二項分布の平均値と分散を出す問題で、
平均値= Σk=1,n nCk・p^k・(1-p)^n-k = np という式がありますが、
左辺をどう整理したら右辺になるのでしょうか。
左辺= (1-p)^n + np(1-p)^n-1 + n(n-1)/2・p^2(1-p)^n-2 +
・・・ + n(n+1)/2・p^n-2(1-p)^2 + np^n-1 (1-p) + p^n
とした時の2つ目の項の np以外は消えるということだと思うのですが、消える根拠が分かりません。 よろしくお願いします。
(数式 見にくくてすみません)
No.6
- 回答日時:
#5です。
φ(t)=(pt+q)^n とおいて、φ'(1)が平均値を与える方法について補足します。
φ(t)=(pt+q)^n とおいたのは、二項分布の確率母関数がφ(t)=(pt+q)^nであり、確率母関数φ(t)に対してφ'(1)が平均を与えるということから、皆さんがそのような計算をされています。二項分布以外でも、例えばポアソン分布にはポアソン分布の確率母関数が計算できます。
非負整数値をとる離散分布の確率母関数は、
φ(t) =P(0)+tP(1)+t^2P(2)+・・・+t^kP(k)+・・・
= Σt^kP(k) (k=0,∞)
で定義されます。この式を1階微分すれば
φ'(t) = 1・P(1) + 2tP(2)+ 3t^2P(3)+・・・+kt^(k-1)P(k)+・・・
= Σkt^(k-1)P(k) (k=1,∞)
ですから
φ'(1) = 1・P(1) + 2p(2)+3p(3)+・・・+ kP(k)+・・・=平均値
となります。
ここで二項分布について確率母関数を求めると、P(k)=nCk・p^k・q^(n-k) (0≦k≦n, q=1-p)として、
φ(t)=Σt^kP(k) (k=0,∞)
=Σ{nCk・(pt)^k・q^(n-k)} (k=0,n ∵P(k)=0 if k>n )
=(pt+q)^n
となります。これが「(pt+q)^nを1階微分してt=1を入れると平均値」の由縁です。
他の例として、ポアソン分布については、
φ(t) =Σ t^k P(k) (k=0,∞)
=exp(-λ)Σ{(λt)^k/k!} (k=0,∞)
=exp(λ(t-1))
です。
φ'(t) = λ exp(λ(t-1))
ですから、
ポアソン分布の平均値 = φ'(1) = λ
です。
なお、確率母関数を2階微分すると、
φ''(t) = 2(2-1)P(2)+3(3-1)tP(3)+4(4-1)t^2P(4)+・・・+k(k-1)t^(k-2)P(k)+・・・
φ''(1) = 1P(1)+2^2P(2)+3^2P(3)+・・・・+k^2P(k)+・・・
- (1P(1)+2P(2)+3P(3)+・・・・kP(k)+・・・)
=(2乗平均)-(平均)
となります。
分散=(2乗平均)-(平均)^2 より、
分散 = φ''(1)+φ'(1)-(φ'(1))^2
となります。
二項分布やポアソン分布であれば、平均や分散を計算するのは大した問題ではないので確率母関数を持ち出すまでもありませんが、複数の系が足されたり掛算されるような複雑なシステムになると意外に便利に使えたりしますので、機会があれば覚えておいて損はないでしょう。
No.5
- 回答日時:
皆さんご指摘の通り、まず、平均値E(X)は、
E(X) = Σ kP(k)
ですから、(誤植かも知れませんが)「平均値= Σk=1,n nCk・p^k・(1-p)^n-k 」はちょいと違いますね。
で、平均値を求めるにあたり、皆さんの回答のように p+q=1, f(t)=(pt + q)^n とおいて、f'(1)を求めるもよし。
また、力づくで、
E(X) = Σ k・P(k)
= Σk・nCk・p^k・q^(n-k)
=np Σ (n-1)C(k-1)・p^(k-1)・q^(n-k)
=np(p+q)^(n-1)
=np
また、分散を求める際には
E(X^2) = Σk^2・P(k)
= Σ(k^2・n!/((n-k)!・k!))p^k・q^(n-k)
= npΣ k・(n-1)C(k-1)・p^(k-1)・q^(n-k)
= npΣ{ (k-1)・(n-1)C(k-1)・p^(k-1)・q^(n-k) + (n-1)C(k-1)・p^(k-1)・q^(n-k) }
= n(n-1)p^2・(p+q)^(n-2)+np・(p+q)^(n-1)
= n(n-1)p^2+np
より、
分散V(X) = E((X-E(X))^2) = E(X^2) - (E(X))^2 = n(n-1)p^2 + np - n^2 p^2 = np(1-p)
です。
