「お昼の放送」の思い出

こんにちは。環境関連の会社に勤める者です。
今抱えている案件の中で、原因が分からず困っている問題があり、皆様の知恵をお借りしたく質問致しました。
ある工場内に硫化水素を排出する設備があり、それを苛性ソーダ(水で4%に希釈したもの)を使い、スクラバーで処理しています。
硫化水素を吸収した苛性ソーダには、20%硫酸を加え中和した後、放流するのですが、なぜか中和したはずの処理水を1~2日放置しておくとpHが8.5程度まで上がってきます。(数回テストしましたがいずれもpH8.5付近で安定します)
試しにこの水を攪拌しながら放置してみると数時間でpH8.5まで上昇します。おそらく空気接触が何か関係していると思われます。
また、一旦pH8.5まで上昇した水を硫酸で中和し、放置しておいてもまたpHは8.5付近まで上昇してきます。
ですが、同じ中和作業を繰り返してみると、安定するpHが0.05位ずつ低下してくる様子がうかがえました。
検討が行き詰まってしまって本当に困っています。宜しくお願い致します。

A 回答 (9件)

考えられるパターンが2つあります。


まず、苛性ソーダに硫化水素を吸収させたものに強酸である硫酸を混合した場合、硫化水素のガスが発生しませんか?
(1)H2S+2NaOH → Na2S+2H2O
(2)2Na2S+H2SO4 → Na2SO4+H2S
発生していないのであれば硫酸の添加量が少ないことが考えられます。
この場合、一時的に中和が完了したかに見えて実は分子レベルでの十分な中和が完了しておらず、時間とともにpHが引き戻されていくと想像されます。
もう一つは一旦中和が完了したものの(または硫酸が若干過剰で)、(1)の逆反応がゆっくりと進み、H2Sが大気中に放散され、溶液全体が徐々に塩基性に引き戻されるというものです。このパターンですと
そもそもせっかく回収した硫化水素を(場所を変えて)再び空中へ逃がしてしまうということになりますね。硫化水素は有害かつ爆発性もあります。(大気中への放出が問題か否かはよくわかりませんが・・)
また硫化ナトリウムは汚染の点から環境放出が禁じられていると思います。
最も適切な対応としては、硫化水素を苛性ソーダ溶解で回収した後、
すぐに中和せず、クラウス法や高活性光触媒法などでの処理施設へ運搬ののち処分するのが適当ではないでしょうか。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

ご回答頂きありがとうございます。

>一時的に中和が完了したかに見えて実は分子レベルでの十分な中和が完了しておらず、時間とともにpHが引き戻されていくと想像されます。

これについては、今までの中和テストにおいて硫酸でpH7~7.5でしかやっておりませんでしたので、酸性域に思いっきり下げた時にどういうpH挙動を示すか、早速テストしてみたいと思います。

>もう一つは一旦中和が完了したものの(または硫酸が若干過剰で)、(1)の逆反応がゆっくりと進み、H2Sが大気中に放散され、溶液全体が徐々に塩基性に引き戻されるというものです。

化学の知識に乏しいので教えて下さい。
(1)の逆反応がなぜ硫酸を過剰に添加することで起こるのでしょうか?

お礼日時:2008/01/15 19:46

No3,6,8です。


>「一旦pH8.5まで上昇した水を硫酸で中和し、放置しておいてもまたpHは8.5付近まで上昇してきます。
>ですが、同じ中和作業を繰り返してみると、安定するpHが0.05位ずつ低下してくる様子がうかがえました。」
>については、どういう反応が行われていると推測できますか?

 これについては推測までに至らず、予想というか想像という域を越えられませんが、1つには液中のH2S、Na2Sに
よる緩衝作用が考えられます。この案件での廃液がこの条件に適合するか、ちょっとわかりませんが、弱酸とその塩
の共存する溶液は一般に緩衝作用が知られ、酸または塩基による液性変化を緩衝し、元のpHを維持仕様とはたらくこと
があります。(今回とは全く別の物質ですが、観賞魚用水槽の中和剤などで応用されています)
それがpHの引き戻しにつながり、中和操作の繰り返しにより徐々に緩衝作用が低下してくるために、安定pHも低下
するというものですが、ちょっとムリかな?
確証・自信ともにありません。すみません。
    • good
    • 1
この回答へのお礼

ご回答頂きありがとうございます。
「緩衝作用」について少し調べてみようと思います。
Tomywaveさんや他の皆様のおかげで、この案件の出口がようやく見えてきました。あとは私の方で頑張ります。
ありがとうございました。

お礼日時:2008/01/21 14:46

No.3 & 6です。



>Na2S + H2SO4でのH2Sの追い出しと、Na2S + CO2でのH2Sの追い出しが同時に起こっているとは考えられますか?

多量の炭酸混入の機会があれば無視には至りませんが、これまでのお話ですと考えにくいと思います。

>また先日、同じ水を密閉容器に入れて放置するというテストをしてみたのですが、この場合pH上昇は起こらず、終始安定していました。
密閉してたのでH2Sの逃げ場がなく、H2Sの追い出し反応が起こらなくなったということでしょうか?

