CO2 + CH4 → CH3COOH
という反応からCO2削減やエネルギー問題に効果が期待できますか?
以下の問題の答えを教えてください。
(課題)
CO2の増加が社会問題となっていることから、化学反応でCO2を消費する次のプロセスを開発することにした。
『 CO2 + CH4 → CH3COOH 』
が実現すればCO2削減やエネルギー問題に効果が期待できる。
また、副生物が発生しないため、環境にも負荷がかからない。
(問題)
(1) 反応式の左辺と右辺の化学物群について、結合エネルギーの総和Etotを求め、この反応が自発的に進行するか答えよ。
(2) 上記の反応プロセスによってCO2問題が解決するか化学的に答えよ。
という問題です。
(1)は http://www.wiredchemist.com/chemistry/data/bond_ …
の表から計算したら、左辺が 3242kJ/mol、右辺が 3195kJ/mol になったので、自発的に進行することが分かったのですけど、(2)が本気で分かりません。ヒントだけでもいいので教えて下さい。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
はい, できた酢酸をどうするかが問題ですね. アセチレンに付加して酢酸ビニル→重合?
ちなみに「メタン 増炭」で検索すると「北海道における天然ガス高度利用技術調査報告書」なるものがひっかかるんですが, これによると CH4 + CO2 →CH3COOH とか CH4 + CO2 →2H2 + 2CO という反応そのものは既に得られているみたいです. 前者は Pd(OAc)2/Cu(OAc)2 触媒, 後者は ペブロスカイト担持Ni(Ni0.2/(Ca0.8Sr0.2)TiO3, Ni0.2/BaTiO3) とか Ni0.03Mh0.97O固溶体触媒とかいうものでそれなりにできるとか.
あと, Pr2O3-アルカリ土類酸化物触媒だと CH4 + CO2 の反応でいきなりエタンとかエチレンができることもあるそうです.
ありがとうございます!
さっそく「北海道における天然ガス高度利用技術調査報告書(平成12年5月)」をダウンロードして読んでみました。
CH4 + CO2 →CH3COOH のところの記述は非常にあっさりしていましたけど、CH4 + CO2 →2H2 + 2CO のところに「この反応は、天然ガスの有効利用と同時にCO2の再資源化の意義を持つだけでなく、2つの地球温暖化ガスを同時に処理できる反応としても重要である」と書いてありますね。酢酸にするよりも、H2とCOをつくる方が有望だということでしょうか。
「メタン 増炭」をキーワードに自分でも探してみようと思います。
No.4
- 回答日時:
>この反応の活性化エネルギーが大きいから無理ということでしょうか?
その通りです。室温で何も触媒を使わないと仮定して解答していましたが、(1)の反応を進行するには非常に結合エネルギーの高いアルカンのC-H結合を切断する必要があります。
またNo.3の方が解答されているように、パラジウムなどの金属触媒を用いた系ならば活性化エネルギーを下げることが出来ます。
ただ、そのような金属触媒を用いてもかなりの加熱条件などでない限りは、まず反応は進行しないと考えられます。
このように考える根拠なのですが、現在の有機化学の最先端の分野でも、アルカンより反応性が高いと考えられるベンゼン環のC-H結合を活性化する際には加熱条件や、何がしかの補助が必要だからです。
仮に(1)の反応が、室温で自発的に進行するほど活性化エネルギーが低かったら、CO2は生じると同時に身の回りのあらゆる有機物質と反応するでしょう。
(2)について補足、酢酸をポリ酢酸ビニルなどの高分子にしたとして、確かに大気に放出するCO2は減らせます。問題は出来たポリマーをどうするかですかね。無論、燃やしたらCO2が出ますので、何がしかの材料にするべきでしょう。
ただ、一連の反応で必要となるエネルギーを得るために消費された燃料から出るCO2より、ポリマーとして固定したCO2の量が多い必要があります。実際どうなるかは分かりませんが。
だいぶ分かってきました。
C-H結合を切るのは大変なので、 CH4 + CO2 → CH3COOH の反応は簡単には進まない。
だからこのプロセスを実現するのは、容易ではない。
それでも新触媒の探索は、地道に、というと研究に携わっている方々に失礼ですが、行われている。
なぜなら、もしこのプロセスが実現されれば、CO2の再資源化への道が拓けるからだ。
しかし、このプロセスがCO2の削減を目指したものならば、消費された燃料から出るCO2の量は、再資源化したCO2の量よりも少なくなければならない。
そのため、このプロセスが満たすべき条件はさらに厳しいものとなり、いまのところ実現の目処は立っていない。
ありがとうございます。
No.2
- 回答日時:
(1)についてですが、質問自体に問題があります。
反応が自発的に進行するためには、反応の活性化エネルギーを超えるだけのエネルギーの供給があることが必要です。生成物と原料の安定性の比較だけでは自発的に進行するとはいえません。
活性化エネルギーが反応系から生じる熱量
3242-3195=47(kj/mol)
よりも小さければ、反応開始のエネルギーを与えるだけで、あとは発生した熱で進行します。
この反応系ではまず無理だと思います。
(2)についてはNo.1の方が述べている通り、生じた酢酸をどのように利用するかという問題があります。また、この反応に必要なエネルギーの問題もあるので、CO2削減やエネルギー問題については判断できません。
ありがとうございます。参考になります。
(1)についてですが、ウィキペディアの反応熱のところに「化学反応は自由エネルギーが減少する方向に自発的に進行する」と書いてありました。
それと、ご回答の中で「この反応系ではまず無理」とあるのですけど、なぜそう判断できるのですか?この反応の活性化エネルギーが大きいから無理ということでしょうか?
(2)については、ウィキペディアで調べたら、酢酸が化学工業で広く用いられてると書いてあったので、得られた酢酸を工業原料に使えばいいと思いました。それだとCO2問題が解決できると考えてもいいのでしょうか。
No.1
- 回答日時:
本当に(1)は「自発的に進行する」のですか?
だとすればどうすれば自発的に進行するのですか?
問題文に「~が実現すれば・・」と書かれているということは、それを進行させる方法は見つかっていないということですよね。
だとすれば、「自発的に進行する」かどうかわかりませんよね?「自発的に進行する可能性がある」というのであればわかりますが。
(2)に関しては意味不明です。得られた酢酸をどうするかわからないからです。未来永劫にわたって酢酸のままで保存するのであれば確かにCO2は減少することになります。しかしそれもしくはそれを使って製造したものを燃料にでもしようものなら元の木阿弥です。つまり、無意味ということになります。
(2)に関しての結論を簡潔に述べれば、酢酸をどうするかということと抱き合わせて考えなければ判断できないということです。
ありがとうございます。参考になります。
(1)に関しては、そうですよね。これだけじゃ「自発的に進行する」かどうかは分かりませんよね。でも発熱反応なので、反応は進みやすいだろうなあと考えました。
(2)に関しては、ウィキペディアで調べたら、酢酸が化学工業で広く用いられてると書いてあったので、得られた酢酸を工業原料に使えばいいと思いました。それだとCO2問題が解決できると考えてもいいのでしょうか。
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