f(t)=(pt + q)^n とおいて、f'(t),f''(t)から求める方が知っていれば簡単ですね。
ありがとうございます。
最初、「2項展開の式を利用して」という考え方が難しかったので、
この、「力ずくで」 とおっしゃる解き方、かなり好きです。
参考にさせていただきます。
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
確率変数Xの平均値(期待値)E(X)は、
X=1,2,・・・,n
P=P1,P2,・・・,Pn
E(X)=Σ[k=1,n]k*Pk
標準偏差σ(X)
分散{σ(X)}^2
{σ(X)}^2 =Σ[k=1,n]Pk*(k-E(X))^2
二項分布に従う時は、
Pk=nCk*q^(n-k)*p^k
p+q=1
(q+pt)^n=Σ[k=0,n]nCk*q^(n-k)*p^k*t^k
(q+pt)^n=Σ[k=0,n]Pk*t^k
両辺をtで微分して、
np*(q+pt)^(n-1)=Σ[k=1,n]k*Pk*t^(k-1)・・・(1)
t=1 とおいて、p+q=1
np=Σ[k=1,n]k*Pk
E(X)=Σ[k=1,n]k*Pk=Σ[k=0,n]k*Pk=np
分散は、
(1)を再度、微分して、
n(n-1)*p^2*(q+pt)^(n-2)=Σ[k=2,n]k(k-1)*Pk*t^(k-2)
t=1 とおいて、p+q=1
n(n-1)*p^2=Σ[k=2,n]k(k-1)*Pk=Σ[k=0,n]k(k-1)*Pk
これを変形して、
n(n-1)*p^2=Σ[k=0,n]k^2*Pk-Σ[k=0,n]k*Pk
=Σ[k=0,n]k^2*Pk - np
Σ[k=0,n]k^2*Pk={n(n-1)*p^2 + np}
{σ(X)}^2
=Σ[k=0,n]Pk*(k-E(X))^2
=Σ[k=0,n]Pk*(k-np)^2
=Σ[k=0,n]Pk*k^2 -2npΣ[k=0,n]Pk*k+(n^2)(p^2)Σ[k=0,n]Pk
={n(n-1)*p^2 + np} -2np*np + (n^2)(p^2)*1
=(n^2)(p^2)-n(p^2)+np-2(n^2)(p^2)+(n^2)(p^2)
=-n(p^2)+np
=np(1-p)
=npq
ありがとうございました。
一見 難しいことを書かれているように見えたのですが(失礼!)
1つ1つ 確認していったらよく分かりました。
助かりましたぁ。
ポアッソン分布も同じように やっていけば出ますでしょうか?
No.3
- 回答日時:
すみません、No.1です。
補足です。右辺のk=0に対応するq^nの項をpで微分したら、なくなってしまい、p^(-1)・q^nの次数の項は存在しないのですが、微分した結果、k=0が係数として乗じられるために矛盾がなく、形式的に残してあります。
No.2
- 回答日時:
二項展開の式(x+y)^n=ΣnCk・x^k・y^(n-k)を利用します。
両辺をxで微分すると、
n(x+y)^(n-1)=Σk・nCk・x^(k-1)・y^(n-k)
両辺にxを掛けると、
nx(x+y)^(n-1)=Σk・nCk・x^k・y^(n-k)
ここで、x=p、y-1-pとすると右辺が平均の式になり、左辺はnpになる。
さらに両辺をxで微分してxを掛けてx=p、y-1-pとすると二乗の平均の
式になるので、分散も計算できる。
ありがとうございました。
うまく変形させることができました。
分散の計算が難しいですがNO3さんのアドバイスと併せて
取り組んでみたいと思います。
No.1
- 回答日時:
平均値=Σk=0,n k・nCk・p^k・(1-p)^n-k = np じゃないかな?
今これを解くとしたら、(学校で習った解き方はすっかり忘れてしまったもので…)
(p+q)^n=Σk=0,n nCk・p^k・q^n-k
はよろしいでしょうか?
両辺をpで微分すると、
n・(p+q)^(n-1)=Σk=0,n k・nCk・p^k-1・q^n-k
今度は両辺にpを乗じる。すると、
n・p・(p+q)^(n-1)=Σk=0,n k・nCk・p^k・q^n-k
ここでq=1-pとおけば、
n・p=Σk=0,n k・nCk・p^k・(1-p)^n-k
が得られます。
お礼が遅くなってすみません。
回答ありがとうございました。
ご指摘の通り、分布の式と平均値の式をごちゃまぜにしてしまい
間違った式を書いてしまったようです。
紙に書き取っていたため、教えていただかなければ気付かなかったかもしれません。
それも含めてありがとうございました。
説明も分かりやすかったです。
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