし、多層膜系の左側の最初の層に吸収率の大きな材料を入れ、2番目以降の多層膜の反射率で特性がほぼ決まるような構造とすることによって(たとえばλ/4多層膜で反射率を大きくする)、左側からの光は吸収層の影響を大きく受けるのに大して、右からの光はあまり影響されないので、R1 < R2 とすることが可能でしょう。

私はこのような非対称反射率構造を結局使いませんでした。吸収層を入れることによって透過率が下がってしまうからです。透過率が下がれば微分量子効率が落ちます。微分量子効率を落としていいのなら、単純に反射率を上げればいいことなので、無意味だと思ったからです。

単純に反射率の非対称性だけが必要な場合は吸収層を使えますが、透過率も重要な場合、吸収層を入れた結果、透過率がどうなるかをちゃんと考える必要があります。

ちなみにこのテキストには「マジックミラーは反射率が非対称なのでなく、外の明るさでそう感じるだけ」と書かれています。
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この回答へのお礼

素晴らしい回答に感謝します。
私は光学薄膜に関しては全くの素人ですので、勉強します。
多層薄膜という手がありましたか!

反射率の非対称性だけでなく、透過率も実は求めています。
入射光を集めて閉じ込めるという構想を考えているところです。
より多くの光を失うことなく集めたいのです。

さっそく、光学薄膜の本を入手して勉強します。λ/4多層膜など、
初めて聞いた言葉がありますので。

お礼日時:2007/07/22 23:46

No.2の補足回答です。


>反射せず、吸収されてしまうのでしょうか?
偏光子の特性が吸収型か反射形かにより異なります。偏光子が吸収型のものでは吸収され戻り光(反射光)はありません。反射型のものでは、反射光をどのように処理するかで異なります。即ち、全体構成によって異なります。また、複屈折素子を用いた経路を分離するものでは見かけ上反射したようにはなりません。色々のタイプがありますので調べてみてください。

参考URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%81%8F%E5%85%89, …
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
偏光子の特性は吸収型・反射型とあるわけですか。
今、薄膜偏光子を探しています。
アイソレータ、偏光子、複屈折、初めて聞いた言葉が出てきました。
この辺は全くの素人ですが、いいきっかけになりました。

お礼日時:2007/07/23 00:13

マジックミラーなどは擬似的な光の一方通行ですね。



で、もし光の一方通行ができたらどうなるか? 永久機関ができるでしょうね。
たとえば、部屋の真ん中をこの材料で仕切ったとします。部屋の中は赤外線などで満ちていますから、一方向にのみ赤外線が流れます。その結果、透過する側の温度が下がり、通って行き先の温度があがる可能性があります。そうなると温度差ができ、それで発電できますね。

ということで、光の一方通行の素材はないと思います。

この回答への補足

見かけ上、クラウジウスの原理が破綻するわけですね。
しかし、実際には「素材」も有限の温度、熱伝導率を
持っているはずで、片方の部屋の温度が下がると、「素材」から
熱伝導によって熱が供給される・・・

などと考えると、「素材」はあっても良いのではないかとも
思います。(屁理屈を書き込んで申し訳ございません。)

補足日時:2007/07/22 00:48
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質問者様は、マジックミラー等のある種の錯覚(明るい方から暗い方を見ると反射


しか起こっていないように見えるだけ、という類の)のことをご質問になっている
のでしょうか?
それともちゃんと光学的に、両側の明るさに関係なく「正方向からの反射・透過特性
と逆方向からの反射・透過特性の異なる」現象をお求めになっているのでしょうか?

この回答への補足

はい、後者(光学的)の現象を求めています。
説明不足で申し訳ございませんでした。

補足日時:2007/07/21 22:48
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バスの広告なんかにもそういう素材が使われてますね。



全面広告のバスだけど、
中から見たら窓からは外が見えるってやつ。
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