そう考えて良いかと思います。正しくは追い出しが起こらなくなったわけではなく、遊離したH2Sが再溶解したという表現の方が適切かもしれません。
    • good
    • 1
この回答へのお礼

ご回答頂きありがとうございます。
とても参考になりました。
最後に・・・もう一つだけひっかかっていることがあるのですが・・・
質問欄に書かせて頂いた、
「一旦pH8.5まで上昇した水を硫酸で中和し、放置しておいてもまたpHは8.5付近まで上昇してきます。
ですが、同じ中和作業を繰り返してみると、安定するpHが0.05位ずつ低下してくる様子がうかがえました。」
については、どういう反応が行われていると推測できますか?
何度も申し訳ございませんが、ご教示頂ければ幸いです。

お礼日時:2008/01/18 10:33

#4です


>これは硫化水素が酸素と反応して硫黄となり、水中の硫化水素濃度が減る為にpHが上がるという解釈で宜しいでしょうか?

それでよいと思います。
そして#3さんのおっしゃるとおり,
弱酸の遊離によっても大気中に酸が逃げて行きますから

密閉してpHが安定するのであれば
硫化水素が再度遊離して大気中に逃げた結果であるという可能性が
非常に高いと思います
    • good
    • 0
この回答へのお礼

なるほど・・・。
非常に参考になりました。問題が解けそうです。
ありがとうございました!

お礼日時:2008/01/18 10:27

No.3です。



>(1)の逆反応がなぜ硫酸を過剰に添加することで起こるのでしょうか?
についてですが。

一般的に、「弱酸塩に強酸を加えると、弱酸が追い出され、強酸塩ができる」のです。
「追い出し反応」なんて呼ぶ人もいます。

例えば中学校の時にやった「石灰石に塩酸をかけて二酸化炭素を発生させる。」という
懐かしい実験は、

CaCO3 + 2HCl → CaCl2 + H2O + CO2

つまり、弱酸塩である炭酸カルシウムに強酸である塩酸を加えることで、炭酸は追い出され、
CaはClと塩をつくるというものです。

案件に登場するNa2S は弱酸塩に該当しますので、強酸である硫酸を加えれば、炭酸同様に
H2S が追い出される、というわけです。
硫酸が中和当量に近づくまたは越えるにつれ、追い出しが盛んになると考えてください。
    • good
    • 1
この回答へのお礼

お礼が遅くなり申し訳ございません。
とても分かり易いご説明ありがとうございます。

度々質問して申し訳ないのですが、
Na2S + H2SO4でのH2Sの追い出しと、Na2S + CO2でのH2Sの追い出しが同時に起こっているとは考えられますか?

また先日、同じ水を密閉容器に入れて放置するというテストをしてみたのですが、この場合pH上昇は起こらず、終始安定していました。
密閉してたのでH2Sの逃げ場がなく、H2Sの追い出し反応が起こらなくなったということでしょうか?

お礼日時:2008/01/17 17:08

ご質問の要点とはずれますが、硫化水素、硫化ナトリウムは次亜塩素酸ナトリウム(2NaOH+Cl2→NaCl+NaClO)溶液で酸化し、硫黄もしくは硫酸(ナトリウム塩)としないと毒性面から排出出来ないと思います。


水酸化ナトリウムスクラバーでなく塩素酸ナトリウムスクラバーでpHを8以上に保ちながら処理するべきです。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

ご回答頂きありがとうございます。
そうなんですか・・・。設備対策を打つ際に参考にさせて頂くかも知れません。ありがとうございました。

お礼日時:2008/01/15 19:50

#1さんと#3さんのお考えが共に起こっていると考えます



硫酸による中和で弱酸遊離した硫化水素は
イオン,あるいは分子状態で水中に過飽和状態で駐留していると思われます
ある分子は空気中の酸素で酸化されて硫黄に(わずかに白濁が見られるはずです)
ある分子は大気中に逃げ,酸の放出により塩基性が勝ってきます

いずれにしても,硫化水素を硫化物イオンを維持したまま処理しようという設計に問題があると考えられます

中和したあと適当な酸化剤を用いて硫黄とし,
固体として回収すべきではないでしょうか?

適当な酸化剤は,今にわかには思い浮かびませんが…
重金属のオキソ酸はマズイですね
過酸化水素なら水になるから一番環境にはいいかもしれません
    • good
    • 1
この回答へのお礼

お礼が遅くなり申し訳ございません。
ご回答頂きありがとうございます。

>ある分子は空気中の酸素で酸化されて硫黄に(わずかに白濁が見られるはずです)
これは硫化水素が酸素と反応して硫黄となり、水中の硫化水素濃度が減る為にpHが上がるという解釈で宜しいでしょうか?
テスト時の容器内の白濁は詳しく見ていなかったので何とも言えませんが、もしかすると白濁や沈殿があるかもしれませんね。

お礼日時:2008/01/17 16:53

中和された直後のpHはいくらでしたか?

    • good
    • 0
この回答へのお礼

回答頂きありがとうございます。
中和直後のpHは7.35程度です。

お礼日時:2008/01/15 19:26

硫化物イオンは還元剤なので、空気中の酸素と反応して、硫黄になっていませんかね?(沈殿とかあれば分かると思いますが)



S2- → S + 2e-
4e- + O2 + 2H2O → 4OH-

もっとも大間違いかもしれませんが...

それはそうと、中和生成物の硫化ナトリウムって、環境に放出しても大丈夫なんですかね?
    • good
    • 0
この回答へのお礼

今回のケースでは水中に沈殿は見受けられませんでした。
しかし参考になりました。ありがとうございます。

お礼日時:2008/01/15 19:24

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!

このQ&Aを見た人はこんなQ&Aも見ています


おすすめ情報