No.2ベストアンサー
- 回答日時:
今の話ですと,地球の中心からの距離を rとして,
ポテンシャル U(r) は力 F(r) と
(1) F(r) = - dU(r)/dr
となるように定義されています.
力 F(r) の大きさは GMm/r^2 ですが,
これは引力ですから r 方向(中心から外向き)と逆方向を向いています
(Gは万有引力定数,M は地球の質量,m は人工衛星の質量).
したがって
(2) F(r) = - GMm/r^2
と考えてください.
(1)(2)を比べると(あるいは積分して)
(3) U(r) = -GMm/r + (定数)
となることがわかりますが,「無限遠を基準とする」というのは
(4) U(∞) = 0
となるように選ぶということです.
すなわち(3)の定数はゼロにしなさいということになります.
あとは ADEMU さんご紹介のページにもありますように
遠心力と引力の釣り合いから
(5) mv^2/r = GMm/r^2
で,両辺に r/2 を掛けると,左辺は
(6) mv^2/2 = T
右辺は
(7) GMm/2r = -U/2
になりますから,直ちに
(8) 2T = -U
が得られます.
この関係式は力学でビリアル定理と言われるものの特別な場合になっています.
(8)の係数の2や -1 はどのような系かによって変わります.
調和振動子(ばね+おもりの運動)で,1周期の運動エネルギーの平均値と
ポテンシャルエネルギーの平均値が等しくなっていますが(<T> = <U>),
それもビリアル定理の一例です.
この回答への補足
丁寧な説明ありがとうございます。
ところで、下記のような表現では
上記設問の証明として足りないでしょうか?
無限遠を基準とした場合の位置エネルギー: U=-GMm/R
運動エネルギー: T=mv^2/2
この二つをそれぞれmについて解き連立させると
2T=U(-R/GM)v^2
が導かれる
ここで、円運動の運動方程式: m(v^2/R)=GMm/R^2
から
v^2=GM/R(第一宇宙速度)
これを上記の式に代入すると
2T=-U
となる。したがって与式(2T=-U)が成立する。
No.7
- 回答日時:
nubou さん:
> いや違うんですよsiegmund先生
> 惑星などの自然の軌道として円運動はよっぽどの偶然でない限りとらない
> すなわちそうなる確率が低いということを言いたかったのですが
> よく考えてみると静止軌道のように人工衛星を人為的に円軌道にする場合もあるわけだし
> そもそも惑星と違って人工衛星は強制的に望む軌道にするわけだから
> 円運動は十分現実的なものだという結論に達したのです
そういうことでしたか.
推測で批評がましいこと書いて,大変失礼しました.
おっしゃるとおり,エネルギーを束縛状態になるように設定して,
テキトーに初期条件つけたら円運動に(近く)なるのはよっぽどの偶然ですね.
太陽系の惑星がどれも円軌道に近い(水星と冥王星はちょっとはずれているようですが)のは
太陽系のなりたちと深くかかわっているんでしょうね.
本題からそれました.
No.6
- 回答日時:
それで撤回されたのだろうと推測しますが:
いや違うんですよsiegmund先生
惑星などの自然の軌道として円運動はよっぽどの偶然でない限りとらない
すなわちそうなる確率が低いということを言いたかったのですが
よく考えてみると静止軌道のように人工衛星を人為的に円軌道にする場合もあるわけだし
そもそも惑星と違って人工衛星は強制的に望む軌道にするわけだから
円運動は十分現実的なものだという結論に達したのです
でも楕円軌道で考えたほうが一般的なので応用が広いということは思っていました
なおm≪Mである必要はなくmとMが同程度の大きさでもよいのです
そのときMは振られていますから
Mを原点に取る以上非慣性系での運動になります
従って驚くべきことにU(r)は慣性系におけるポテンシャルでないのです
No.5
- 回答日時:
itachi さん:
> ところで、下記のような表現では
> 上記設問の証明として足りないでしょうか?
これでもOKです.
というか,やっていることは No.2 の綿isの私の回答と本質的に同じです.
つまり,
T = mv^2/2
U = U=-GMm/R
mv^2/R = GMm/R^2 ⇔ v^2=GM/R
から T と U の関係を導いているわけです.
私のやり方と itachi さんのやり方は多少の式変形の順の違いに過ぎません.
nubou さん:(撤回されちゃったけれど)
> 円軌道より楕円軌道のほうが現実的ですね
一般には楕円軌道になりますね.
楕円軌道ですと,中心からの距離が一定ではありませんし,
速度も一定ではありません.
したがって,各瞬間に 2T = -U と言うわけには行きません.
(それで撤回されたのだろうと推測しますが...)
でも,楕円軌道の1周期にわたって平均を取りますと(<T>,<U> で表す),
2<T> = -<U>
の関係が成立しているのを示すことができます.
No.4
- 回答日時:
前言を撤回します
失礼しました
rを位置ベクトルとしたとき
F(r)=-G・M・m・r/|r|^3
の場は
∇×F(r)≡0
であるときポテンシャルを持ちます
あるいは
a,bをそれぞれ任意の位置ベクトルとしたとき
∫(a→b)・(F(r),dr)
がa→bの経路によらないときにポテンシャルを持ちます
ただし(,)は内積
|b|が限りなく大きいときにbは無限遠点であるといい∞とかきます
(r,r)=|r|^2をtで微分すると
2(r,dr/dt)=2|r|・d(|r|)/dt
すなわち(r,dr)=|r|・d(|r|)であるから
無限遠点を基準とするポテンシャルの候補U(a)は
∫(a→∞)・(F(r),dr)=
-G・M・m・∫(a→∞)・(r,dr)/|r|^3=
-G・M・m・∫(a→∞)・|r|・d(|r|)/|r|^3=
-G・M・m・∫(a→∞)・d(|r|)/|r|^2=
G・M・m・[1/|r|](a,∞)=
G・M・m(1/|∞|-1/|a|)=-G・M・m/|a|
結果が経路によらないのでU(a)はポテンシャルである
aを改めてrとかくと
U(r)=-G・M・m/|r|
この回答への補足
nubouさん、丁寧な解説ありがとうございました。
特に「無限遠」についてのイメージがやっとはっきりつかめたように思います。
ただ、私の証明に比べてずいぶん丁寧なので、あれで十分なのか少し不安です。もしお時間が許すようであればご解答お願いします。
No.1
- 回答日時:
この回答への補足
ADEMUさん、ありがとうございました。
紹介していただいたURLのページとても役に立ちました。
第一宇宙速度の式を使えば、運動エネルギーと無限遠を基準とした場合の位置エネルギーの式を連立させて簡単に
2T=-Uの式を導くことができました。
内容すべて、きっちり理解したかと言われると、
ちょっと怪しいですが、「無限遠」という表現もなんとなく理解できました。
とにかく、ありがとうございました。
ところで、私の解法はここに示した方がよろしいでしょうか?
それと私の質問に変な部分がありましたね。
運動エネルギー、位置エネルギーともにTになっていましたが、
運動エネルギーT
位置エネルギーU
の誤りでした。失礼いたしました。
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